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鎌倉の景観を守ろう。鎌倉市が「景観保存建築物の橋渡し制度」を創設

制度の情報

2021.02.23

「鎌倉市景観保存建築物の橋渡し制度」とは?

鎌倉市内には多くの景観重要建築物、登録有形文化財があり、また指定等はされていない個人住宅の中にも、鎌倉の景観を特徴づけている重要な建築物も多く存在しています。これらが失われると、鎌倉の今ある景観は大きく変わってしまうおそれがあります。
ですが、所有者の高齢化や相続の問題によって、建物の維持管理が難しくなり、取り壊されてしまう事例も少なくないのが現状です。
そこで、鎌倉市では、歴史的建築物が解体されることなく、保存活用される機会を増やすために、建築物の売却等を検討する所有者と、利活用を希望する者とを橋渡しする「鎌倉市景観保存建築物の橋渡し制度」を創設しました(令和2年1月31日「鎌倉市景観保存建築物の保存活用の推進に関する要綱」)。

鎌倉の景観を守ろう。鎌倉市が「景観保存建築物の橋渡し制度」を創設
鎌倉文学館のイラスト(絵・伊東雅江さん)

歴史的にも貴重な建物を守るために。

鎌倉市は、山や川、海などの自然に恵まれた歴史的な都市です。近代以降も多くの文化人に愛されてきたこともあり、当時の面影を残す邸宅も多く存在していますが、近年、所有者の高齢化や相続の問題があり、取り壊されてしまうケースも多く見受けられます。
例えば、広い敷地を有する邸宅の場合、不動産会社に売却を依頼すればすぐに老朽化した建物は取り壊されてしまい、土地は分譲されるというケースも多く見られるのです。
このままでは、鎌倉の景観は変わってしまう。自分の手を離れても、なんとか保存してほしいと思う所有者と、壊さずに生かしたいと思う利活用者を繋ぐことができないか。
そこで生まれたのが、この橋渡し制度です。

実際に制度を利用する場合、どのような流れなのか?

具体的には、歴史的建造物の所有者が市に売却等の相談をした場合、保存活用希望者として登録している事業者に対して物件の情報を提供します(景観重要建築物等や登録有形文化財等に指定等されていない建築物については制度の対象になるか専門家の調査が必要です)。保存活用希望者はこの物件の活用プランを作成し、市を通じて提案。提案されたプランを所有者が気に入った場合には、所有者と保存活用希望者との間で直接、売却または賃貸の契約を結びます。市は、所有者と事業者の橋渡しをするわけです。

登録できる事業者は?

この保存活用希望者には、不動産業者だけでなく、一般の民間企業や建築設計事務所なども登録が可能です(「鎌倉R不動産」は保存活用希望者登録第一号となっています)。実際の取引の際には、建築のプロや不動産のプロの力を借りることが必要なので、登録している事業者同士で助け合うこともできるかもしれません。
このように、市が歴史的建造物を守るために制度を設けて支援するケースは、他の行政でも事例があり、例えば京都の町屋や、金沢の茶屋街などの空き家活用が挙げられます。
市が間に入ることによって所有者の方には安心して任せられるというメリットがあり、また事業者としてもこうした取り組みに積極的に参加することは、鎌倉で事業を営むにあたり、とても意義があることだと考えます。

鎌倉の景観を守ろう。鎌倉市が「景観保存建築物の橋渡し制度」を創設
鎌倉市はえほんで市内の素敵な建物を紹介している。「かまくらのすてきなたてもののえほん」より鎌倉文学館(絵・文・伊東雅江さん)

この制度はまだ始まったばかり。みんなで取り組もう。

この制度はまだまだ始まったばかりですが、ぜひ多くの方に知っていただき、保存活用希望者として登録をしていただければと思います。また、ご自身の所有している歴史的建造物について、どこに相談すればいいのか悩んでいる方は、まずは鎌倉市の都市景観課へお問い合わせをしてみては。
詳細・お問い合せは下記、鎌倉市のホームページをご覧ください。
鎌倉市ホームページ

個人でも、建物を守ることに関わることができる。

また、個人の方もこうした歴史的建造物の保護を目的とした活動を行うことが可能です。
鎌倉市では「鎌倉市景観重要建造物等保全基金」を設けており、歴史的建造物の修繕等に活用する予定です。重要な建築物を後世に残すための活動です。ご興味のある方は、下記、鎌倉市のホームページを参照ください。
鎌倉市ホームページ

※この制度については、詳細を鎌倉市都市景観課の奥山さん、平井さんにお話を伺いました。ご協力ありがとうございました。