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地方フリーランス×多拠点の暮らし/ミズノエリカさん

インタビュー

2020.09.15

【この取材を受けてくださった水野 恵李香さんが心筋梗塞のため2020年9月23日、永眠いたしました。いまにも笑顔で駆け寄ってくるんじゃないかと思うくらい信じられません。食を通して沢山の人を繋いできたえりかちゃんはかけがえのない大切な仲間でした。彼女の思いを大切に受け継ぎ、後世に伝えていこうと思います。沢山の優しさと勇気をありがとう。安らかに。/一般社団法人ブルーバード代表理事・佐藤 哲也 】

リモートワークやスライド勤務、副業解禁といった「働き方改革」によって働き方が多様化するなかで、自分自身の「働き方」やそれに伴う「暮らし方」について考える機会も増えているのではないでしょうか。

今回は、福島県石川町出身であり現在はUターンをして、活動や生活の拠点を一つに定めない「多拠点フリーランス」という新しい形で、郡山・仙台・那須を中心に活動しているミズノエリカさんに話を伺いました。

地方フリーランス×多拠点の暮らし/ミズノエリカさん
お話を伺った「フードクリエイター&カフェディレクター」のミズノエリカさん。
「食と暮らし」を通して自分自身と向き合ってほしい
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ひとつひとつに想いが込められたミズノさんのお料理。

――現在ミズノさんは、フードクリエイターとカフェディレクターの活動をされていますよね。まずは2つがどういったお仕事なのか教えていただけますか?

どちらの活動も主軸にあるのは「食」と「暮らし」に携わることです。
カフェディレクターのお仕事では、メニュー、空間デザイン、お客様が入ってくるストーリー、働く人の人材育成まで、カフェという場をトータルで作り上げていきます。「クライアント」の想いをカフェというツールを使って実現するために、私が交通整理をしていく感じ。カフェコーディネイターなのかディレクターなのか……今までにないお仕事をしているところがあるので、伝わりやすい言い方を模索中です。

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取材場所であるBlue Bird apartment.(郡山市)1階のカフェもミズノさんがディレクションに携わった。

一方でフードクリエイターは、他の誰でもなく「自分」の想いを、料理を通して表現するお仕事です。「自分を魅せる」という感覚なので、アーティスト寄りでもあるし、編集して創造するクリエイティブな仕事でもありますね。

――どちらの活動にも共通する「食と暮らし」に携わりたいと思うきっかけは何かあったのでしょうか? 

きっかけはたくさんありました。農家の孫として育ったのがまずスタート。子どもの頃から料理が好きでした。畑でジャガイモを掘り起こしてして煮っころがしを作って近隣のじーちゃんばーちゃんに配ったりね 笑 「おいしい」って人を喜ばすことが好きだったんです。昔の話だけど今考えると始まりのきっかけはそこです。もう一つは22歳の時に大好きな「おいしい」を提供する飲食の仕事をしていましたが自分の限界を超えて過労でフェードアウトしました。

そこで自分について考える時間がひたすらあったんです。いちばん健康じゃないといけない作り手がこれじゃ「おいしい」なんて創造できないって。身体も心も健康じゃなきゃ仕事も、そこから豊かな暮らしなんて生まれない。そこからやっぱり「食を整えることで暮らしが変わる」ことを実感して。それで独立したんです。自分としっかり向き合ってこそでき得る「食と暮らしのあり方」を発信したいなって。

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ケータリングの仕事は、他の仕事との兼ね合いを見ながら受け付けている。

――独立されたときはゼロからのスタートだったと思うのですが、はじめにフリーランスとしての活動を始めたのはどこだったのですか?

