【名古屋市中区】 人生に、花選びを。 花屋のニュースタンダードを目指す 「GOOD NATURED’S」
人生の折々に、言葉では伝えきれない思いを届けてくれるお花たち。花を選ぶ時、そこには必ず〝誰かを思う気持ち〟があります。
日々の何気ない暮らしのなかで大切な誰かのため、そして自分のためにお花を選ぶ習慣が広がれば毎日はもっと彩り豊かになるでしょう。
「人生に、花選びを。」をミッションに、花と飲食、さらに福祉の分野にも事業を展開し 、花屋の新しいスタンダードを目指す「GOOD NATURED’S」。名古屋市北区味鋺の生花店「TAIYO FLOWER」が中区に移転。新しいスタイルの複合施設として生まれ変わりました。

「GOOD NATURED’S」を運営するのは株式会社 echinacea(エキナセア)。〝やさしさ〟〝深い愛〟など、温かな思いやりをイメージする花言葉を持つ花の名を社名に 冠した「echinacea」が目指す花屋のニュースタンダードとは、老若男女を問わず誰にとっても花のある暮らしを当たり前の日常にすること。そして誰もが挑戦することを楽しみながら生き生きと働ける環境を継続的に叶えていくこと。代表取締役の藤井良介さんと女將の脇田芳香さんご夫妻に、「GOOD NATURED’S」に込めた思いと未来のビジョンをうかがいました。

花の仕事に憧れ
一人で走り続けた日々
2021 年に名古屋市の北区で生花店「TAIYO FLOWER」をオープンする前から、藤井さんは全国各地の百貨店やイベントでポップアップストア出店という形でお花の販売を続けてきましたいまではたくさんのファンに愛されて「TAIYO FLOWER」は人気、知名度ともにすっかり定着しましたが、意外にも藤井さんはそれまでまったくお花に興味はなかったのだそうです。
「僕が子供の頃から両親が花屋さんにお花を卸す問屋を営んでいました。家族で旅行に連れて行ってもらった思い出もなく、朝が早くて大変そうだなと思うぐらいで僕は全然興味がありませんでした。家業を継ぐことも考えてなかったので、卒業後は商社に就職してサラリーマンをしていたんです」
就職して 5 年が過ぎた頃、世界中にコロナウィルスが蔓延。結婚式などの式典やイベントはことごとく中止となりお花の需要が激減。両親が営んできた花の問屋「藤井商店」が廃業の危機に陥ってしまったのです。
「『このままだと店が潰れてしまう。何かいい案はないか』と母に相談されました。商売のことで僕を頼ってくるなんて初めてのことだったので、これはただ事ではないと思いました。とはいえ僕は花屋の仕事についてはまったくの素人。ノウハウは何一つありません。ただ、商社の社員として海外に出かけることも多くマーケティングの仕事の経験もあったので、インターネットを使えばなんとかなるんじゃないかなとは思いました」
まずはアプリを利用してネットショップを立ち上げ、それまで店舗向けの卸だけだった「藤井商店」に小売部門を新設。
「それがたまたま母の日のタイミングと重なり、予想を超える注文が舞い込みました。100 人
ぐらいのお母さんにお花を届けることができて、なんだかものすごく感動したんです。花屋っ
てこんなに素晴らしい仕事だったのかと、両親の仕事を改めて誇りに思うことができました」

その時の感動が藤井さんの気持ちにも少しずつ変化をもたらし、やがて花にまつわる仕事に憧れを抱くように。小売としての展開をさらに模索し、カフェや洋服店を経営する友人や先輩たちの協力のもと、お店の一角を借りてポップアップストアの出店をスタートしました。
早朝から花卉市場に出かけて花の仕入れ。その後、会社に出勤して社員としての仕事をこなし土日はポップアップやイベントへの出店。目が回るような慌ただしい日々を無我夢中で走り続けた藤井さん。半年ほどが過ぎた頃、ある老舗の花屋さんから思いがけない申し出がありました。
「創業 80 年近い花屋さんが廃業を考えていて、うちの両親に、できれば誰かに引き継いでもらいたいということを話したそうです。当時、一人で頑張っていた僕の姿を見て、息子さんにやってもらえないかということでした。僕としてはまだ経験も浅いし実店舗を持つには戸惑いもありましたが、決算書などを見せてもらって真剣に検討し、自分一人ならなんとかできそうと思い切って店を買い取り引き継ぐことを決意しました」
庶民的な雰囲気の味鋺という町で長年親しまれた「太陽フラワー」。その店名を残し、「TAIYO FLOWER」として装いも新たに開店。藤井さんは晴れて花屋の主人になりました。

