作家・石川 琢弥 のこと

===
彼と初めて会ったのは、とある作家に紹介され彼のアトリエを伺った時でした。革ジャンを着てロッカー然とした九州訛りの大男。それが彼の第一印象です。
正直、作品を見るまでは微妙だなと半信半疑で会いに行った事は今でも鮮明に覚えています。そして、彼のアトリエ(アトリエと呼ぶにはあまりにも小さな小屋)を拝見するとそこにはたくさんの描きかけの油絵がありました。作品を見ると、彼の見た目とは違い真摯に丁寧に制作に取り組んでいるのが一目でわかりました。あっ、これはもしかして磨けば光るかもと思いましたが、それでもその時点ではまだ海のものとも山のものとも言えないものでしたが…。
彼はまた絵画教室もやっていますが、これが実に面白い。教え方もユニークなのですが、何よりも老若男女問わず平等に扱っています。また、彼の研究熱心さには頭が下がります。
絵の具の組成から、歴史に至るまで自分が気になったものはとことん追求しないではいられない性格です。だから半端な美術教師など足元にも及ばない膨大な知識を身につけています。それが彼の作品の特徴にも表れていると言えるでしょう。
あれから5年くらい経っているでしょうか、この5年の間に彼もずいぶん成長しています。そして、現在、自分の描きたいものがだいぶ明確になり、どこにあっても一目で彼の作品だとわかるようになっています。
いつの間にか長い付き合いになった彼ですが、彼の言葉で私は忘れられない一言があります。
「僕は誰よりも絵が上手くなりたい。」
これから、画家としての彼の成功が楽しみです。
(S&T art 上村哲也)
===
石川 琢弥 プロフィール
1983 福岡県生まれ
2005 東北芸術工科大学 洋画入学
2005 デッサン/ドローイングコンール グランプリ
2006 初個展「sopo」
2009 東北芸術工科大学卒業制作 優秀賞
2010 個展「a refrigerator」
2020 個展「FORM」
2022 個展「PAINTING RESISTANCE」
2人個展
石川琢弥『できない事』
マイケル・ウー『わたしの体は環境、わたしたちの脳みそは世界』
会期 10月7日(火)〜10月19日(日)
11:00 〜 19:00 *最終日のみ17:00まで
*10月12日(日) 14:00 〜 特別企画『河添 剛 × 石川 琢弥 × マイケル・ウー トークセッション』
会場 The Local TUAD ART GALLERY and famAA
〒990-0043 山形県山形市本町1-5-19 TEL: 023-615-8099
参加作家 石川 琢弥、マイケル・ウー