まずは郡山にある友人が経営する「喫茶店粒」(郡山市)で料理を提供することから始めました。そこで初めて自分の料理を誰かに食べてもらいながら、人に出会って、コミュニティが広がって、結果的に仕事の幅や活動拠点も広がっていくという経験をしました。

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喫茶店粒(郡山市)では不定期でミズノさんが作る菜食料理を味わうことができる。この日のメニューは植物性の食材だけを使ったピーナッツカレー。とても美味しくいただきました!
挑戦を続けて見つけた新しい形

――郡山・仙台・那須と活動拠点が増えていらっしゃいますよね。「多拠点フリーランス」として活動するにあたって大切にされていることはありますか?

そうですね。地方のフリーランスは特にコミュニティーが大切です。とにかく人の絆、コミュニティーに活かされる仕事なので。8割が人からつなげていただいたご縁からお仕事をしています。(残りの2割はSNS)
知識も経験もなくこの世界に入ったので、コミュニティーに身を任せるしかなかったですね 笑

仕事でも生活でも、コミュニティーって居場所で、プラットホームで、サードプレイス。拠点はいくつだって持ったっていい。「おいしい」は人を集めてこそ旨味が出るんです。郷土料理があるようにその地によっても食は違う。人によって味覚は違う。まだまだ知らない味がこの世界には山ほどあるんです。ひとつに縛っていたら自分の世界は広がらないって22歳の時に身に沁みましたね。あの頃は自分の殻に閉じこもってたから、ストイックになって停止しちゃったんだろーな。そんな自分を知ったからこそ私は他拠点を選ぶ。きっとこれからも。だから私には多拠点が必要。

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「フリーランスになって4年目の今が一番楽しい!」と語るミズノさん。
支えとなれるようなチームを作りたい

――最後に、今後の展望や目標を教えていただけますか?

今後やりたいこととしては、もっと「ひとりひとりに合った食と暮らしのあり方」の必要性を発信して、確立させたい。あとは、チームを作りたいっていうのが次の野望ですかね。
独立して3年間が経って、同年代でフリーランス志望の子がやっと増えてきて。だからその子たちがしっかり暮らしていけるようにバックアップをしたい。私のフリーランスとしての道のりは行き当たりばったりでリスクがあるし、そのまま人に教えられない。笑 私が会社を立ち上げてそこから独立するような仕組みを作れたらいいなと思います。学校ではないけど、そういうところが必要かなって。

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「まず自分を大切にしないと周りの人を大切にできない」という思いがベースにあり、現在の「多拠点フリーランス」という選択も、自分自身と向き合う中で見つけた生き方だとか。精力的に活動されているミズノさん。今後のご活躍も楽しみです!

※この取材は 2020 年 3 月 7 日に行われたものであり、記事は当時の取材内容に基づいて作成されています。2020 年 4 月 27 日に、ミズノエリカさんは「株式会社 suIno(スイノ)」を立ち上げられ、福島県会津若松市内で食堂(2020 年 6 月 20 日オープン)・ゲストハウス(近日オープン予定)を経営し、シェアハウス、コミュニティースペースの運営をスタートさせております。詳細につきましてはリンクを記載しておりますのでご確認ください。

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みなさんも是非足を運んで、ミズノさんがつくりあげる素敵なお料理と素敵な空間を楽しんでください!

ミズノエリカ(フードクリエイター/カフェディレクター)
Instagram:@suinoworks

【ミズノさんの作った料理が食べられるお店】
・喫茶店粒…〒963-0108 福島県郡山市笹川3丁目20-1
(ゲリラ開催)
Instagram 粒ごはん @gohantub

【ミズノさんがディレクションに携わった郡山市周辺のお店】
・Blue Bird apartment.1F喫茶室…〒963-8005 福島県郡山市清水台1丁目8-15
Instagram @bluebird_apartment

・ROUGHLAUGH 須賀川 gatto coffee…〒962-0013 福島県須賀川市岡東町22
Instagram @gatto_coffee

【株式会社suInoが運営する食堂・古民家ゲストハウスについて】
・紺と種…〒965-0042 会津若松市大町1- 3-19
Instagram 紺と種 @aizu.kontsh

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suino inc. のロゴ
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