鎌倉市雪ノ下一丁目「文士の森」
心を和ませてくれる旧鎌倉の景観は、時代とともに開発の波にさらされ急速に失われています。航空写真で戦後と現在を見比べてみると、唖然とするほど土地が細切れになり、緑が激減していることがわかります。中心地で鬱蒼と緑が茂るのは、もはや寺社だけなのでは、と思えるくらいに。
そんななか、雪ノ下の古い路地に残る森と邸宅をご存知でしょうか。広大な敷地に建つ茅葺の邸宅は、関東地方では希少な関東大震災前の建物です。いつもは黒い板塀に囲われていて外からは見えません。事前の情報で知っていたにも関わらず、初めて門をくぐった日は「こんな場所が残っていたなんて…」と驚きました。木々は大きく育ち、手入れの届いた庭は美しく、建物は改装を加えられながらも趣をとどめています。
大正から昭和初期にかけては多様な分野で活躍する文化人の交際の場として、その後、作家・大佛次郎さんの所有となってからは、客人をもてなす茶亭として活用されたこの建物。作家、女優、画家、歌舞伎役者など関わった人々の人生をなぞるだけでも実に豊かな歴史を物語る存在です。彼が亡くなった以降も家族によって大切に維持されてきたこの場所が、世代交代を経て、たすきを託す時期が訪れました。
景観の維持を前提としてくださる方。
建物の改修は可能ですが既存を活かす方針で考えてくださる方。
を対象としています。
歴史的に意義のある建築をきちんと残してゆくこと。その実現に求められる資本力と心意気は相当なもので、非現実的な話かもしれません。ただ、元来そのような思想を持つ方は少なくないことをわたしたちは知っています。志ある方の手に渡り、思想を体現する「場」そのものが呼び水となり、さらに理念が広がってゆく。鎌倉において、そのような活動にふさわしい場所はもうここしか残っていないのでは。空からの写真を見てそう思ったのです。
日本ではじめてナショナルトラスト運動を広く知らしめたことでも知られる大佛次郎さん。次々と失われていく鎌倉の街並みを守りたかった、彼の思いが残る森です。志ある方の挙手をお待ちしています。
*購入時にかかる諸費用や、取得後の維持、また借地条件など詳細は問合せを頂いた方にご案内します。ご興味ある方はまずはお問い合わせください。
*事業用途の場合、業種に制限があります。
*ご内見には事前に日程調整が必要となりますのでご了承ください。
所在地 | 鎌倉市雪ノ下一丁目 |
---|---|
価格 | 1億7,750万円 |
土地面積 | 1043.02 |
建物面積 | 146.67 |
交通 | JR横須賀線「鎌倉」駅・徒歩9分 |
建物構造 | 木造/草葺平家建1階建て |
築年 | 不詳 |
都市計画 | 市街化区域 |
土地権利 | 賃借権 |
用途地域 | 第一種中高層住居専用地域 |
建ぺい率/容積率 | 60%・200% |
取引様態 | 媒介 |
設備 | 都市ガス/公共下水/公営水道 |
備考 | 地代(月額):246,000円/地目:宅地/私道負担:土地面積にセットバック約88.5㎡含む/現況:居住中 (店舗営業中につき内見日時は要相談)/引渡時期:相談/借地詳細:譲渡承諾料:売主負担/期間:20年/更新料:借地権価格の10%/新築承諾料:建物価格の10%/鎌倉市景観重要建築物/風致保存会保存建造物/建物改修費は一部、鎌倉市の負担があります/鎌倉景観地区/埋蔵文化財保護法/近郊緑地特別保全地区/準防火地域/付属建物あり(物置)/接道状況①南側・公道(42条2項)幅員2.3m ②西側・私道(42条2項) 幅員1.8m ③北側・公道 (43条但書) 幅員1.3m / 駐車場なし/ 敷地内には主屋と別に、離れ(約18㎡)があります/ 容積率は前面道路幅員による制限あり |