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行ってみよう!山形ビエンナーレ2022 「現代山形考 〜藻が湖伝説〜」

イベント

2022.09.15

山形市内で「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ2022 山のかたち いのちの形」が開催されています。(プログラム内容やスケジュールなどについてはビエンナーレ公式Webサイトへ)

おおきく7つのプログラムから構成される山形ビエンナーレ。こんかいは、そのうちのひとつで、文翔館議場ホールで展示されている「現代山形考 〜藻が湖伝説〜」に行ってきましたので、その一部をご紹介します。

行ってみよう!山形ビエンナーレ2022 「現代山形考 〜藻が湖伝説〜」

(以下、ビエンナーレ公式サイトWebより)

大昔、山形盆地の真ん中には藻が湖(もがうみ)という大きな湖があり、この湖の東に連なる奥羽山脈の麓を東根と呼び、対岸の寒河江には西根という地域がありました。寒河江は西村山地方一番の町として栄え、対岸の町と交易のために毎日多くの舟が湖を行き交っていました。西根の大木がある小高い丘は舟着き場となり、のちに船着観音堂と呼ばれました。その後、奈良時代の行基、平安時代の慈覚大師円仁による開削工事により水が流され肥沃な土地がここ山形盆地に現れたというお話です。

1970年代に耕地や用水路の大規模な整備がおこなわれたことで、藻が湖があったであろう場所から古代人の住居跡が発掘されるに至り、その存在の有無をめぐって様々な論議がなされてきました。しかし、現在の山形盆地を巡ると、地名や信仰、民話や芸能といったものの中に水の記憶がそこかしこに刻まれています。

山形が海の下だったヤマガタダイカイギュウの時代から、ポストコロナの未来までを夢想し、ありえたかもしれない世界を夢想するプロジェクト「現代山形考」が始まります。会場には歴史的文化財から現代アート作品までが所狭しと並びます。さぁ、水の記憶を巡る旅に出かけましょう。

行ってみよう!山形ビエンナーレ2022 「現代山形考 〜藻が湖伝説〜」
ぼくらがいま生きているこの現代の山形は、ヤマガタカイギュウが泳ぐ世界と地続きで繋がっているのだろうか。
行ってみよう!山形ビエンナーレ2022 「現代山形考 〜藻が湖伝説〜」
事故、病気などで子を失った親が、架空の人物との婚儀の様子を描いた絵馬を奉納するという村山地域の風習「ムサカリ絵馬」のアート作品。

行ってみよう!山形ビエンナーレ2022 「現代山形考 〜藻が湖伝説〜」

行ってみよう!山形ビエンナーレ2022 「現代山形考 〜藻が湖伝説〜」
見慣れたはずの山形の立体地図は、山の地図でもあると同時にまた湖の地図でもあるのか。

かつて湖だったというこの伝説の世界の入口に立ったとき、この山形という(山だらけのはずの!)まちを改めて読み直し、そしてまた新しく読み替えることになるのです。遥か遠いむかしの「水の記憶」を呼び覚まされ、見せられることによって、これまで見てきたはずのものもこれまでに見てこなかったであろうものも、まったくちがう意味を帯びて眼前に立ち現れてきます。

この両足ががっしりと踏みしめているはずのこの大地は山の裾野ではなく、柔らかく湿った湖底だったのだろうか…。時間と記憶が揺らぎ、ここに集められた圧倒的な物量のアート作品や風景や文化が愛おしいものになっていくような…、不思議な感覚が芽生える展示となっています。

みなさんもぜひ、会場に足を運んでみてください。

やまがたビエンナーレ2022 「現代山形考~藻が湖伝説~」
会場/文翔館議場ホール
日程/9月3日(土)〜 9月25日(日)
※【休館日】9月5日(月)、20日(火)
時間/9:00−16:30
キュレーター/三瀬夏之介

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