real local 湘南鎌倉・腰越『Minori Bake』が届ける“ご褒美の時間” - reallocal|移住やローカルまちづくりに興味がある人のためのサイト【店】

鎌倉・腰越『Minori Bake』が届ける“ご褒美の時間”

2025.09.30

鎌倉・腰越『Minori Bake』が届ける“ご褒美の時間”

江ノ電腰越駅のほど近く、海岸へ向かう道沿いに小さな焼き菓子店『Minori Bake』がOPENしました。オンライン販売からスタートし、アペロ(夕食前にちょっと一杯を楽しむ時間)に合わせたクッキーの詰め合わせ「アペロ缶」が通販で人気を集め、雑誌でも紹介されるなど注目を集めてきました。そして2025年春、海辺の町に実店舗を構え、自家製スイーツとワインを組み合わせるユニークなスタイルで日常に小さな安らぎを届けています。
今回は店主である大田みのりさん、そしてロゴやデザインを手掛ける大田しのぶさんご夫婦に、お店の歩みについて伺いました。
************************************

Bitter needs sweet. ―
みのりさん:
Bitter needs sweet.(ビター ニーズ スイート)。お店のコンセプトであるこの言葉は私の実体験から生まれました。とても大変なときに甘いものを食べたら、ふわっと救われて、心が軽くなったんです。ダイエットや健康のことを考えると“甘いものは我慢”という雰囲気がありますが、そんなことない!と思えた瞬間でした。人生にはビターな時間がある、だからこそスイートが必要なんです。

鎌倉・腰越『Minori Bake』が届ける“ご褒美の時間”
店主の大田みのりさん

甘いものって、どうしても“体に悪いのでは”とか“罪悪感を持ってしまう”というイメージがありますよね。でも私は特別な時間に食べるものだからこそ、“少しぐらいいいじゃない”という気持ちでお菓子作りをしています。時には白砂糖を使う時もありますし、小麦も使うならばオーガニックのものを選んだり、チョコレートもフェアトレードのものにしたり。できるだけ安心できる材料を選びながら作っています。毎日食べるものというよりは、心からほっとしたいときに味わってもらえたら嬉しいです。

辛い状況だからこそ気づいた「甘さの力」
しのぶさん:
僕らが鎌倉に移り住んだのは5年前です。当時、環境の変化からか、妻はとても辛そうで、家にふさぎ込みがちになってしまいました。その時は健康の為に砂糖を抜いた生活をしていて、ほとんど甘いものを食べていませんでした。でもある日、普段なら食べないのに、ふと近所の PonPomCakes さんでケーキ食べようという話になって。それを食べたら本当に妻が元気になりました。ああ、人間には甘さが必要なんだと強く実感した瞬間でした。

鎌倉・腰越『Minori Bake』が届ける“ご褒美の時間”
夫のしのぶさんと。お二人のやり取りからも仲の良さが伺える

冠のロゴに込めた思い
しのぶさん:
ロゴには“冠”を入れました。これはMinori Bakeがかぶっているものではなく、みんなにかぶってほしい冠です。ダンテの『神曲』の中に“私はあなたに見えない冠をあげよう”という言葉があります。誰に褒められなくても一生懸命頑張っている人に、そっと冠を渡したい。その思いを形にしました。

鎌倉・腰越『Minori Bake』が届ける“ご褒美の時間”
ロゴに描かれた冠は、日々を頑張る人へのささやかな贈り物でした。

料理から広がるスイーツの発想
みのりさん:
うちは料理は夫が全部担当しています。そのときにレシピを一緒に見ることがあって、『これってお菓子のヒントになるかも』と思うこともあります。お酒に合わせる視点で考えると、いろんな可能性が広がる。必ずしも“お菓子らしいもの”じゃなくてもいいんだと思っています

