real local 名古屋【愛知県】地元愛が創る愛知限定ウイスキー「尾張」 - reallocal|移住やローカルまちづくりに興味がある人のためのサイト【インタビュー】

【愛知県】地元愛が創る愛知限定ウイスキー「尾張」

インタビュー
2025.12.05

ジャパニーズウイスキーは、今や世界五大ウイスキーの一つに数えられ、世界的な評価が揺るぎないものとなっています。
国内シェアの大半は大手メーカーが占めていますが、近年は地酒蔵や新興蒸溜所のウイスキーも人気を高めており、愛知にも新しいウイスキー「尾張」が誕生しました。
この「尾張」を製造する東海酒造株式会社の森川拓也さんに、独立の経緯から製品へのこだわり、そして地域への熱い思いを伺いました。

【愛知県】地元愛が創る愛知限定ウイスキー「尾張」

【愛知県】地元愛が創る愛知限定ウイスキー「尾張」
東海酒造株式会社 代表取締役 森川拓也さん

 

独立の背景 

森川さんは、前職でお酒メーカーに勤務し、営業から製造まで幅広く携わっていました。元々ウイスキーやお酒が好きだったこともあり、30代を目前に「お酒に関わる事業で独立したい」という思いが芽生えたと言います。

「不況と言われる中で、独立したい気持ちはあったものの、正直なところ不安もありました。しかし、前職の会社は社員の挑戦を応援してくれる風土があり、奮起して起業しました。」

森川さん自身が名古屋出身ということもあり、この独立の際に助けてもらった方々に報いるためにも、自分の得意なことで地域貢献したいという思いが強く、「愛知で、地域×お酒の事業を」という明確なビジョンが生まれたのだそうです。  

 

 

お酒のネガティブなイメージを払拭し、絆を深めるコミュニケーションツールへ

独立に至ったもう一つの重要なきっかけは、コロナ禍でのお酒に対するネガティブなイメージでした。宴会の自粛や生活様式の変化に伴い、「飲みニケーションの不要論」「若者の酒離れ」といったニュースが増加しました。例えば、「飲みニケーションが不要」と答えた人が全体の62%に上るなど(2021/11/24 日経新聞)。

こうした状況を受け、森川さんは改めてお酒の楽しさ、ポジティブな側面を伝えたいと強く思うようになりました。

「ニュースによってお酒のネガティブな面ばかりに光が当たりがちですが、お酒は『喜怒哀楽』の様々なシーンを豊かに彩るものです。楽しい時はその喜びを倍増させ、悲しい時は心を和らげてくれます。さらにお酒があることで、人との縁が繋がったり深くなったりもします。料理とのペアリングも話題になり、食事の時間を楽しくしてくれる。こうしたお酒の楽しさをもっと知ってもらい、お酒業界全体を盛り上げていきたいと考えています。」

【愛知県】地元愛が創る愛知限定ウイスキー「尾張」

 

手に取りやすく、世界に評価されるウイスキー「尾張」

こうして強い地元愛と信念を持って独立した森川さんがまず取り組んだのは、愛知限定販売のウイスキー「尾張」の製造です。ウイスキーは特に海外で「ジャパニーズウイスキー」として高く評価される一方で、国内では「高級なお酒」というイメージが根強く、なかなか手に取りにくいと感じる方も少なくありません。森川さんはこの現状を変え、より広い層にウイスキーの魅力を届けたいと、製品戦略に以下の3つの柱を立てています。

<ポイント>
① 手に取りやすい価格帯
高いイメージを払拭するため、1800円~のラインナップを揃えており、お客様がまず手に取りやすいように配慮された価格設定
②飲み方の提案
近年日本で普及したハイボールなど、様々な飲み方を提案することで、より気軽にウイスキーの魅力を楽しんでもらいたいと考えています。
③ライトユーザーへのアプローチ
様々な味のバリエーションを設けています。甘くて重めの本来のウイスキーの風味から、ライトな味までつくることで、ライトユーザーにも手に取っていただける味に仕上げています。

更に創業間もないながら、その品質は既に世界に認められています。世界で最も権威ある蒸溜酒の品評会の一つ「インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ(ISC)2025」において、以下の4銘柄が同時にメダルを受賞しました。更に、「IWSC(インターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ・コンペティション)2025」において、出品した全4商品でメダルを獲得するという快挙を達成しました。

ISC2025 受賞
シルバーメダル受賞: エクスバーボン、ロイヤルモルト
ブロンズメダル受賞: ミズナラカスク、ハイクラスモルト
【愛知県】地元愛が創る愛知限定ウイスキー「尾張」

IWSC2025 受賞
シルバーメダル受賞:ミズナラカスク、 エクスバーボン、ロイヤルモルト
ブロンズメダル受賞:ハイクラスモルト

【愛知県】地元愛が創る愛知限定ウイスキー「尾張」

 

お酒に弱い筆者がテイスティング

取材後、6種類のウイスキーを試飲させていただきました。
ブレンド技術によって生まれた味のバリエーションは思った以上に豊富でした。

ロイヤルモルトは、ストレートで飲むと感じる甘味が特徴的で、チョコレートやナッツといったスイーツとのペアリングが楽しめます。
ハイクラスモルトは、ストレートではハチミツのような甘味の後にキレのある辛口が訪れます。特筆すべきは、ハイボールにした際のキレ。炭酸との相乗効果でさらにキレが増し、ステーキのような脂の多い料理や、名古屋名物の味噌煮込みうどん、味噌カツのような味の濃い料理とも好相性だと思います。
エクスバーボンは、ハイボール、ストレート、ロックのいずれでも美味しく、飲み方を選ばない万能性がありました。

お酒が苦手でウイスキーを避けてきた私ですが、飲み方や時間経過で香りや味が変化する奥深さ、そして食事との相性を知ることで、ウイスキーの新たな魅力に触れることができました。

【愛知県】地元愛が創る愛知限定ウイスキー「尾張」
6種類のテイスティングボトルを試飲しました。

 

 

愛知産を世界へ東海酒造株式会社の次の挑戦

森川さんの挑戦はここで終わりません。今後は、現在のボトリングだけでなく、蒸溜も自社工場で行い、正真正銘の「メイドイン愛知」のウイスキーを作ることを目指しています。
さらに、ウイスキーに限らず、愛知県産の果実(イチゴやイチジクなど)を使ったジンやリキュールの製造も現在計画中とのこと。森川さんの地元愛とこだわりが詰まった、次の「愛知発」のお酒がどんな形で誕生するのか、今から楽しみでなりません。

【愛知県】地元愛が創る愛知限定ウイスキー「尾張」
12月には試飲会も開催されます。ご興味ある方は是非ご参加ください。

<尾張ウイスキー試飲販売会 日程>

日時:12月6日(土)・7日(日) 営業時間10:00-20:00
店名:酒ショップ ハヤシヤ
住所:愛知県一宮市緑2丁目3番10号
TEL:0533-89-8800

日時:12月20日(土) 営業時間11:00-20:00
店名:酒の館タマキ
住所:愛知県刈谷市高倉町5丁目201
TEL:0566-21-0193

日時:12月21日(土) 営業時間09:00-21:00
店名:ヨシヅヤ名古屋名西店
住所:愛知県名古屋市西区名西2丁目33-8
TEL:052-528-4811

日時:12月26日(金) 営業時間09:00-22:00
店名:酒のうかい
住所:愛知県春日井市東野町1-1-30
TEL:0568-84-0308

名称

東海酒造株式会社

業種

酒造メーカー

URL

HP
instagram
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住所

〒496-0911 愛知県愛西市西保町北川原23-12