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【愛知県小牧市】日本の空を編み直すフジドリームエアラインズ

地域情報
2026.06.23

愛知県の空港と言えば、中部国際空港(セントレア)を真っ先に想い浮かべる人が多いのではないのでしょうか?しかし、愛知にはもう一つ空港があります。
名古屋駅からバスで30分でたどり着く「県営名古屋空港(小牧空港)」は、知る人ぞ知る旅の起点です。ここには地方と地方をダイレクトに結び、「身近で便利、そして温かい」サービスを提供するフジドリームエアラインズ(以下FDA)が就航しています。【愛知県小牧市】日本の空を編み直すフジドリームエアラインズ

 

「地方と地方」を繋ぐ縦糸と横糸

設立のきっかけは、鈴与グループの鈴木与平氏(現・FDA会長)が抱いた「空への憧れ」でした。大学時代にグライダーに魅了された氏は、後に英国でブラジル製の小型機「エンブラエル」に出会います。

「この機体なら地方路線を維持できる」と確信したことが、静岡空港の開港に合わせたフジドリームエアラインズ(以後FDA)設立の原動力となりました。

経営哲学も非常にユニークです。大手航空会社を競合と捉えるのではなく、路線を補完し合う「縦糸と横糸」の関係だと定義しています。
大手が担う大都市間の幹線を「縦糸」とするならば、その隙間を縫うように「地方から地方」へダイレクトに結ぶのがFDAの「横糸」です。

【愛知県小牧市】日本の空を編み直すフジドリームエアラインズ
FDA運行路線図(HPより抜粋、2026年6月時点)。国内全29路線運航。

この「横糸」がつながることで、複雑な乗り継ぎにストレスを感じることがなくなります。例えば、地方から別の地方へ行く際、これまでは巨大なハブ空港を経由して「乗り継ぎ」をすることになります。しかし、FDAの直行便ならそのタイムロスを丸ごとカット。

目的地にダイレクトに到着することで時間も体力も温存できます。この「地方間の移動のスムーズさ」が、他社にまねできないFDA独自の価値と言えます。

さらに、駐車場は搭乗者割引で14日間停めても2,000円という驚きの価格。

 

パイロットシュミレーターへの投資と「手振り」が生んだ熱狂的なファン文化

FDAが単なる移動手段を超え、愛されるブランドへと進化した理由。それは実務面での「覚悟」と、現場の「体温」にあります。

特筆すべきは、機体がまだ2機しかない創業期に、数十億円を投じて自社シミュレーターを導入したことです。当時は周囲から驚かれましたが、これが現在の大きな強みとなりました。

シュミレーターを自社で持つことで、海外へ訓練に出向く必要がなく、自社でパイロットを育成できる体制ができたのです。業界全体でパイロット不足が叫ばれる中、画期的な取り組みでした。

現場に流れる「顔の見える関係性」も魅力です。パイロットの「お手振り率」は驚くほど高く、展望デッキのファンと手を振り合います。また、カラフルな機体には「推し色」文化が生まれ、3万円のファンミーティングは即完売しました。

更に、エンゲージメントを高めるために、社内の意識改革もSNSを通じて行われました。当初は写真撮影すら消極的だった現場に対し、担当者が広告価値を数値化して共有し続け、少しずつ空気を変えていったといいます。

今では他部署から投稿案が届くほど、社内にも「仲間の輪」が広がっています。

【愛知県小牧市】日本の空を編み直すフジドリームエアラインズ
アットホームな接客もFDAの特徴
【愛知県小牧市】日本の空を編み直すフジドリームエアラインズ
2024年3月に引退した4号機の退役セレモニー。沢山のファンが集まりました。

 

「知られていない」という最大の壁を越え、地域を編み直す

絶好調に見えるFDAですが、実は「認知」という大きな壁に直面しています。名古屋に住んでいても「小牧から飛行機に乗れること」を知らない人は意外と多く、これが解決すべき最大の課題です。筆者も小牧空港の存在は知っていましたが、利用したことはありませんでした。

現在は札幌や福岡、熊本など計9都市へ就航していますが、まずはその存在を日常の選択肢に入れてもらうこと。そのために、異業種との意外なコラボレーションも加速させています。

例えば、「夢グループ」とのシュールな動画企画は、石田社長が「昔パイロットになりたかった」という縁から実現しました。また、地方アイドルとのコラボレーションも実現しています。

 

最後に

お話を聞いていて、最も驚いたのは、新型コロナウイルスの影響などで航空業界が厳しい状況にあった時期に、松本市に住むFDAのファンたちが新聞の全面広告の枠を使い、FDAに向けた応援メッセージで埋め尽くした広告を出してくれたという出来事です。

かつて松本空港からJALが撤退してしまい、「この先どうなってしまうのか」と地元で不安が広がった時期がありました。その際、FDAが路線を引き継いで飛行機を飛ばしてくれたため、松本の人々はFDAに対して深い感謝の念を持っているそうです。

FDAは、地域と地方の意志を繋ぐ「共感のプラットフォーム」です。ローカルエコノミーを支え、独自のファンベースを築くその姿は、地方創生の新しい形を示しているように思います。

カラフルな機体をご覧になった際には、『あっ!FDAだ』と思い返して、手を振っていただけると嬉しいです。

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名称

フジドリームエアラインズ

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