real local 鹿児島【鹿児島県 鹿児島市】出会いから生まれるガラス作品/ガラス作家 頌峰さん - reallocal|移住やローカルまちづくりに興味がある人のためのサイト【インタビュー】

【鹿児島県 鹿児島市】出会いから生まれるガラス作品/ガラス作家 頌峰さん

インタビュー

2022.10.30

「芸・芸術アートは、もう一つの自然なり」
近くから見た時、遠くから見た時、横から見た時、上から見た時、角度によって異なる美しさ。
そして、一つのガラス作品の中には、物語が込められている。

【鹿児島県 鹿児島市】出会いから生まれるガラス作品/ガラス作家 頌峰さん

【鹿児島県 鹿児島市】出会いから生まれるガラス作品/ガラス作家 頌峰さん

今回は、ガラス作家の頌峰さんにお話をうかがった。
頌峰さんは、元々薩摩ガラス工芸(島津興業)で美術的伝統工芸品の薩摩切子の職人として腕を磨き、その後独立され、現在の工房で頌峰さんにしか生み出すことができない作品づくりをされている。

【鹿児島県 鹿児島市】出会いから生まれるガラス作品/ガラス作家 頌峰さん

実際に制作している様子を見学させていただいた。
静かな工房にガラスが削られる優しい 音がリズミカルに響き渡る。
真剣な眼差しで、力加減や角度、全てに神経を集中させて、削り、彫り上げていく。
何度も何度も。
全ての動きが滑らかで、その姿は職人そのものだ。

【鹿児島県 鹿児島市】出会いから生まれるガラス作品/ガラス作家 頌峰さん

【鹿児島県 鹿児島市】出会いから生まれるガラス作品/ガラス作家 頌峰さん

頌峰さんの作品は、私たちが知っている薩摩切子とはまた一味違う。
どこか自然や、生命を感じる作品が多いのだ。

頌峰さんの作品の中に「薩摩切子 六角デキャンタ 〜天道樹 〜」という作品がある。

【鹿児島県 鹿児島市】出会いから生まれるガラス作品/ガラス作家 頌峰さん

てんとう虫のいる木を描いた珍しい六角形の作品に赤いてんとう虫が止まっている。

実は、この作品ができたきっかけは、頌峰さんご自身の日常生活を切り取ったものだという。
ある日、頌峰さんが車を運転していると、目の前のフロントガラスに、一匹のてんとう虫が止まった。
車が動きはじめると飛ばさないように、そのてんとう虫は、必死にへばりついていたという。
頌峰さんは車を降りて、写真を撮ろうと、携帯を取りに行って戻ってきたところ、一気に力が抜けたのか、フロントガラスから、するすると下りてきたそうだ。頌峰さんは、そんなてんとう虫が、まるで自分のことのようにも感じたという。
その様子を、ガラス作品で表現されたのだ。
ガラスの繊細な輝きと美しさ、そしてよく見ると葉っぱの形が表現されており、細やかな 部分に頌峰さんの想いが見えてくる。
そして、何よりも命の儚さと力強さを感じる作品に惹きつけられる。
頌峰さんは、「作品は、意外にも楽しい時に生まれるものでなかったりもします。落ち込んでいる時や、悲しいことがあった時、励まされるように、ある時の出会いから成る、ふと起きたことが形になることがあります。」

【鹿児島県 鹿児島市】出会いから生まれるガラス作品/ガラス作家 頌峰さん

頌峰さんは、「出会い」と「感じたこと」を大切にされている。

「出会い」

 人や、動物、虫、植物、色んな出会いを通して作品を作っていきたいとお話しされた。日常の生活で観じている景色を表現していきたい。 色んな文化を持つアーティストとのインスピレーションや、自然と自分の中のインスピレーショ ンが一つになり、生まれる作品を世界に届けたいとお話されてた。

「観じるものを作る」

現在、作ったものをお客さまにお届けする場合が多いが、今自分が感じたものを作品 にし、リアルタイムでお客さまに見ていただきお届けしたい。

そして、この作家さんの作品だからこそ、実際に会って購入したいと思われるような作品 づくりをしていきたいとおっしゃっていた。

【鹿児島県 鹿児島市】出会いから生まれるガラス作品/ガラス作家 頌峰さん

「芸・芸術アートは、もう一つの自然なり」

頌峰さんのガラス作品に対する熱い想いと考え方、お人柄が、そのまま作品に表れている のではないかと思う。
いつかは、ガラス作品で表現したものを集めて絵本を作ってみたいとも教えてくださった。
これからの頌峰さんの作品に目が離せない。

屋号

頌峰 SHOHO

URL

http://bushou-kiriko.com/

住所

鹿児島県鹿児島市川上町1965(MAP

備考

instagram:shoho_artist