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福井のみなみの季節と養生 #13 夏至の巻「高浜町、杜仲茶畑と夏のストレッチ」

連載

2022.06.21

福井のみなみの季節と養生は、福井の南に位置する敦賀でユニットを活動する養生デザインのお二人(青木さん、山中さん)と、reallocal福井ライター牛久保で、季節ごとの養生についておはなししていく連載です。
※養生…身体の状態を整えること

夏至。春分からの取り組みを振り返る時期

梅雨で雨の印象が強い時期ですが、6月21日に夏至を迎えました。夏至は1年で最も日が長く夜が短くなり、太陽のパワーもピークになる時です。
日の長さはこれからまた少しずつ短くなっていきますが、暑さはこれから。また、急に雨で冷えたり、かと思えば蒸し蒸しと暑かったり。気温や気候の変化も大きいので、体調を保つことだけでも難しい時期でもあります。水分の取り方や身体の冷やしすぎには気をつけて、また、梅雨の期間は晴れた日には日光に当たることを意識して。健やかにこの時期を乗り切ってくださいね。

福井のみなみの季節と養生 #13 夏至の巻「高浜町、杜仲茶畑と夏のストレッチ」
梅雨の晴れ間に敦賀市内をサイクリング。この日は湿度も高く、汗だくになりました。

暑さが本格的になる小暑(7月7日頃)を迎えるまでに、半年の厄払いである夏越の大祓(なごしのおおはらえ)、雑節(ざっせつ※季節の変化の目安をはかる補足的な暦)の一つである半夏生(はんげしょう)と続きます。1年の始まりである春分からこれまでの過ごし方を振り返る、節目の意味合いも強い時期となります。不要なものは間引いて、本当に必要なものを秋分の収穫に向け大切に育てていく。
今一度、身体や身の回りなどを確認し、修正をするにも良い時期ですよ。

デスクワークの合間に上半身の巡りを良くするストレッチ

爽やかな晴れの日もありますが、ジメジメしやすい梅雨時。自然と同調しやすい身体は水分も多めになります。さらに、スマホやデスクワークなどで座ったままの同じ姿勢が続くと、川の流れと同じく身体の巡りも澱みがちになります。

今回は、デスクワークの合間に出来る首~背中のこりをほぐすストレッチを2つお伝えします。
まずは基本姿勢から。イスの背もたれから背中を離し、おへそを指で触れるくらい腰を起こします。

1つ目は縮まった胸を広げていきます。
①両手を背中で組む
②上を向く
③そのまま深呼吸
デスクワークの姿勢は、胸側が縮こまり肩が内側に巻きがち。その姿勢が続くと呼吸も浅くなっていきます。胸を広げていくと首~腰への負担をやわらげるだけでなく、呼吸もしやすくなりデスクワークも捗りますよ。

福井のみなみの季節と養生 #13 夏至の巻「高浜町、杜仲茶畑と夏のストレッチ」

 

2つ目は肩とわき腹を伸ばしていきます。
①肩に軽く手を当てる
②そのまま肘を上下に上げ下げ
③息を止めずゆったりと呼吸
肩甲骨を動かすことで、肩や背中の筋肉を大きく動かすストレッチになり、デスクワークで澱みがちな上半身の巡りが良くなります。わき腹も伸ばされるので呼吸もしやすくなりますよ。
痛みのある時は無理なく出来る範囲でOKです。  

福井のみなみの季節と養生 #13 夏至の巻「高浜町、杜仲茶畑と夏のストレッチ」福井のみなみの季節と養生 #13 夏至の巻「高浜町、杜仲茶畑と夏のストレッチ」

地元密着型企業!高浜町で杜仲茶を栽培・販売する山惣ホームさん

今回は養生デザインのほどほど茶の一つ、杜仲茶(とちゅうちゃ)ブレンドのベースになる杜仲茶を栽培・販売している高浜町の山惣ホーム株式会社さんを訪ねました。

福井のみなみの季節と養生 #13 夏至の巻「高浜町、杜仲茶畑と夏のストレッチ」
左から山惣ホームの山本久美さん、森田茂樹さん、drami works山本実可子さん。みなさん明るくバイタリティに溢れています。

