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福井のみなみの季節と養生 #9/12月冬至 おおい町「暦会館」

地域の連載

2021.12.28

福井のみなみの季節と養生は、福井の南に位置する敦賀でユニットを活動する養生デザインのお二人(青木さん、山中さん)と、reallocal福井ライター牛久保で、季節ごとの養生についておはなししていく連載です。
※養生…身体の状態を整えること

1年の中で一番夜が長く、もっとも陰の気が極まる時が冬至です。

ここ福井では夕方には真っ暗になるくらい日が短くなりましたが、またこの冬至を境にお日様の出ている時間が長くなり、陽の気が増えていきます。ただ寒さはここからが本番。1年のうちで一番体調を崩しやすい時期に入ります。1年を振り返り、年末年始も楽しく健やかに、新しい年も元気に迎えましょう!

福井のみなみの季節と養生 #9/12月冬至 おおい町「暦会館」

「ん」のつく食べ物とゆず湯で無病息災を願う

青木:冬至といえば何を思い出しますか?
牛久保:南瓜とゆず湯ですね!
青:そうですね。冬至の時は「ん」のつく食べ物を食べると良いとも言われています。
冬至は1年の始まりと考えられていました。終わりを意味する「ん」のつくものを食べて一年を締めくくり、また明日から新しい年が始まることを意識することから、この「ん」のつくものを食べると良いとされています。
さて、牛久保さん、何か思いつきますか?
牛:なんきん、きんかん、にんじん・・
青:たくさんありますね。ちなみに冬至七種というものがあり、その3つに、れんこん、銀杏、寒天、うどんが加わります。この7種類の食べ物は冬の養生にぴったりなんです。カボチャは体を温め、元気を補給してくれる食材。やる気がでない時、疲れが溜まってきたなぁと感じる時にも食べると良いです。
牛:美味しいものばかりなので、楽しく取り入れられそうですね!」
青:はい。冬至を過ぎてからでも冬に食べると良いものとしてヒントにしてみてくださいね。
牛:ゆず湯にはどんな意味がありますか?
青:ゆずは疲れを癒して身体のめぐりを助け、その爽やかな香りからリラックスさせてくれる果物です。黄色く丸い柚子は太陽にも見立てることができるので、まさに陽をとり入れるのにぴったりなお風呂になりますよ。
牛:お風呂にぷかぷかと浮かんでいるのを見るだけでほっこりしますね。
青:小さなお子様がいるご家庭はゆずの皮からの刺激が強すぎることもあるので、1つだけとか、様子をみながら入ってくださいね。ヒリヒリ感じたらすぐシャワーで流すようにしましょう。

年越しには「おろしそば」、おせち料理には「黒豆・数の子・栗金団」を

牛:年末年始は、家族親戚で集まって美味しい物を肴に日本酒を呑むのが私のイメージです!今年は久しぶりに帰省できそうなので楽しみですが、青木さん、身体によいおすすめの料理はありますか?
青:まず年越しは福井ならではのおろし蕎麦がおすすめです。
牛:年越しそばですね!
青:そうですね!おろしそばは、大根おろしをのせたお蕎麦ですが、大根が消化を促進し、喉の調子を整え、ストレス解消にも一役買ってくれる優れものなんです。お蕎麦も胃腸に優しい食材なので、これも大晦日だけに限らず忙しい年末を乗り切るためにおすすめです。
牛:年始まで蕎麦で元気維持できそうですね!
青:ただ、おろしそばは冷たいですし、お蕎麦も身体を冷やす食材ですので、身体を温めるのを助けてくれる食材であるネギをたっぷり一緒にたべるのおすすめです。
そして年明けはおせち料理!お節料理は縁起を担ぐためにも、たくさん良いものが入っていますよね。その中でもぜひ取り入れて頂きたいのは、黒豆・数の子・栗金団です。黒豆は滋養強壮や老化防止に、栗は疲労回復にオススメです。数の子はニシンの卵ですが、このニシンは血を補って身体を温めてくれます。
元気に新しい一年を過ごすためにも是非取り入れてくださいね。
牛:お酒もすすみますね…。
青:そうですね。ほどほどに楽しんでください。

陰陽師と暦の資料館 暦会館(こよみかいかん)

福井のみなみの季節と養生 #9/12月冬至 おおい町「暦会館」

新しい年のはじまりの準備として、カレンダーをこの時期に購入しますね。カレンダーの元は暦(こよみ)。
この連載では、二十四節気を中心にお話ししていますので、今回は福井県おおい町名田庄にある暦会館を紹介します。
ずっとご紹介したかった若狭の隠れた名所暦会館を、暦会館の広報担当、山田虹太郎(やまだこうたろう)さんに案内していただきました。

