real local 山形ダルマ自転車がゆく! 第9回 @ 駅前公園 | reallocal|移住やローカルまちづくりに興味がある人のためのサイト【地域情報】

ダルマ自転車がゆく! 第9回 @ 駅前公園

地域情報
2026.07.11

 いつもは太陽の光を浴びながら、公園でダルマ自転車に乗っています。けれど、公園自体は朝も夜も関係なくそこにあります、当たり前ですが…。そして、夜にダルマ自転車に乗っていけない、なんてことも別にありません。まあ、夜にダルマ自転車に乗る人というのは、令和の現在、ほとんどいないのですが…。それじゃあ、夜の公園でダルマ自転車に乗ってみようじゃありませんか!と思いつきまして、今回はきっと夜が最も似合うであろう公園をチョイス。夕方になってから出掛けたその先は、香澄町にある「駅前公園」。

ダルマ自転車がゆく!  第9回 @ 駅前公園

 この駅前公園、かつては木が茂っていて、昼間でもなんとなく暗い、お世辞にも治安がよいとは言えない雰囲気をまとった場所だった記憶があります。ところが!なんということでしょう!公園全体に電球が張りめぐらされて、すっかり都会的な装いに大変身。立派なベンチに屋根も設置されていて、日比谷野音を彷彿させるステージさながらの様相です!土や雑草もまったく見当たりません。ワールドカップ・サッカーの日本代表戦をテレビで観戦しすっかり熱くなり思わず買ったサッカーTシャツを勇んで着てきたわたしが、いよいよ場違いではありませんか。

ダルマ自転車がゆく!  第9回 @ 駅前公園

ダルマ自転車がゆく!  第9回 @ 駅前公園

 公園のあまりの変貌ぶりに驚いて、しばし呆気にとられていました。が、気を取り直して、キレイに整備されたフラットでなめらかな石畳の上を、ダルマ自転車で走ってみます。

ダルマ自転車がゆく!  第9回 @ 駅前公園

 これまで訪れた公園と比較して、今までになく乗り心地が良いです。急なターンやバック走行などのトリック・ライドにも挑戦できそうな気にさせてくれる素晴らしい路面の状態です。うーん、走りやすい。

ダルマ自転車がゆく!  第9回 @ 駅前公園

ダルマ自転車がゆく!  第9回 @ 駅前公園

ダルマ自転車がゆく!  第9回 @ 駅前公園

ダルマ自転車がゆく!  第9回 @ 駅前公園

 しかしながら!時計の下に付いた監視カメラ、隅っこに置かれた灰皿・・・。酔っ払いが粗相をしないように、そして、怪しい者を寄せつけないようにする無言かつクリーンな圧力が、四方八方からわたしに向かってやってくるのです。ここで思う存分、ダルマ自転車を乗るのはどうなのか…そんな気持ちになりました。カメラマンの鈴華女史がふとこぼしたひと言「誰にも見張られていないのに、見張られてる感じがする」これがすべてを物語っている気がします。

ダルマ自転車がゆく!  第9回 @ 駅前公園

ダルマ自転車がゆく!  第9回 @ 駅前公園

ダルマ自転車がゆく!  第9回 @ 駅前公園

 そうなのです。ここは遊ぶための公園ではないのです。ましてや、ダルマ自転車に乗る公園でもありません。お遊び・悪いことをさせないオーラを発する駅前ならではの公園、それが「駅前公園」です。このことが悪いわけではなく、そういう役割を担わされた公園なのだと、ダルマ自転車に乗りながら身をもって知りました。もう帰ろう、そう思った頃には日が暮れはじめ、そしてあたり一面、焼き鳥のかおりに包まれていました。

ダルマ自転車がゆく!  第9回 @ 駅前公園

ダルマ自転車がゆく!  第9回 @ 駅前公園

ダルマ自転車がゆく!  第9回 @ 駅前公園

ダルマ自転車がゆく!  第9回 @ 駅前公園

それではまた、次の公園で逢いましょう!

=== Park Information ===

ダルマ自転車がゆく!  第9回 @ 駅前公園

山形市〈 駅前公園 〉

その名の通り、山形駅東口から徒歩2分の「駅前」エリアに位置するこの公園は、もともとは1975年、つまり今から50年前につくられた公園であるという。本文中に「かつては木が茂っていて、昼間でもなんとなく暗い、お世辞にも治安がよいとは言えない雰囲気をまとった場所」であったと筆者が記していたように、以前にはそのような場所として認識されてきた公園だったのかもしれない。しかし、再整備がおこなわれたことによって、そのような記憶は過去のものとして捨て去られ、現在ではすっかり清潔感ある公園へとアップデートされたのである。

2025年7月、この公園内に「KASUMI TERRACE(カスミテラス)」というイタリアンダイニングがオープンし、あたらしいあかるさと賑わいを生み出している(本記事の写真にチラチラと建物が映り込んでいるのがおわかりいただけるだろう)。これは、山形県初となるPark-PFI制度を利用した施設とのことで、民間事業者のちからを活用しながら都市公園の魅力と利便性を高めていこうとしている。たしかに今やこの駅前公園は、イタリアンを楽しめる場所であり、観光旅行者や市民が利用するコミュニティサイクル(=「ベニちゃり」)のポートであり、ちょっとしたひと休みや待ち合わせにも気軽に利用できる空間となっている。

本来は夜の飲食店も多いがゆえに淀みがちなエリアでもあるはずが、見事なまでに風通しの良い空間となっている。まさに、明るく、オープンで、どこからも視界良好で、死角がなく、淀みを生まないような、そんな風通しの良さのある、安全な空間。それもまた「公園」という、市民が安心して過ごすことのできる空間のありかたのひとつである、と教えてもらった感さえある。(那須ミノル)

写真:佐藤鈴華(STROBELIGHT