real local 山形【山形 / 連載】穏やかな休日のための音楽19 - reallocal|移住やローカルまちづくりに興味がある人のためのサイト【地域情報】

【山形 / 連載】穏やかな休日のための音楽19

連載

2022.07.30

「穏やかな休日のための音楽」では、毎回山形に縁のある南米のアーティストとそのアルバムを紹介しています。

かれこれ20年余り前のことです。ブラジル音楽界で「神童」と呼ばれる一人の若きギタリストが彗星のように現れて、日本のブラジル音楽ファンの間でも大きな話題となりました。そのギタリストの名前はヤマンドゥ・コスタ(Yamandu Costa)。当時20歳そこそことは、全く思えないほど堂々として人間離れした技巧は、人類史上最強とまで表現されるほど超人的なもので、ギター王国と言われるブラジルの中でも突出した評価を与えられました。日本で多くのファンがまず最初に聴いた彼のアルバムが、2001年の衝撃のデビュー作「Yamandú」でした。

【山形 / 連載】穏やかな休日のための音楽19

ヤマンドゥは1980年、ブラジル南部のリオ・グランヂ・ド・スル州パソ・フンド生まれ。7歳からギターをはじめ、15歳の頃にはサンパウロやリオ・デ・ジャネイロのライブハウスに顔を出し、その超絶的技巧からミュージシャンの間で話題となっていったそうです。16歳の時バーデン・パウエルに見出されコンサートにゲスト出演、17歳にして初めてのサンパウロ公演で聴衆を圧倒。前述の通り21歳で「Yamandú」でアルバム・デビューを飾り、翌年にはローリング・ストーン誌の「ブラジル・ギター30選」に選ばれました。彼の演奏はショーロから、ボサノヴァ、サンバ、タンゴ、ミロンガといった南米の多様な音楽に、ジャズなど様々なスタイルを吸収し、ジャンルの枠を超えた独自の世界を構築しています。

【山形 / 連載】穏やかな休日のための音楽19

ヤマンドゥの初来日は2005年。我々もその演奏を一目見ようと東京の会場に駆けつけました。来日公演はトリオ編成でベースにチアゴ・エスピリト・サント、ドラムにエドゥ・ヒベイロを配した超絶技巧による爆発的公演は、噂以上に聴衆の度肝を抜くものでした。それ以来ヤマンドゥの音楽をずっと追いかけています。

【山形 / 連載】穏やかな休日のための音楽19
ヤマンドゥの公演終了後(ヤマンドゥと当会副会長と)

そして今回兼ねてからの念願であったヤマンドゥの山形公演を打診されました。しかし諸般の事情で我々はお受けすることができず、以前からヤマンドゥに興味を示されていた東北芸術工科大学の岩井天志先生にお話を持ちかけたところ、なんと山形ビエンナーレ2022の中で彼の山形公演が実現されることになりました。以下は公演の詳細です。
―――

【山形 / 連載】穏やかな休日のための音楽19

【ヤマンドゥ・コスタ ギターソロライブ YAMAGATA BIENNALE 2022】

2022年9月25日(日)16:00開場 17:00 開演 19:00終演
会場:山形市中央公民館ホール
料金:6,000円(前売) 6,500円(当日) 全席自由席(着席)
前売りチケット(イープラスにて販売):
https://eplus.jp/sf/detail/3681390001-P0030001
Webサイト:https://tsuchitohito.com/yamanducosta_aobaichiko-live2022/

―――

どうかこの貴重な機会を逃さず、多くの方に驚愕の演奏を聴いていただきたい。

さて今回紹介するディスクは上述の2005年の日本公演のメンバーで録音されたライブ録音「Yamandu Ao Vivo」という作品です。2003年にリリースされた本作は、2005年の来日公演と同様にトリオによる火の出るような演奏を収めた傑作です。穏やかな休日に聴くには、ちょっと刺激的かもしれませんが。

【山形 / 連載】穏やかな休日のための音楽19