「TAIYO FLOWER」が結んだ縁と出会い
「当時はまだコロナの影響が残っていましたが、最初の 1、2 年は店舗の運営と並行してイベント出店にも力を入れ、とにかく幅広いお客様とのご縁を広げることに努めました。そのうち百貨店さんとの接点もでき、全国各地のデパートとも取引をさせていただけるようになりましたイベントで『TAIYO FLOWER』を知ってくださったお客さんたちが、SNS や口コミで広めてくれたことも大きかったと思います」
実は妻の芳香さんもこの頃にポップアップやイベントに足を運ぶお客さんの一人でした。藤井さんと同じようにコロナ禍をきっかけにお花が好きになり、花屋で働いてみたいという思いを募らせていたのです。
「コロナで友達にも自由に会えないので、ネットで誕生日にお花を贈ったりしていたんです。毎日 SNS ばかり見ていて、その中でフローリストという仕事があることを知って、お花屋さんっていいなと思うようになりました。でも当時は他に仕事を持っていたのでアルバイトで花屋さんのお手伝いとかできたらいいなと。でも求人がまったく無くて 。諦めかけていた時に…藤井さんが新しく店をオープンすると聞いてぜひ働かせてほしい!と思いを伝えました」(芳香さん)
「当時はアルバイトを雇う余裕もなかったけど週に 1 日か 2 日だけでもということだったので、ちょっと手伝ってもらうつもりで入ってもらったんですが、これがもう、めちゃくちゃ助かりました(笑) 実は花屋って販売以外にもものすごくたくさん仕事があるんですよ。僕一人の…時はそういう膨大な業務をマニュアル化してなんとかやっていたんですが、彼女は僕の苦手な事務や細かい仕事が得意で本当に助かりました!」(藤井さん)

花屋だからこそできる社会貢献を!
未来へのミッションと新たなチャレンジ
コロナ禍の中で、お花が取り持った出会いから、やがて公私にわたるパートナーとなった藤井さんと芳香さん。たくさんの人に花選びの喜びを伝えたいという二人の思いはますます揺るぎないものとなり、アクセスの不便さがネックだった北区から、より便利なエリアへの移転を決めました。
そして 2025 年、県内で最大級の花卉市場にほど近い中区橘に、三階建てのビルをリノベーションしてカフェと花屋の複合施設「GOOD NATURED’S」をオープン。
「お花にあまり興味がない人にも、カフェを訪れたことをきっかけにその魅力を知ってもらえたら」と藤井さん。今回の移転を機に、同じビル内に就労継続支援 B 型事業所も開設し、目標でもあった「花と福祉」の実践にも乗り出しました。この取り組みは、花屋を始めた時に掲げた大切なミッションを叶えるための挑戦の一つなのだそう。





特性や特技を生かして
誰もが輝ける場を作りたい
「例えば、決められた大きさに包装紙を切り揃えるとか、保水用のポリ袋を何枚も準備するなど、花屋の仕事の中には単純な作業だけど正確さや丁寧さが求められる作業がたくさんあります。障害を持つ人たちの中にはそういった仕事が得意な方が多いんです。一人一人が自分の能力を生かしながらやりがいを持って働けるよう、花屋として支援できることはたくさんあると思っています」(芳香さん)
「お客様とのコミュニケーションは苦手であっても、黙々と取り組む細かい仕事に対しては驚くほどの集中力を発揮してくれます。僕にはない能力なので、本当にすごいなと思います」(藤井さん)

中区に移転してから、訪れるお客様やファンの幅も一層広がったという芳香さん。 憧れのフローリストとして活躍できるようになったいま、お花の仕事に対する自身の気持ちにも大きな変化があったと言います。
「以前の私は、花屋さんに憧れていたにも関わらず、朝が早くて大変そうとか、お給料も少ないんだろうなとか、マイナスイメージが先立ってしまって本職にする覚悟が持てずにいましたそんな私も、今ではポップアップに出店したり飲食や福祉事業を手掛けたりと、名古屋の花屋さんではほとんど誰もやっていないことに挑戦でき、これまでになかった文化を創れていることに誇りを持てるようになりました。この場所を拠点にかつて自分が抱いていたような〝花屋は大変な仕事〟というネガティブなイメージを変えていきたいと思っています」
「彼女の言葉はいつも素敵で、僕も同じように感じています。僕らが絶対に果たしたいと思っている『人生に、花選びを。』というミッションの中で、もっとも大事にしているのが『花選び』という部分。コロナ禍を乗り越え AI が進歩して、社会がどんどん効率化して便利になっていくなかで、人と人のコミュニケーションが希薄になっています。目と目を合わせて気持ちを伝え合うことの大切さを補うためにも、花屋にできることはすごくたくさんあると思います。多くの人に花の魅力、花の持つ力を知ってもらうために、できるだけエントリーポイントを増やしていくことが必要。そのためにも僕らはこれからも変わらずチャレンジを続けていきたいですね!」















