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【山形/連載】穏やかな休日のための音楽11

地域の連載

2021.11.28

「穏やかな休日のための音楽」では、毎回山形に縁のある南米のアーティストとそのアルバムを紹介しています。

昨年の3月、山形での公演が予定されていたブラジル人アーティスト、レオナルド・マルケス(Leonardo Marques)ですが、ご存知の通り新型コロナ感染症の拡大のために公演の中止を余儀なくされました。すでにフライヤーも完成し、チケットの販売も開始していた状況での決断であったため、我々としてもとても残念な、悔しい結果になってしまいました。

【山形/連載】穏やかな休日のための音楽11

レオナルド・マルケスのプロフィールついては「レオナルド・マルケスのこと/ 2020.3.21山形公演に向けて」をご覧ください。この記事に書かれている通り、レオナルドはミュージシャンであるとともに、優れたプロデューサー/サウンド・エンジニアでもあります。
かつてはロサンゼルスのヴィンテージ楽器店で働いていたこともあるそうで、彼の地元ミナス州の州都ベロ・オリゾンチにある、自身のスタジオ「イーリャ・ド・コルヴォ(Ilha do Corvo)」には、ヴィンテージなアナログ機材がたくさん収集されていて、それらの機器を用いた馥郁としたサウンドを求めるミュージシャンの作品を数多くプロデューサーし、高い評価を得ています。

【山形/連載】穏やかな休日のための音楽11

例えば現在日本でも非常に人気のある、アンドレ・トラヴァッソス(Andre Travassos) 率いるフォークロック・バンドのムーンズ(Moons)もレオナルドがプロデュースしています。ムーンズの音楽を聴いてみてください。

MOONS / Thinking Out Loud

とても柔らかく、そしてふくよかな音像ですよね。レオナルドのプロデュースの特徴がよく表れている豊穣なサウンドだと思います。

今回紹介するのは、そんなレオナルド・マルケスがこれまでに関わってきた録音の中から、ミナス州、特に州都ベロ・オリゾンチの音楽シーンに特化したアーティストの楽曲を10曲集めたコンピレーション・アルバム、「Leonardo Marques presents Ilha Do Corvo Sounds Volume I」です。
本作には彼自身の1st、2ndアルバムから 1曲ずつ収録されているほか、前述のMOONS、そしてそのMOONSのメンバーでもあるベルナルド・バウエル(Bernardo Bauer)、レオナルドが初めてプロデュースを手掛けたというインヴィジヴェル(Invisivel)、そして今後ミナスの音楽シーンでの活躍が期待される、ジオヴァンニ・レアォン(Giovanni Leão)やドウグラス・スカリオーニ・ドミンゲス(Douglas Scalioni Domingues)などの若手まで、さまざまなアーティストの楽曲が収録されています。
各々が個性的で万華鏡のように色鮮やかで、暖かく洗練されたサウンドは、多様でありながらレオナルドのプロデュースという共通性でつながっています。レオナルドの音楽的方向性を知る上でも重要なアルバムと言えます。穏やかな休日にのんびりと聴いていただきたい素敵なアルバムです。

【山形/連載】穏やかな休日のための音楽11

さて残念ながら昨年の山形公演は中止になってしまいましたが、コロナが収拾したらぜひまたレオナルドを招聘したいと思っております。果たして我々に再びその機会は訪れるでしょうか。