「マイルーツ、マイ山形」#6 映画館へ行く
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仕事を終えて帰路につく、18時すぎ。
外はまだ明るくて、何かしたいなあと考えながら、
なんとなくフォーラムの上映スケジュールをスマホで見てみると、
ちょうど見たかった映画に間に合いそう。
チケットをとって、道を一本それて、映画館へ向かう。
見終わって外に出ると、出口のところで、友だちにばったり会う。
同じ映画を見ていたことがわかって盛り上がり、
そのまま隣のカフェで一緒に夜ごはんを食べることに。
感想戦が白熱したので、コンビニでビールを買って公園で延長戦。
映画もおもしろくて、偶然会った友達とのおしゃべりも楽しくて、
帰り道のほくほくした気持ちをよく覚えています。
家から歩いて10分くらいの近所に「フォーラム山形」という映画館がありました。
山形といえば、食や温泉、お酒など、移住前から楽しみにしていたものは多々あれど、
まさか山形に行って、映画をこんなにも見るようになるなんて思いもしていませんでした。
映画に触れる機会は減るだろうと思っていたけれど、
むしろ東京にいた頃よりも圧倒的に映画を見るようになりました。
それはひとえに、フォーラムが近くにあったから。
フォーラム山形では、ミニシアター系の映画が幅広く上映されています。
駅前にある、同じくフォーラムグループのソラリスという映画館では
主にシネコン系の映画を上映しています。
もちろん東京にはたくさん映画館があるけれど、ミニシアター系の中でも細分化されていました。
一方、フォーラムは偏りが少なくて、一通りなんでもやっている、という信頼がありました。
いつ上映スケジュールを見ても、見たい映画がありました。

山形に行くまでは、見たい作品がまずあって、上映している映画館を探して見に行っていたけれど、
山形では、フォーラムの上映スケジュールを毎週チェックして、
そこから気になる作品を見に行くのが習慣になりました。
(今でも、毎週木曜に配信されるフォーラムのメルマガから、映画情報をキャッチしています)
映画を見たくてフォーラムに行っているのか、
フォーラムに行きたくて映画を見に行くのか、というくらいには映画と映画館が混ざり合って、
スペシャルな時間を過ごすことができる、そんな場所でした。
知り合いにばったり会って、外のテラス席で話し込むこともあったし、
「最近何みた?(フォーラムで)」というのは友だちとの会話の起点の定番。
こういうことはなかなか大きな都市の映画館では起きないんじゃないかなと思います。
自分の足がすぐ届く範囲に素敵な映画館があって、そのまわりには友だちもいて、
おいしいコーヒーが飲めるカフェが近くにあって、終電もないから好きなだけ感想を言い合える。
そういう時間や場所がフォーラムを中心に広がっている。それが山形の日常の実感です。
会社に、仕事終わりに足繁くフォーラムに通う先輩がいました。
その姿を見て、あるとき聞いてみたんです。
「一日働いたあとに映画を見るの大変じゃないですか?」
すると、「疲れたときに映画館で映画を見ると逆にスッキリするんだよね」
と教えてくれました。
その当時は仕事も全然慣れていなくて、
一刻も早く帰って寝たい自分には無理だなあと思っていたのですが、
ある日、えいやっ、とやってみたら、映画に集中することで、
頭が整理されて癒されていることに気づきました。
それからというもの、私も先輩に続き、仕事おわりに通うようになり、
フォーラムが平日夜の心のオアシスになったのでした。













