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TOP » 湘南 » 量り売りでビールを楽しむ時間を　鎌倉「VANAVASA BEER + GALLERY」

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鎌倉駅西口から御成通りを歩いてほんの数分の場所にある「VANAVASA BEER + GALLERY（ヴァナヴァサ ビア アンド ギャラリー）」。クラフトビールを量り売りで気軽に楽しめる酒販店でありながら、アートギャラリーを併設した、ビールと文化が交わるユニークな空間です。

店内には70種類前後の缶・ボトルクラフトビールがずらりと並び、タップからビールをグラウラー（耐圧ボトル）に詰めて持ち帰ったり、その場で“角打ち”スタイルで楽しんだりすることができます。期間ごとに入れ替わる展示やポップアップショップも開かれており、地元の人も観光で訪れる人も、ふらりと立ち寄ってビールとアートを通じて“ひとときのつながり”を感じられる場所です。

今回は、オーナーの井伊乃士（いい だいし）さんに、お店を始めたきっかけや鎌倉という場所への思いを伺いました。

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自然を楽しむまち鎌倉

もともとは東京で暮らしていましたが、サーフィンが好きで、海の近くに住んでみたいと思ったのが鎌倉に来たきっかけです。最初は2年くらいのつもりだったのですが、気づいたらもう20年以上経っていましたね。

鎌倉は海も山も近くて、本当に自然が豊かです。海でも山でも自然の中で過ごせる場所がすぐそばにあるのは、このまちの大きな魅力だと思います。

もともと「自然を楽しむ」ということに関心があり、以前はアウトドアメーカーにも勤めていました。電車に乗って東京へ通勤していた時期もありましたが、やはり鎌倉の自然の中で過ごす時間が自分には合っているなと感じていました。

グラウラーの輸入販売から始まった、鎌倉での挑戦

そんな中で、自分でも何かを始めたいという気持ちが強くなりました。そこから、アウトドアのシーンでもクラフトビールが楽しめるアイテムである、ビールの量り売り用タンブラーであるグラウラーの輸入販売を始めました。

販売を続けていくうちに、「実際に量り売りができる場所をつくりたい」と思うようになり、2019年にこのお店をオープンしました。

“角打ち”文化を、ビールで新しく

お店では、地元湘南を中心に、日本各地や海外のブルワリーから個性豊かなクラフトビールを取り揃えています。

日本には昔から、酒屋さんの一角でお酒を楽しむ“角打ち”文化があります。そんな気軽な雰囲気をクラフトビールでも実現したいと思いました。もっと身近に、もっと自由に楽しんでもらうために量り売りというスタイルにしています。70種類近くの缶・ボトルも販売しており、抜栓料を払えば店内で楽しむこともできます。

その場で飲んでもらうもよし、グラウラーに詰めて好きなだけ持ち帰るもよし。その自由さがいいなと思っています。

アートと人が出会う、もうひとつの空間

店の半分くらいはギャラリースペースになっていて、写真や絵画、クラフト作品など、ジャンルを問わずいろんな展示をやっています。期間ごとに入れ替わるので、来るたびに違う雰囲気を楽しんでもらえると思います。

地元のアーティストさんや、鎌倉にゆかりのあるクリエイターさんのポップアップも多いですね。作品を通して人と人がつながったり、思わぬ出会いが生まれたりするのが面白いところです。

ビールを飲みに来た人が、偶然アートに出会う。逆に、アートを見に来た人が、好きなビールに出会う。そんな自然な出会いが日々ここで生まれているように思います。

いろんな人がいて、面白いまち

鎌倉はいろんな人がいて、本当に面白いまちだと思います。
観光の方もいれば、昔から住んでいる地元の方もいて、それぞれが自分の楽しみ方を持っています。

個人でお店をやっている人も多くて、みんなそれぞれにこだわりや世界観がある。チェーン店じゃないからこそ、店主同士が自然につながったり、助け合ったりする関係が生まれていて、そういう距離感がすごくいいなと思います。

お店にお越しいただくお客さんも本当にさまざまで、家族連れや外国の方、地元の常連さんなど様々な人が来てくれます。
待ち合わせのついでに寄ってくれたり、展示を見たあとに一杯飲んでいったり。そういう風に、ふらっと立ち寄ってもらえる場所になってきたのが嬉しいですね。

“量り売り”をもっと日常に

今後は、量り売り文化をもっと広めていきたいと思っています。昔は豆腐を買いにボウルを持って行ったりしましたが、そんなふうにグラウラーを持ってきて好きなビールを詰める。そうした買い方が、もっと日常に溶け込むようになればいいなと思います。

冬には浜辺で焚き火を囲みながらビールを楽しむイベントも開催しました。鎌倉のフィールドを活かして、もっと自由にビールを楽しめる文化が広がっていったら嬉しいですね。

おいしいビールをもっと多くの人に知ってもらいたいし、地元の方も観光の方にも楽しんでもらえるようなお店であり続けたいと思っています。