real local その他【長野】real local 長野 meet up!〈前編〉 長野市建築クロニクル編 - reallocal|移住やローカルまちづくりに興味がある人のためのサイト【地域情報】

【長野】real local 長野 meet up!〈前編〉 長野市建築クロニクル編

2017.04.12

【長野】real local 長野 meet up!〈前編〉 長野市建築クロニクル編

tsunagno opening partyの夜に開催されたのが、「real local 長野」のオープニングイベント。

3月よりreal localのエリアに加わった長野県は、毎年「移住したい都道府県」の1、2位を山梨県と奪取し合う人気。移住者も増える一方で、進学や就職による若者の県外流出など、他の地方都市と同じような問題も抱えています。

今回のイベントでは、real local運営ディレクターの吉里裕也さん、D-KNOTSの荒川慎一さんを迎え、長野からはCREEKSの広瀬 毅さん(石川出身、長野移住歴30年)、古後理栄さん(福岡出身、長野移住歴12年)、そして私こと村岡利恵(大阪出身、長野移住歴2年)が、移住や長野について話しました。コーディネーターはreal local事務局の「だり」さんこと前田有佳利さんです。

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だりさんは「FootPrints」というゲストハウスを紹介するサイトも運営。

 

最初に「real localって何?」という話を吉里さんから。

不動産仲介サイトの「東京R不動産」から派生したreal localは、全国11か所のエリアから構成されるローカルメディアサイト。ただ、他の移住サイトと少し違うのは、東京集約型メディアではなく、各エリアから直接情報発信を行っている点。ライターも現地在住がほとんどです。

吉里さんは、メディアとしての発信だけではなく「ひととひとをリアルにつなげたい」と話し、今回のように各エリアでイベントを開催し、その地で活動をしているひとと直接会える機会を積極的に設けているそうです。

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「明日はスノボかなー」と話してた吉里さんは白馬八方で山ごもりバイトの経験あり。

そして、古後さんから「real local 長野」と運営のCREEKSについての紹介。

広瀬さんと古後さんの本業は建築設計。2004年に元宝石店であったビル全体のリノベーションを行い、2014年にビルの2階にコワーキングスペースを開設・運営しています。real localへは「長野で自分らしく働き、暮らしたいひとの後押しをしたいと参加しました」

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主催者として朝から大忙しの古後さん。株式会社CREEKSの代表取締役です。

広瀬さんからは「門前クロニクル」と題した、1985年頃からの長野市中心部の建築における変遷の話。「何だかここでは年寄りみたいだなぁ」と苦笑い。

最初に映し出したのはモノクロのレトロな建物。「これは1998年の長野オリンピックの前に解体された旧長野駅です。一度見たら忘れられない、オンリーワンの建物でした」

長野オリンピック以前の昔話、オリンピック後〜2009年頃の黎明期、2009年〜2012年の発展期、2012年以降の成熟期の3期に分けて話は進められました。

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同じくCREEKS取締役の広瀬さん。長野市の建築歴史の語り部。趣味は釣り。
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長野オリンピック前の1996年に解体された旧長野駅。確かに見たひとの心に残る建築。

オリンピック以前は「五明館」「れんが館」といった歴史的建造物を改修して残していくという動き。バブル経済崩壊後もオリンピック景気のタイムラグがあった長野市では、不動産ストックを活かしたリノベーションという言葉は少し遅れて入ってきたそう。

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2011年に閉館した五明館。作家・池波正太郎の定宿としても知られていました。

 

オリンピック後の黎明期には、半官半民の商業施設「ぱてぃお大門」や、広瀬さんが建築家として携わった「まちなみカントリープレス」「リプロ表参道」、2009年〜2012年の発展期には広瀬さんや古後さんが仲間7人と元ビニール工場を改築した「KANEMATSU」など、善光寺周辺にリノベーションされる物件が増え始めました。

そのなかでエポックメーキングとなったのは、ナノグラフィカが2010年頃から始めた「空き家見学会」。歴史的価値はないけれど、昔の商店や工場といった空き家が知られることで、セルフビルドで改装し、小さな規模での店舗や活動の拠点にしていくひとが出てきたのです。

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左手前のネイビー×白のビルが「リプロ表参道」。CREEKSとtsunagnoが現在拠点としています。
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「KANEMATSU」は各人の事務所としてだけではなく、イベントなども開催。

2012年以降の成熟期では、大規模のリノベーションが増えてきた=個人ではなく企業などもこの流れに入ってきます。ゲーム会社の「アソビズム」が元旅館を長野ブランチとして使ったり、「SHINKOJI」のようにオフィス、ハウス、アトリエなど複合的シェア物件が誕生。発展期のようなリノベーションも引き続きあり、まだまだ変化を続けるだろうという話でした。

 

そして、飛び入りゲストのD-KNOTSの荒川慎一さん。

現在、外房総(千葉県いすみ市)でグラフィックデザインの仕事をしていますが、東京では「D-KNOTS」、房総では2016年に設立した「なみわい企業組合」と2つの会社と名刺を使い分けているそうです。移住者には気になる仕事の話です。

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東京生まれ東京育ちの荒川さんは、田園でどうやってひとが働き暮らしているかのイメージがないという「田舎に対する自分の解像度の低さ」に驚き、移住を決意。

2011年にいすみ市にやってきて気づいたのは、全く競合他社がいないということ。「待ってました!」とばかりにデザインにまつわる相談を持ちかけられるようになったといいます。

ただ東京ではカメラマンやコピーライターなど分業化されていますが、地方では予算などの関係上それができず、ひとり代理店状態に……。

地域の仕事を地元で分担し回せるようにと、全員が都市圏からの移住者というフリーランサー4名(デザイナー2名、カメラマン、WEB担当)で「なみわい企業組合」を設立。

この荒川さんの話は、クリエイティブ系職種の需要を長野で感じつつも、どうやっていこうと悩んでいる移住2年生の私にとっては、希望と可能性を感じることができました。

「山間の谷地に人口が凝縮する長野に対して、平らな土地で移住者もまんべんなく点在している外房。善光寺のようなキラーコンテンツや中心地がある長野はちょっとうらやましい」と今回長野を訪ねた感想も、長野在住にとっては意外な視点。

real local長野の概要や、長野市の建築の歴史、千葉房総での移住&仕事の話というのが、前編。後編ではパネルディスカッションの模様をお伝えします!

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