バザーから始まった焼き菓子づくり
みのりさん:
最初はご近所の方に誘われて、シェアルームのキッチンを借りながらバザーにお菓子を出したことが始まりでした。そこから口コミが広がって、『また作ってほしい』という声をいただくようになりました。知り合いにワイン関係の方が多かったこともあり、キッチンをお借りして作っているうちに、“ワインに合う焼き菓子”という方向性が自然と形になっていきました。周りに支えられながら、気づけば“半径5メートルくらい”のつながりでお店が出来上がっていった感覚ですね。

鎌倉・腰越『Minori Bake』が届ける“ご褒美の時間”
「パルミジャーノレッジャーノのジェラート はちみつがけ」ワインといただくとまた異なる味わいとなる。

アトリエを探して見つけた店舗
みのりさん:
もともとは“アトリエが欲しい”と思って物件を探していたんです。でも、この海の前の物件を見つけたときに、『ここならお店としてやるしかない』と直感しました。ガラス張りで人通りも見える。この場所との出会いが、実店舗を開く大きなきっかけになりました。

アペロ缶と季節の焼き菓子
みのりさん:
オンラインでは“アペロ缶”と呼んでいるワインに合わせた焼き菓子の詰め合わせをメインで販売しています。実店舗では、季節の食材を使った焼き菓子を楽しんでいただけます。夏は無花果やブルーベリー、冬はレモンや英国の伝統的な焼き菓子など。“今しか食べられない”味を大切にしています。

鎌倉・腰越『Minori Bake』が届ける“ご褒美の時間”
「バジルとレモンのグラニテソーダ」 地域の食材も美味しくいただける

腰越の小さなお店から広がる時間
みのりさん:
鎌倉の腰越にあるこの店舗は、本当に小さくてかわいい場所です。海が見えて、前を行き交う人たちが見える。水着の人、恋人同士、おばあちゃんとお孫さん…。そんな人たちがふと立ち止まり、店の中をのぞいて、「あれは?これは?」と小声で話しながら入ってきてくれる瞬間に、“ここにお店を開いて良かった”と心から思います。

鎌倉・腰越『Minori Bake』が届ける“ご褒美の時間”
店内に飾られているのは小田原在住のイラストレーター ハヤシコウ さんに描いていただいたもの

甘さとワインで“自分に優しくする”時間
みのりさん:
お客様から“すごく来たかったんです”と言って駆け込んでくださったことがありました。忙しい日々のなかで、自分に優しくするためにここへ来てくださる。それが一番嬉しいです。ワインと焼き菓子を一緒に楽しむという体験を通して、ちょっと休んでもいいんだと思ってもらえる場所でありたいんです。

鎌倉・腰越『Minori Bake』が届ける“ご褒美の時間”
見た目も可愛らしい「ストロベリーチーズクリームサンド」

これからのお店のかたち
みのりさん:
「今日は何のマフィンがあるかな」「今日はどのワインにしようかな」と気軽に立ち寄れる場所になったらいいなと思っています。夜は出られない人や、一人でバーに行きにくい女性も、昼の時間に安心して立ち寄ってワインとお菓子を楽しめる。そんな新しい時間の過ごし方を広げていきたいです。

鎌倉・腰越『Minori Bake』が届ける“ご褒美の時間”
店を出てすぐに江ノ島を望むロケーション

************************************
人生のビターな時間に寄り添う優しいスイートな時間を提供する『Minori Bake』。
今日も頑張った自分へ送る、ご褒美時間を過ごしに行ってはいかがでしょうか。

鎌倉・腰越『Minori Bake』が届ける“ご褒美の時間”
お菓子とワインをいただきながら、お二人とおしゃべりするのも楽しいひとときとなりそうです。
名称

Minori Bake

業種

焼き菓子店、ワインバー

URL

https://www.instagram.com/p/DMCAqNcTxj8/

住所

神奈川県鎌倉市腰越3丁目1−24 ベイ・マツバヤ 100

営業時間

13:00〜18:00

定休日

月~金

アクセス

江ノ島電鉄線「腰越駅」から徒歩2分