杜仲茶の木が植えられた畑でお話を伺いました。

福井のみなみの季節と養生 #13 夏至の巻「高浜町、杜仲茶畑と夏のストレッチ」
高浜町の町木でもある杜仲を大事に育てていらっしゃいます。

山惣ホームさんが、杜仲茶の栽培を始めたのは2019年。

地元の杜仲生産組合が30年前から取り組んでいた杜仲茶の生産が高齢化などに伴い栽培管理が困難になったことから、畑を助けてほしいとお願いされての栽培スタートでした。現在は生産組合が約30年間この地での栽培方法や焙煎方法を研究してきたものを継承し、当初数カ所だった畑もは15ヶ所以上に。現在はそれを5人で管理しています。

福井のみなみの季節と養生 #13 夏至の巻「高浜町、杜仲茶畑と夏のストレッチ」
畑から加工場、杜仲茶を乾燥させる小屋など設備を全て拝見させていただきました。左奥にみえる木造のハウスが乾燥を行う小屋です。

青木がとても驚いたのは、持ち主の高齢化などの理由で管理できなくなった田畑を再利用して杜仲茶の畑に変え、その際に、地元の工事で不要となった土を利用していること。そして雇用も生み出し、高浜町全体の産業として循環されているところです。素晴らしい!

地域の方から強く信頼され、地域密着型の産業として発展しています。

新芽も食べてみた!杜仲の葉が杜仲茶として加工されるまで

取材させていただいたのは新芽の頃。
柔らかく青々とした新芽は、美味しそう!
福井のみなみの季節と養生 #13 夏至の巻「高浜町、杜仲茶畑と夏のストレッチ」
実際少し食べてみましたが、そのままでもあまり癖がなく、サラダ野菜にもなりそうなほどです。
ただ、自然の中で木の高さもちょうどよく、柔らかくフレッシュな葉はこの辺りに住むシカにとってもご馳走。そのため、対策にも追われているそう。

杜仲茶として加工するために焙煎するには、肉厚で大人の掌のサイズがベスト。それでも台風が来るまでには全て収穫しなければならないので、収穫は真夏の7月末からお盆までが勝負です。

雪の中も寒さに耐え、太陽のパワーをたくさん集めるピークの時に収穫される杜仲茶。後で紹介する薬膳的なはたらきは、これが秘訣なのだとすっかり納得です。

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それぞれの葉が満遍なく太陽に当たるように、と手際よく間引きされていきます。

愛情いっぱい育てられ、こだわりの焙煎が美味しさの魅力

手作業で丁寧に収穫、たっぷりと天日干しされる杜仲茶。

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温かいハウスの中には収穫して乾燥された葉が袋詰めにされています。

その後、温度を変えて2度焙煎されることでおいしさだけが引き出され、嫌な癖がなく美味しさだけが引き出されていきます。

実は私もこちらの杜仲茶に出会ってから杜仲茶を飲めるようになりましたが、今回直接お話を聞いてこんなに手間と愛情をかけて作られていることにとても感動しました。

美味しい高浜の杜仲茶を飲んでみよう

福井のみなみの季節と養生 #13 夏至の巻「高浜町、杜仲茶畑と夏のストレッチ」
山惣ホームさんの販売している杜仲茶は香ばしくとても美味しい!この美味しい杜仲茶を養生デザインの「ほどほど茶」にも使わせて頂いています。

身体を温める生薬としても使われている杜仲の木。葉は生薬ではないものの、薬膳的には体を温めるのを助けてくれ、元気にしてくれると言われています。
また、身体のめぐりを助けてくれることで疲労回復にも一役買ってくれますよ。さらに利尿作用が高いことから、血圧が高い人にもおすすめ。消化を促し体脂肪や中性脂肪を減らす作用もあるのでダイエット中の方にも良いです。

冬だけでなく、夏の時期はエアコンの風にあたって身体が冷える方もぜひ取り入れてみてくださいね。