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カルロス・アギーレと山形

2019.09.29

カルロス・アギーレは、ネオ・フォルクローレの精神的支柱と称される、シーンを代表する音楽家である。

そのカルロスが山形を訪れたのは、2010年のソロ、2012年のキケ・シネシとのデュオ、そして昨年の一月の公演の3回で、彼の過去の来日も3回であるから来日の全てにおいて、山形で公演をしていただいていることになる。

地方都市で彼が毎回訪れているのは山形と岡山ぐらいで、それだけ山形の聴衆はカルロス・アギーレの音楽に共鳴し、文字通り心酔していると言っていいだろう。

カルロス・アギーレと山形

カルロス・アギーレは、アルゼンチンのエントレ・リオス州の州都パラナの郊外、パラナ河のほとりに住み、大自然のなかで創作活動を続けている。自身のレーベルから「カルロス・アギーレ・グルーポ」で3枚、ソロで2枚、トリオで1枚のアルバムを発表し、どれもがネオ・フォルクローレの名作として高い評価を得ている。

本年7月には、ピアノの弾き語りによるニュー・アルバム、「La Musica Del Agua(水の音楽)」がリリースされた。

この作品は昨年の山形公演と同じタイトルが冠されたもので、ここ数年彼が真摯に取り組んでいるテーマであり、山形公演での内容も本作と同様にピアノによる弾き語りであった。本作に収録された楽曲は、彼自身の手によるものではなく、この地域に関わる先人や同胞たちによる、素朴な輝きに溢れるもので、パラナ川~ラプラタ川流域の雄大な自然と、そこに住まう人々の日々の情景を綴ったものである。それらは彼自身の楽曲に比べればとても素朴なものだが、豊かで美しい情感に満たされている。その楽曲群を、この上なく優しく繊細な彼の歌声と、水の音や水の流れ、そして水面の煌めきを思わせる彼の端正で現代的なピアノとで描き上げている。

彼自身がライナーで記しているように、「ここには田舎の環境に由来する表現と、都会で生まれた表現が共存している」のだ。地味な作品ではあるけれど、聴くほどに本作の放つ、穏やかな光に魅了されるだろう。

カルロス・アギーレと山形

試聴リンクはこちら
https://open.spotify.com/album/5OVgHnK63qsNpDNzLT5Ggp?si=1kTssmciSxeQz7Tg1eka7A

そしてこの10月にはカルロス・アギーレの4度目の山形公演が開催される。

今回は、セバスティアン・マッキ(ピアニスト/コンポーザー/シンガー)とのトリオでの来日である。

セバスティアンは、カルロス・アギーレの音楽的薫陶を受け、互いに大きな信頼を置く関係で、2005年にはネオ・フォルクローレの金字塔『ルス・デ・アグア』をリリース。ルカス・ニコティアンとのピアノ・デュオ・アルバム、2015年の『ルス・デ・アグア』第2弾、2016年のソロ・アルバム『ピアノ・ソリート』などを発表。そしてこの10月、カルロスとともに初の日本公演を行うこととなった。ネオ・フォルクローレのアーティストとして、最も来日が期待されていた一人だ。

カルロス・アギーレと山形

そして来日を前に、今回の公演メンバーでもあるカルロス・アギーレとゴンサーロ・ディアスを迎えて制作された、セバスティアン・マッキ・トリオのアルバム『Aguasilabas』が927日リリースされる。

このアルバムに収めらえた豊かなハーモニーと清冽な響きは、新たなネオ・フォルクローレ名盤の誕生と言って良いだろう。本作と今回の来日公演ではカルロスが主としてフレットレス・ベースを弾いているという驚きもある。この音楽をアルバムのみならず、ぜひ生で体感していただきたい。

カルロス・アギーレと山形

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Sebastian Macchi Trio / Carlos Aguirre Japan Tour 2019 _ 10.19 @文翔館

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