福井のみなみの季節と養生 #9/12月冬至 おおい町「暦会館」

陰陽道と暦、そして名田庄との繋がり

暦会館は、陰陽宗家として、日本の歴史に名を残す一族安部家(土御門家)と暦の歴史をテーマにした資料館です。昔の天文器具や古い時代の暦など、暦に関する資料を見ることができます。

福井のみなみの季節と養生 #9/12月冬至 おおい町「暦会館」
暦会館の正面。赤い欄干と五芒星のライトが印象的です。

今では生活の中に当たり前にあるカレンダーですが、このカレンダーが一般的になるまでにはとても長い歴史と苦労がありました。
そもそも暦は、陰陽道(おんみょうどう)という古代中国で成立した一種の哲学的な思想である陰陽五行説を中心として作られました。四季の循環や日月や星など天体の運行などによって吉凶を決め、あらゆるものの志向や行動の指針を決めていこうという考えです。
この陰陽五行説を含んだ暦学が初めて正式に日本に伝来したのは日本書紀によると513年と言われています。日本ではその昔、暦は天文や暦数、風雲の気色などを常時観察をし、天皇に伝えるという役割ををもつ政府の機関で作られていました。

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渾天儀(こんてんぎ)という天球儀の復元模型。惑星の位置関係など暦、時刻にかかわる研究に使われていました。

名田庄とこの陰陽道との関わりは、日本の天文暦学の大家である安倍晴明の子孫である土御門家が応仁の乱の戦乱を逃れ、この地に一時移り住んだことからはじまります。
応仁の乱以降100年以上、土御門家はこの地で暦を作っていた記録が残っています。

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安倍晴明の子孫である土御門久脩が朝廷に提出した文章案。方角や吉兆など調べて報告を挙げている当時の貴重な資料です。

また、日本では月の満ち欠けを中心に考えられた太陰暦が使われていましたが、明治維新以降の明治5年の12月3日から新暦となる太陽暦が取り入れられました。明治5年の12月3日が、いきなり明治6年1月1日になるというとても衝撃的な事件、かなりの混乱が容易に想像されます。こちらでは、そんな暦の歴史なども知ることができます。

暦は当時の最先端の科学

さて、暦についてマニアックな情報が満載の暦会館。
どこから楽しんだら良いかコツをお伺いすると「まず、暦は当時の最先端の科学の集結されたものだとわかっていただければ」と山田さん。

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山田さんの鞄の中からは、江戸時代の便覧(現物をお持ちです)、昔の携帯日時計などドラえもんのポケットのように、興味深いものが次々に出てきます。

当時のものを実際に手に取り、見せていただきながら、詳しく解説を聞かせていただけるのもこの会館の魅力の一つです。

暦がこんなに緻密な計算と観測によって出来上がっていたこと感動を覚えます。
また、お話をお聞きしながら展示物を見ていくと、歴史の中の日常もかいま見えてきて本当に面白い!
テレビはもちろん情報があまりなかった時代、人々生活は暦に支えられていました。例えば、生活の糧として飼っている「牛や馬の爪を切ると良い日」、「外に出るのを慎んだ方が良い日」など本当に細かく書き込まれています。そのひとつひとつのストーリーから、当時の生活に思いを馳せ、より具体的に想像することができとても面白いですよ。

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暦を発行するためにはライセンスが必要だったため、暦も載っている便覧として普及したものも。

「観測、測量の歴史も知ることができるので、歴史好きな人だけでなく理科好きな人にも楽しんでいただけますよ」と山田さん。2月3月は企画展を開催予定ですが、冬場の12~3月は足元が悪いので春になったらがおすすめとのことです。山田さんのつぶやく暦会館のTwitterもぜひチェックしてみてください。

福井のみなみの季節と養生 #9/12月冬至 おおい町「暦会館」
暦会館では毎年オリジナルの暦を発売しています!私たちもお土産に購入しました。

 

名称

暦会館

URL

HP: https://ooi-koyomi.info/

住所

〒917-0375福井県大飯郡おおい町名田庄納田終111−7

TEL

0770−67−2876

営業時間

9:00-16:30

定休日

毎週水曜日、年末年始他

アクセス

JR小浜線小浜駅下車、小浜駅よりバスで約50分。またはタクシー・レンタカーで約30分。

料金

高校生以上200円、小中学生100円、障害者手帳をお持ちの方は無料(障害者手帳をご呈示下さい)
団体(15名以上)1割引

備考

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