real local 鹿児島【鹿児島県鹿児島市】病気とともに生き、小さな幸せを一つひとつゆっくり描く / エッセイ漫画家 つくしゆかさん -後編- reallocal|移住やローカルまちづくりに興味がある人のためのサイト【インタビュー】

【鹿児島県鹿児島市】病気とともに生き、小さな幸せを一つひとつゆっくり描く / エッセイ漫画家 つくしゆかさん -後編-

インタビュー

2024.04.18

前編ではつくしゆかさんが強迫性障害と診断された前後の様子や、その経験をもとに本を出版された経緯等について伺いました。後編では、その変遷を経た今の心境ついて深掘りしていきます。前編はこちら

【鹿児島県鹿児島市】病気とともに生き、小さな幸せを一つひとつゆっくり描く / エッセイ漫画家 つくしゆかさん -後編-
写真提供:つくしゆか 過去の展示会の様子

今の自分を受け入れ、小さなことから明るい未来へ

エッセイ漫画家となり、本を出版後、さらに転換期が訪れます。それはお父様の死でした。

「私が強迫性障害ということを打ち明けた時、あまりいい顔をしてくれなかったし、症状もあまり理解してくれなかったから、父のことはずっと嫌いだったんです。しかし、そんな父は癌になり余命宣告を受けて、亡くなってしまいました。」

「病気に抗って一生懸命闘い続けたけど、別れは急に訪れました。どんなに抗っても、頑張っても、死ぬときは死ぬんだ。どんなに怖いと思っていても、起こっちゃうものは起こっちゃうんだ、って。そのときに気づきました。」

「だから、強迫性障害の症状のようにどんなに心配していても、予期せぬことは突然訪れるかもしれない。その気づきから確認するのを止めるようになり、自然に症状が良くなっていきました。もちろん、急に不安になることもありますが、毎日が不安になることはなくなって、とても生きやすくなりました。」

「まだお薬は飲んではいるんですが、病気を上手に付き合っていけてるのかなと思っています。それは強さではなくて、自分が楽に生きる努力をするというか…。」

【鹿児島県鹿児島市】病気とともに生き、小さな幸せを一つひとつゆっくり描く / エッセイ漫画家 つくしゆかさん -後編-
写真提供:つくしゆか お父様の死をテーマにした漫画の原画
【鹿児島県鹿児島市】病気とともに生き、小さな幸せを一つひとつゆっくり描く / エッセイ漫画家 つくしゆかさん -後編-
写真提供:つくしゆか お父様の死をテーマにした漫画の原画

“弱くてもいいし、楽でもいい。そんな自分を丸ごと受け入れて、生きていこう。”

過去の経験から、今ではそんな前向きな気持ちで日々を過ごしているゆかさん。 そんなゆかさんには講演会や個展の相談もちょくちょくあるのだとか。そこで強迫性障害に苦しむ人たちからの声を聴く機会も増えたそうです。

「“どうしたら、治るんですか?”と質問を受けるんですが、最近“治ろうと考えるから良くないのでは?”と思っています。治そうとすると肩肘張ってしまい、ガンジがらみになるから、辛くなるのかなって。」

「小さなことでもやりたいことを見つければ、そういったものが解けるのかなと考えています。何でもいいんです。ゲームでも、野球でも、ボランティアでも。」

「私自身、人が怖かったのに、今では人と接するのがとても楽しくなっています。だから、本当にやりたいことをゆっくりでもいいので見つけていくことが大事だと思います。

「ただ“見つけなきゃ!”とか“いついつまでにしないといけない”とやりたいことを意識しちゃうと、見つけられるものも見つけられないと思うんです。」

「周りから“無理だ”と言われることでもいいんです。大事なのは、とりあえず口に出してみること。すると、とても楽しくなってきて、明るい未来に繋がっていく感覚がするんです。」

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画像提供:つくしゆか お父様の死後、変化していく様子を漫画で描いたもの
【鹿児島県鹿児島市】病気とともに生き、小さな幸せを一つひとつゆっくり描く / エッセイ漫画家 つくしゆかさん -後編-
写真提供:つくしゆか 姶良市のコミュニティスペースでイベントを開催した時の様子

小さなことからでも幸せは描ける

数年前に福岡から鹿児島市へご夫婦で拠点を移し、

鹿児島での暮らしが居心地良いと感じることが増えてきたそうです。

「鹿児島に引っ越してから、私の病気のことを理解してくれる人が増えましたし、講演会や個展を通して誰かに話せるようになったのはとてもありがたいと思っています。」

「だから、強迫性障害になって、私と似たような境遇の人たちがいたら伝えたい。きっと、いつか報われる人が来るから、そのままで大丈夫。あなたのことをわかってくれる人が現れるからって。」

「昔は、人に自分の病気や症状がバレないように、健常者と変わらないフリをして生きてきました。“変な人”って思われたくないがゆえに。」

その境地に至ったからこそ、出版された本の最後には強迫性障害で苦しむ人やそれを支える人たちへのメッセージを載せているのだとか。

“抱えている荷物を捨てなくていいんだよ。”

“とりあえず、ポンって置ける場所や人は絶対にあるから、心配しないで。”

「不安や悩みって捨てたくても捨てきれないから、抱えて歩かないといけません。これからの長い人生の道のりも、それを抱えていかないといけないから、それをサッと降ろせる場所を見つけてほしいです。」

【鹿児島県鹿児島市】病気とともに生き、小さな幸せを一つひとつゆっくり描く / エッセイ漫画家 つくしゆかさん -後編-
写真提供:つくしゆか 過去の展示会の様子
【鹿児島県鹿児島市】病気とともに生き、小さな幸せを一つひとつゆっくり描く / エッセイ漫画家 つくしゆかさん -後編-
画像提供:つくしゆか 過去に開催した個展のフライヤー

最近感じているのは、病気で悩んでいる人たちが活用できる情報を共有する場。そして、症状を理解してもらえる人に話を聴いてもらえる空間だといいます。

「強迫性障害といっても、理解してもらえるのは患者さん本人か身近でそういう症状を見てきた人がほとんどなので、そんな人たちに話を聴いてもらえたら気持ちがとても楽になると思うんです。」

「いきなり、公的機関や病院だとハードルが高いと感じていて。まずは“自分がこういう状態なんです”と話せて、それを受け入れてくれる場所に足を運ぶのが一番です。」

「強迫性障害といった病気を助成してくれる制度もあるそうですが、知られておらず、支出を重ね、生活困窮に陥るケースもあると耳にします。だから、活用できるものはどんどん活用してほしいです。」

「以前の私は勝手につくった型があって、それにしっかりハマるように生きてきました。でも、それだと、狭い世界に捉われてしまって、苦しみ続けるかもしれない。やり方は一つじゃないですし、いろいろあります。」

「それを教えてくれたのも絵を描くようになってからです。私自身、まだまだ世の中には知らない世界がたくさんあります。小さなことからでも、一見関係なさそうなことでも、幸せに繋がるきっかけはつくれるし、どんどんチャレンジほしい。」

「疲れたら休めばいいんです。疲れているのはあなた一人だけじゃないし、必ず見守ってくれる人がいるから。それを忘れずに生きていきたいです。」

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(終わり)

屋号
つくしゆか
URL

https://twitter.com/hrm_i0630

備考

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