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ポストコロナショック、オフライン化のススメ

「手作業」に関わる時間を増やすべきじゃないか

2020.05.02

コロナショックを機に社会が大きく変わるとか、世紀の転換期とか言われている。

働き方が変わる、経済のあり方が変わる、ひいては民主主義がかわるとか様々な議論がある。もちろんその通りだと思うが、個人的な考えは大きく変わっていない。

リーマンショックや東日本大震災の時から経済成長前提では考えていないし、過密な都市から地方への移住についても議論してきた。ネット会議や在宅勤務も前からやっていたし、リスクヘッジのために複数の仕事を持つダブルワークも推奨していた。転換点はすでにあの時に起きていたと思う。

ちょうどリーマンショック・東日本大震災以降の神戸でのアクションを取りまとめた本として、1年前の今ごろは『ローカルエコノミーのつくり方』という本の序章の原稿を書いていた。そしてコロナショックを受けてどう感じるか1年ぶりに読み返してみたが、やはり考えは変わっていなかった。

僕たちのメインの仕事の一つである不動産仲介業では問い合わせや取引が大幅に減少していてオンライン内見とか、仲介そのもののオンライン化などが議論されている。運営している野菜ショップでは飲食スペースをクローズし、毎週運営していたファーマーズマーケットは中止せざるを得なくなり、地元の農家のつくった野菜の販売インフラ確保のためにオンラインショップを実験的にはじめてみたりしている。そして、世の多くのビジネスがそういうアクションをはじめているだろう。

とはいえ、世はすべてがオンラインになり業務が効率化する的な論調になっているが、それもどうなんだろうと思っている。それはとても個人的なことに起因する問題があるからだ。

現在40代後半にさしかかったぐらいだが、40才すぎぐらいからスマホやPCで画面を見ることが苦痛に思える時間が増えてきた。単なるドライアイという症状のようで画面を見続けると眼が痛くなる。なるべく画面を見ない時間をつくったりして眼を休めるようにしてきた。

で、やってきたコロナショック。オンラインミーティング、メールやりとり、ほとんどがオンラインになり、これからよりオンラインで画面を見続けないといけないかと思うと先が思いやられる。昔からネット会議もやっていたし、遠隔操作で仕事しよう派だったので、社会全体が在宅勤務型にシフトするのはすごく良いと思っているのだけど、眼のことを考えると画面を眺める時間がもっと増えるのかと思うとぞっとする部分もある。単なる中年のおっさんだけの悩みかもしれないが、人類みんなおっさん、おばさんになるので社会全体の問題としても考えてみたい。

自分的にはコロナショックの示唆は、もっと自然を大事にしようということに尽きると受け止めている。科学者の意見なので、詳しい議論はここではしないが、コロナウィルス問題拡大の根本的な原因は、人類が都市を開発し続け自然に近づきすぎて、動物のウィルスかなにかが人間に近寄ってきてこうした伝播が広がってしまったという話をどこかで聞いた。

そして今、自然を大切にするためにも、もっと手を自分で動かすパソコンを使わない「手作業」に関わる時間を増やすべきじゃないかと思っている。農業をしたり、古い家を治したり、食べ物をつくったり。

都会にいると、仕事の中心は情報を右から左に流す、情報屋的なことをやっている人が大半だし、ものを実際に「つくる」ということをする人はほとんど都会にはいない。そしてこれからもそれがオンラインに加速する気配。そしてポストコロナショックでそれがより加速すると画面を眺める時間が4時間だったのが、8時間になり、みたいなことになる。

それならばオンラインで仕事を効率化して4時間で今の仕事を切り上げて、別の4時間はもっと純粋な「手作業」的なものを仕事に組み入れて、バランスの良い仕事をするようにしないといけないんじゃないかと思う。みんなが農業を始めると食料の問題もより真剣に考えるし、田舎の古い建物を自らの手で治し始めたら、過疎化の問題が一気に解決するかもしれない(ただし今、田舎に移動はやめましょうね)。そして地域にあるもので「つくる」ことによって大きな儲けは期待できないが、また新しいローカル経済の流れをつくりだすことができると思う。そして「つくる」作業をすることが自然とのこれからの付き合い方を教えてくれるような気がしている。

冒頭で紹介した『ローカルエコノミーのつくり方』の序章、この機に序章を以下に読みやすいように格納したのでお時間が許す方は読んでみてください。このブログではreal localのメンバーが定期的に順繰りに個人的な考えを配信していく予定です。

ポストコロナショック、オフライン化のススメ
コンペ落選でボツとなった神戸産業絵図。ちょっとこの絵と趣旨は違うが、都市からもっと自然に視野を広げて活動し、「つくる」ことによって新しい仕事や産業が見えてくると思う。

 

『ローカルエコノミーのつくり方』の序章はこちらからお読みになれます。