「ぼくのたいき君」その7・ボタニカルたいき君~の巻
新緑の季節
5月です。新緑の季節がやってきました。山形の街のあちこちには今、いろいろな花が咲いています。タンポポ、チューリップ、ハナミズキなどなど。そして、5月8,9,10日の3日間に開催されるのは「薬師祭植木市」です。400年以上の歴史を持つお祭り。植木を求める人も、出店の食べ物を楽しむ人もいます。とにかく身近に植物を感じることができる良い季節です。

さて、今回は緑あふれる山形ですから、植物に注目してたいき君探しをしましょう。まずはこれをご覧ください。

べにばな国体開催当時の花の種の袋です。花いっぱいの山形にしてやって来る選手たちを迎えようという山形っ子の気持ちでできていると言っても過言ではない逸品。令和の今もこれを大切に保管し、このたび見せてくださったのは、山岳会のKさんのお友だちである山形市のHさんです。ご協力に感謝いたします。
両所宮へ
「薬師祭植木市」には400年以上の歴史がありますが、山形市の北に位置する「鳥海月山両所宮」はおよそ1000年の歴史があるといいます。今回は、緑を楽しみながら、この通称「お宮様」を訪ねてみました。

このお宮様の象徴ともいえる門を抜けると本殿です。

静かで落ち着いた雰囲気です。参拝したのち、敷地内の公園をぐるっと歩いてみますと、チューリップが咲いています。

ちょっと前まで雪に覆われていた山形市でしたが、本当にあたたかい季節になりました。花も楽しげに咲いているように見えます。もうちょっと歩いてみましょうか。

両所宮の門の前の東西に走る道路沿いにいくつか花壇が置かれています。その花壇の側面にご注目!

いました!だいぶ色褪せていますが、たいき君がお花の世話をしているのがわかります。他の花壇では、完全体のたいき君が残っています。

うーん、水玉の半ズボンがかわいいです。花を愛でるその笑顔、もうたまりません。これらの花壇、現役引退といった雰囲気を出しつつも、勝手に生えてきた植物たちを今も優しく抱いています。緑でいっぱいにしようね!というたいき君の想いが今も生きている証でしょう。
時の試練
山形の植木市は400年、そして両所宮が1000年。たいき君は30年ちょっと。時間って?歴史って?・・・と、今回この両所宮にいるボタニカルたいき君を見つめつつ、考え込んだりもしました。ずっと残るモノもあれば消えゆくモノもある。そうそう、かつて市内七日町にあった花壇にいたたいき君(わたしの記録では2011年11月に撮影)はもうありません。

永遠に残るモノなんてものはこの世にないのかもしれませんが、けれど、花を愛でるたいき君のやさしい気持ちはできる限り繋いでいきたな、山形の新緑に包まれながらそう思ったのでした。
それでは、また次回。