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【神戸】Artist in Residence KOBE活動報告会レポート。多角的視座のある神戸を目指して。

イベントレポート

2024.04.19

2022年4月に始まったArtist in Residence KOBE(AiRK)、報告会を行うのもこれで2回目。より多くの人に活動を知ってもらいたく、今年度は昨年度より大きく集まりやすい神戸市中央区の区民ホールにて開催しました。活動報告会の様子をレポートします。

【神戸】Artist in Residence KOBE活動報告会レポート。多角的視座のある神戸を目指して。
活動報告会を行った神戸市中央区民ホール

2023年度は、17組、31人のアーティストを受け入れ

AiRKとして行っている活動は主に以下の3つ。「Partnership Program in KOBE」は神戸にある文化施設との連携による滞在受け入れ。「Program by AiRK」は私たちの自主企画でのイベント。「AiRK OPENCALL」は国内外からの一般公募でやってきたアーティストの受け入れです。

神戸にある文化施設との連携「Partnership Program in KOBE」では、国内外からアーティストの受け入れ促進と神戸市内での交流促進を目的とします。1年目にお付き合いが生まれた神戸の文化施設や文化活動との連携によるアーティストの受け入れ、特にC.A.P.(芸術と計画会議)や六甲ミーツ・アート、KIITO、新開地アートひろば、そしてAiRKメンバーが所属する神戸フィルムオフィスやEAT LOCAL KOBEなどと連携した活動も行いました。1年目は39名、2年目は31名のアーティストを受け入れ、滞在するアーティストの活動を支援。神戸にある文化施設をはじめとするさまざまな方々との協業により、お陰様で活動を続けることができました。

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2023年度も多くのアーティストの方々との出会いがありました。

自主企画のイベントにも挑戦

2年目となった今期については、私たちの主体的な活動を行おうということで「Program by AiRK」と称し、国内外のアーティストを自分達で招聘してアートイベントを開催しました。そのひとつは、六甲ミーツ・アート芸術散歩2023 beyondとのコラボレーションで開催した「Rokko Meets Art × Artist in Residence KOBE ー山頂でのオープニングパフォーマンスー」です。オスロ、パリで活躍するアルゼンチン出身のダンサー・振付家、ダニエル・プロイエットを招聘し、森の音ミュージアムと六甲ミーツ・アートによる招聘作家である川俣正の新作インスタレーション「六甲の桟橋とテラス」にて2023年8月末にパフォーマンスを上演しました。

AiRKの活動の一環として、六甲山・森の音ミュージアム敷地内にある「六甲の浮き橋とテラス」で行われたダニエル・プロイエットのパフォーマンスの一部を、上記のYouTubeよりご覧いただけます。

また、昨年の秋には、“AiRK Research Project Vol.1”「久保田沙耶個展 北野光遊浴 KITANO Optical Wave Bathing」と題し、北野エリアに存在するギャラリーや店舗、モダン建築など10軒ほどの施設を包括した「まちなか展覧会」として3週間にわたるアートイベントを開催。会期中はメイン会場となるローズガーデンにて久保田沙耶と森山未來、音楽家・原摩利彦、空間演出・XORIUMによるパフォーマンスイベント「もぬけの息吹」(2回公演)や、アーティストトーク(2回)、AiRKメンバーによる街歩きツアー(2回)などを実施しました。今回のために公募し集まってくれた20人ほどのボランティアも運営をサポート。計500人を超える鑑賞者が来場しました。

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ローズガーデンをメイン会場に、リンズギャラリー、ギャラリー島田他を会場に、展示を行った。

オープンコールにも挑戦

さらに2年目にチャレンジしたこととして、国内外のアーティストを公募して招聘する「AiRK OPENCALL」という取り組みがあります。昨年の夏から公募をスタートし、海外(特にヨーロッパ方面)から多くのアーティストの応募を受け付けている状況です。昨年夏には、フランスで活動する現代アーティスト・鈴木将弘が、この2月にはイギリスで活動するイタリア人サウンドアーティストのマルコ・セバスチャーノ・アレッシ(Naviar Records)が滞在。それぞれにワークショップやライブを開催し、その滞在と活動を支援することができました。2024年度以降、より力を入れたい活動の一つであり、2023年はその良いスタートを切ることが出来ました。

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OPENCALLでやってきたイタリア人マルコ・アレッシ(Naviar Records)による演奏。神戸・元町のSPACE EAUUUで開催。

2024年度は。

いよいよAiRKの活動も3年目に入ります。よりパワーアップした活動を続け、文化施設連携企画、自主企画イベント、オープンコールの3つを軸に、より深い展開をしていきたいと思っています。

「Program by AiRK」(自主企画イベント)では、”AiRK Research Project vol.2”として、22年度の”KOBE Re:Public Art Project”にも参加したインスタレーション・アーティスト・山田悠、さらに2名のアーティストを招聘し、3人展の開催を予定しています。安藤忠雄の初期建築であるローズガーデン神戸や北野アレイなどを運営するKITANO THE MAGNETと連携し、2024年11月に開催する予定です。昨年度よりも参加アーティスト、規模感もパワーアップして開催できればと思っています。また、昨年度も開催した神戸六甲ミーツ・アート2024 beyondとのコラボレーションイベントも計画を進めています。

