やまがた子育て日記/2歳「電車に乗って」
9月に入り、少しずつ秋の気配がしてきた。
息子が追いかけるのはセミからトンボになり、鈴虫の声がするとどこにいるか探したりする。
外でも遊びやすい気候になってきたので休日に電車で出かける事が多くなった。
大体朝9時頃家を出発して、いくつかある行きつけの公園の中でその日の気分のすべり台をひと滑りしに行く。1回滑れば満足してしまう。それでも、なんとなく2回目を滑ったら、いよいよ山形駅へ向かう。
いつも乗る電車は、山形発10時12分の仙台行き。降車駅はすぐ隣の北山形駅で、たった3分の乗車だ。息子は発車するまでにやることがたくさんある。
まずは切符を買うお金を券売機に入れる、ホームへの階段を自分で降りる、自動販売機で麦茶を買う、ボックス型の座席に座る、麦茶をドリンク置き場にセットする、靴を脱ぎ窓の外を確かめる、車内アナウンスの英語をマネする。など大忙し。ドアが閉まり電車が動き出すと、「しゅっぱーつしんこぉー!」と、まるで壮大な冒険に出るような勢いでこぶしを突き上げる。
電車は霞城公園の東側をお堀に沿って走る。窓の外を眺めながら「水がある」や「鳥がいる」など見たもの全てを口にしているとあっという間に北山形駅に到着。
下車してからは、ホームで電車を見送り、乗務員さんと互いに手を振る。
北山形駅の東側の改札を出ると息子のお気に入りの小便小僧の像が出迎えてくれる。小僧のした小便(もちろん水)は池になっていて、中には魚が泳いでいる。息子は「おしっこに魚が泳いでる!」と無邪気に喜んでいた。

小便小僧を正面にして右手側の線路沿いを少し歩くと小さな公園があり、そこで少し遊ぶ。すべり台を滑ったり、砂場で山を作ったり、鉄棒にぶら下がったりしていると、「カンカンカンカン」と公園から見える踏切の警報機の音がして、すぐ横を電車が通り過ぎていく。
それを眺めてから公園を後にし、踏切へ向かう。
息子は電車に乗るのも見るのも好きだけど、最近は特に踏切がお気に入りで、どこへ行っても「踏切はどこ?」と探すほどだ。
北山形駅で下車する一番の目的も、踏切を気軽に見るためだ。ここには奥羽本線・仙山線・左沢線が通っているため、電車がやってくる頻度も高い。
「カンカンカンカン」と警報機が鳴って遮断機が下がる。仙山線と左沢線の電車がすれ違い、「ガタンゴトン」と重い音を響かせて通り過ぎていく。それを眺めてから遮断機の上がった踏切を、手を繋ぎ歩いて渡る。息子は自分の足で踏切を歩いて渡ることに憧れがあるようで、渡りきるととても満足そうな表情で「自分で渡れたよ」と胸を張る。
得意げになる姿がとても微笑ましくて、「来て良かったな」と毎回思う。
私にとって踏切は、楽しむものではなかった。移動中に捕まると仕事や約束の時間に遅れないかハラハラするのでどちらかといえばマイナスな印象しかなかったのだ。
息子と眺めるようになってから、「この音や迫力がなんとなく面白いのかも…」という気持ちも少し湧いてきたが息子や子どもたちの熱狂の理由はきっと彼らにしかわからないだろう。

その後は間に合えば北山形9時47分発の左沢線で山形駅に戻る。帰りの電車では先頭車両に乗って運転士さんの運転を眺めながら電車の正面窓から線路を楽しむ。

47分発に間に合わない時は北山形駅近くのツルハドラッグでおやつとジュースを買い、駅のホームのベンチに座って次の電車を待つ。そのベンチでは同じ電車を待つ高校生やお年寄りの方と、今までたくさんのお喋りや交流が生まれた。そんな待ち時間も電車で出かけるから味わえる良さだと感じる。
とても小さな旅だけど、息子にとっては盛りだくさんの旅。
次はどんな場所に行こうか。どんな電車に乗ろうか。
子どもの喜ぶ顔が見たくて、親は今日も必死で電車の時刻表を検索する。















