【水都大阪】閉じている水辺資産、「東横堀川」を再び
大阪城の外濠として築かれた大阪最古の堀川、東横堀川。高速道路や高い護岸によって街との距離が生まれ、長らく”裏側の水辺”として扱われてきました。しかし今、遊歩道整備や社会実験をきっかけに、再び暮らしにひらかれた水辺へと変わろうとしています。水辺の可能性を探る拠点、川沿いの地下1階という眠っていた空間、そして東横堀川のこれから。個人的に大阪で最も”これから”が楽しみな水辺をご紹介します。

閉じている水辺資産、東横堀川
かつて水の都として栄えた大阪。近年は都心部をロの字で囲む「水の回廊」を中心に、河川空間を活用した水都大阪再生のムーブメントがあります。北は北浜テラスで知られる土佐堀川、南は繁華街に遊歩道が整備された道頓堀川、西はトコトコダンダンがある木津川、そして東の東横堀川というと今はまだまだ活用されていない水辺が残っています。
大阪城の外濠として開削され、大阪最古の堀川として400年以上の歴史を持つ東横堀川。大阪の川で唯一、阪神高速道路に覆われた水辺は程よいスケールの川幅と相まって、他の水辺とは一味違った落ち着いた雰囲気を感じます。


暮らしの水辺を再生
阪神高速道路、そして度重なる高潮被害で整備された高い護岸などの要因が重なり、かつては舟運により建物やまちと密接な距離感にあった川が、いつのまにか裏側として捉えられるようになっていました。
そんな東横堀川が今少しずつ変わろうとしています。護岸の耐震補強工事をきっかけに、遊歩道や緑道を整備して、水辺空間再編の取り組みが進められています。
2001年に整備された水門での水位制御により、治水上必要な護岸の高さは低くなり、より川を近くに感じられるように。また護岸の位置もより川の中心に移動させることで、遊歩道やテラスが拡がり、水辺の利活用の幅が増えそうです。


またβ本町橋やSUIMONHOTELなど、水辺の資産を活用した拠点の整備も進んでいます。さまざまな利活用実験やイベントを通して、東横堀川の水辺の魅力を伝えつつ、可能性を探っています。


東横堀川沿いには建物に路面が2つ?地下1階の使い方
水辺の拠点整備は進んでいますが、遊歩道が整備されると、沿川の既存建物にとっても大きな追い風になるはずです。そうなるとやはりキーとなるのは地下1階。東横堀川沿いの建物は道路に面して1階、川側は地下1階の高さになります。遊歩道にも人の流れができると路面が2つという不動産的には嬉しい状況になります。
ただハードルもあります。元々川側には前述の護岸があって、地下1階は川が見えない、彩光が見込めないこともあり、地下1階は倉庫や機械室などの用途で計画された建物が多くあります。そんな地下室を活用していくとなると環境や設備、法規などの整理が必要になります。
そんなハードルを超え、すでに川側に開いている建物・お店も出てきました。遊歩道の整備が進んでいる東横堀川の本町橋の少し南側にある「ホトリヲ」。道路側から階段を下りた地下1階。珈琲が味わえるカフェと、心が静まるバー、そしてシェア本棚を併設。店内からは東横堀川の遊歩道にも出ることができます。



東横堀川のこれから
東横堀川の高速道路の下という落ち着きと、対岸の距離を感じられるヒューマンスケールな川幅が好きです。北浜とも道頓堀とも違う特徴があるからこそ、かつての水の都のように、暮らしのそばに水辺があるような風景ができると思います。
ただ、今の時点ではせっかくの川沿いにも関わらず、川を背に向くように計画された建物も多い。地下室というハードルもありますが、お店としてひらくのは勿論、川沿いのオフィス・倉庫・アトリエ、それだけで素敵な風景になるので、少しずつでも川に向かう物件が増えてほしいです。
東横堀川では高架下ということもあり、船の往来がない橋脚の外側であれば、許可を取って船を停泊することができます。地下1階から船に乗って、川で通勤とか行き詰まったら川に出る。そんな妄想も夢ではないかもしれません。
東横堀川、これからさらに良い水辺になるところです。ひと足先に目を向けておくべきかもしれません。