また、AiRKの公募プログラム、オープンコールにはすでに多くの応募が届いています。2024年度は現状で4組のアーティストの受け入れが確定しています。今年度は、せっかくなので一般の方々にも見て感じてもらえる、滞在されるアーティストとコラボした一般向けの展示・パフォーマンスやアーティストトークの開催についても進めていきたいと思っています。

まずは4月下旬にトルコ人メディアアーティスト・チャール・ハルマンダルによる公開制作を予定しています。概要はこちらをご覧ください(この記事を見られたタイミングが開催前の場合は、ぜひお越しください!)。まだ詳細は確定していませんが、ウクライナ人サウンドアーティスト・セルゲイオニスチェンコはライブ演奏を、イギリス人現代アーティストのサム・ワイルドは公開制作を、現在計画調整中です。

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OPEN CALLでは多くのアーティストの方々から応募をいただいています。

事業収支と今後の計画

私たちの活動は、主に自主企画イベントの運営とレジデンスの運営の2つの側面が存在します。自主企画イベント(主にProgram by AiRK)の運営に関しては、予算規模は年々増減する性格のものと思いますが、基本は業務受託やイベントチケット収入、助成金等で成り立っています。2023年度については、おおよそ500万円強の予算で運営してきましたが、これは協業するプログラムや助成の可否によって規模感が変化します。

一方で、レジデンスを安定的に運営するには、家賃、水道光熱費、維持費用など年間でおおよそ550万円弱の経費がかかります。これらの経費は、企業様からの協賛金、個人の方からの寄付、文化施設からの寄付金、原稿執筆や公演活動などによる収入で成り立たせています。現状、ご寄付頂いた金銭はレジデンスの家賃、水道光熱費、維持費用といった直接的な経費の支払いにあてており、レジデンスの運営そのもの、各種イベントの全体調整はメンバーのボランティアで成り立たせています。

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みなさまの資金援助により活動が成り立っています。

2024年度は、なんとかスタッフを1人雇用したい。

今年度私たちが実現したいことのひとつとしては、スタッフを1名、有償で雇用することです。

2024年度はオープンコールで来てくださるアーティストをより多く受け入れる体制をきっちりと確立したいと考えています。現在、AiRKに対して月に2~3件の応募が世界中(主にヨーロッパ)から寄せられています。神戸に滞在を希望するアーティストがこんなに多くいらっしゃるのかと驚いているのですが、スムーズに受け入れられているかというとそうではないのが現状です。AiRKへの滞在が1ヶ月以上となるオープンコールに関しては、長期間しっかりと神戸に滞在してもらって、神戸の一般市民、文化関係者の方々とも密に交流してもらえる場所をつくりたいと思っています。英語での事前のコミュニケーションや神戸現地との調整、滞在時の展示やパフォーマンスの調整、その広報など、調整事項は多岐にわたるのですが、それらの運営にはコーディネートを行ってくださるスタッフを有償で雇用することが必須だと考えています。長期滞在となるオープンコールではもちろんアーティスト本人にも滞在経費を負担してもらうのですが、私たち運営側からアーティストのすべての経費を請求するのも趣旨とは異なっており、神戸での濃厚な活動を実現するために必要な部分はなんとか有償スタッフに担ってもらえないかと考えています。

基本的には引き続きボランティアベースでの運営が続くのですが、司令塔がひとり有償で働くことによって運命面でのさまざまなことが整理され、より運営の持続可能性を高めることができると考えています。ほとんどボランティア運営に頼りきっている現状を次のステージに上げるためにも、そして今後の運営をより安定させるためにも、有償スタッフの雇用を前提に2024年度の活動を進めていきたいと思っています。

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活動報告会でのひとこま。

なぜ私たちはアーティストインレジデンスを神戸で運営するのでしょうか。

それは、アートには我々の想像を超えた視座を提供する力があると考えているからです。AiRKはレジデンスという手法を通じて、神戸のまちに多面的視座を提供し、文化、経済、暮らしの内面的豊かさを追求する施設でありたいと考えています。アーティスト思考は、年齢、性別、国籍、人種、民族、障害、性自認、性的思考、価値観、仕事観、宗教、学歴、職務経験、コミュニケーション、受けてきた教育、言語、嗜好、役職や階層などを超えた表現を通じて、社会に広く新しい視座(META PERSPECTIVE/多角的視座)をもたらすものと考えています。

  1. 世界中からアーティストを神戸に誘致することで国際交流を促す
  2. アーティストとその地域の人々を結ぶことで地域の文化をより豊かにしていく
  3. 多面的なアーティストの支援や育成をする。

AiRK活動への参加は、私たちの未来への投資活動です。

投資のリターンは、私たちのビジョンの実現です。多様性のある未来。一緒につくりませんか?

 

短刀直入にはなりますが、円滑な運営のためにはお金が必要です。
ここまでお読み頂いた方で、同じ船に乗るよという方、ぜひ以下のリンクよりご協力頂けますと幸いです。
最後までお読み頂きましてありがとうございました。

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活動報告会にてAiRK運営メンバー、ゲストスピーカー・久保田沙耶、そしてボランティア運営メンバーのみなさん。
屋号

Artist in Residence KOBE

URL

https://airk.haaymm.org/

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備考

Rokko Meets Art × Artist in Residence KOBE ー山頂でのオープニングパフォーマンス