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日本から世界へ。鎌倉に拠点を構える「25Holdings Pte.Ltd.」

インタビュー

2020.10.24
日本から世界へ。鎌倉に拠点を構える「25Holdings Pte.Ltd.」
オフィスにはスタッフのペットも一緒に出勤する

「25Holdings」は、「ペットと人間の関係をより密接にする」をミッションに、2015年、シンガポールで創業したペットフード、ペット用品の販売を行う企業です。その日本支社が、2020年3月に鎌倉市御成町にて始動しました。
日本支社は、今後の世界展開においても重要な位置づけとなる支社。なぜ鎌倉という土地を選んだのか、また今後の展開などについて組織戦略チームマネージャー・新治嘉章(しんじよしあき)さんにお話を伺いました。

日本から世界へ。鎌倉に拠点を構える「25Holdings Pte.Ltd.」
オフィスの風景

「25Holdings」はシンガポール、東南アジアのエリアを中心にペットケアブランドのオンラインショップとして確実にシェアを広げ、現在は日本語版のオンラインショップ「perromart(ペロマート)」も開設しています。自社オリジナル商品の開発なども手掛け、アジアナンバーワンから世界ナンバーワンのペットケアブランドを目指しています。

日本支社代表の藤田英輝さんと新治さんが今後の世界への展開を見据えるため、日本支社をどこに開設しようかと検討したとき、漠然と東京と考え物件を探し始めたのですが、なんとなくの違和感を抱きました。「そもそもオフィスをどこに構えるか」と考えをめぐらせた中で、目を付けたのが神奈川県でした。

神奈川県は「犬・猫の殺処分ゼロ」の活動しています(犬は平成25年度から7年間、猫は平成26年度から6年間殺処分ゼロを継続しています)。また、代表の藤田さんも神奈川県の出身で土地勘があったこと、さらに(これは体感もありますが)鎌倉・逗子エリアは特に人口に対するペットの頭数の比率が高いということがあり、興味を持ったそうです。

そんな中で、もともとお知り合いだった神奈川県顧問の根本昌彦さんに相談したところ、「面白法人カヤック」代表の柳澤大輔さんをご紹介されたことがきっかけで「鎌倉R不動産」からいくつかの物件を見ることに。辻堂駅周辺の物件など幅広く見たものの、最終的には鎌倉市御成町の現在のオフィスを選ばれました。

日本から世界へ。鎌倉に拠点を構える「25Holdings Pte.Ltd.」
ペットと一緒に出勤できることがオフィス選びのカギになった

「ペット可のオフィス物件が少なく自力で見つけることは難しかったですが、鎌倉R不動産さんには少ない中からも様々な物件をご紹介いただけたこと。またさらには駅前でアクセスも大変良い物件をご紹介いただけて大変助かりました。」と新治さん。

また、鎌倉を選んだ大きな理由のひとつに「地域との交流」があったそうです。鎌倉市民や鎌倉で会社を経営している人同士の交流はとても濃く、そこから情報が得られたり、新たなビジネスが生まれることもしばしば。実際に身を置いてみても、そのことを感じるといいます。

日本から世界へ。鎌倉に拠点を構える「25Holdings Pte.Ltd.」
販売しているペットグッツの一部

コロナ流行の直前での物件探し、引っ越しであったためオフィスはすぐには稼働せず、現在も週に1,2回商品の撮影のためにメンバーが集まる程度だといいますが、それでも、鎌倉の駅前にオフィスを構えた効果はあったようで、鎌倉市内の企業ということで採用面接に来てくれる方もいるそうです。

メンバーのお一人で福岡から鎌倉オフィスの近隣に引っ越しをされた山内真菜華さん(「メルカリ」の出身者で現在は主にCS部門を担当)も「会社が東京だったら(転職の際に)きっと選ばなかったです。東京から遠すぎず近すぎない。自然にも触れやすい距離感が鎌倉の魅力だと感じます」と言います。現在は、猫3匹と一緒に新生活をスタートしていて、他のメンバーも鎌倉市近隣に住まいを移した人もいるのだとか。

新治さん自身も「今後は私も鎌倉など湘南地域に家族で移住したいと思っています。やはり環境のいい場所に身を置きたいという気持ちが大きくなってきました。リモートワークも多いので、住環境にはこだわりたいですね。あとは息子との話し合い次第です(笑)」と話してくれました。

日本から世界へ。鎌倉に拠点を構える「25Holdings Pte.Ltd.」
ペットの遊具、爪とぎもできる優れもの

日本支社は、特に自社ブランドの商品を広める展開をしていきたいという新治さん。「オシャレなペットグッツやペットの健康を考えたペットフードを作ることにこだわるのは『ペットと人間の関係をより密接にし、ペットを家族とする』というミッションを掲げているから。ペットを家族同然に愛する愛護の精神はすでに日本にもあるかと思いますが、現実問題としてまだまだ日本はペットフレンドリーがスタンダードとは言えないですよね」と新治さんは指摘します。
「例えば、賃貸物件でももっとペット飼育可の物件が増えてもいい。ペットと一緒に入店できる店が増えてもいいと思うし、日本でも家族の在り方は多様化しているけれど、まだまだペットとの共生には不自由がつきもので、その不自由さを軽減することに対して力になれれば」と言います。

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ペットのふりかけ。人が食べても美味しい安心素材でできている

「25Holdings」では、2020年6月末からは猫の食いつきが変わるふりかけを販売。日本発、国産の材料にこだわったふりかけです。その後、2020年9月にはシンガポールでも人気のグレインフリー(穀物などのつなぎを使わないフード)のキャットフードと猫が誤飲すると危険な成分は一切不使用で天然香料を使用された猫砂を日本でも展開。今後はグレインフリーのドッグフードも展開するなど、更なる展開に邁進されています。

犬・猫のからだに良い素材を使ったペットフードはすでに売られていましたが「25Holdings」では、E Cサイトを運営する中で得られたデータとお客様から直接いただく声から商品を開発していることが強みです。
「ペットと人の生活をより密接にしたい。そのためにこれまでは便利に快適に過ごせるグッズを提供してきました。これからはそこに食事も加わります。大切な時間を過ごすペットにもごはんはなるべくからだにいいものをあげたい。そして、からだにいいフードの提供はもちろん、一般的にペットフードとしてすでに販売されている商品に対する知識も広めていきたい」と新治さんはいいます。

今後は、鎌倉らしいフードのコラボも実現するのでしょうか?という質問に対しては、
「すでに鎌倉市長とは面談の機会をいただいて、私たちのビジョンや、ミッションについてお話してきたところです。また、今後は動物愛護団体の方ともお話をしたいと思っています。鎌倉らしい素材をフードに取り入れるのも、ぜひチャレンジしてみたいですね。例えば、シラスのふりかけとか、鎌倉名物のお菓子とコラボしたペットのおやつの商品開発など、アイデアがつきません。」

最後に、鎌倉をはじめみなさまへ一言。

「今後も、アジアトップから鎌倉を拠点に世界トップへ。ペットとのよりよい生活を目指し、成長を続けたいと思います。新型コロナウイルスの影響で地域との方達との交流がまだあまりできておりませんが、落ち着きと共に繋がりも深めていきたいと思っています。鎌倉の皆さん、よろしくお願いいたします!」