real local 福井【イベント報告】展示×地域「自分のフラッグ(旗)を立てること」福井で仕事をつくる人たちvol.5 ゲスト:黒川拓夢さん | reallocal|移住やローカルまちづくりに興味がある人のためのサイト【イベント】

【イベント報告】展示×地域「自分のフラッグ(旗)を立てること」福井で仕事をつくる人たちvol.5 ゲスト:黒川拓夢さん

イベント
2026.07.24

real local福井が新たに始めた企画「福井で仕事をつくる人たち」第5回目を開催しました。今回ゲストが次回ゲストを指名し、聞き手にまわる数珠繋ぎ方式で開催しています。第4回目の記事はこちらからご覧いただけます。

第5回は2026年6月29日に開催。聞き手の村上なつかが、今回のトークの一部をご報告をします!

【イベント報告】展示×地域「自分のフラッグ(旗)を立てること」福井で仕事をつくる人たちvol.5 ゲスト:黒川拓夢さん

【ゲスト】

黒川 拓夢(くろかわ たくむ)|ユニクッカ 代表・デザイナー
福井県坂井市を拠点に活動するデザイン事務所「ユニクッカ」代表。書籍などの紙媒体をはじめ、映像、グラフィック、Web、空間デザイン、漫画制作や商品企画まで、領域を横断して幅広いデザインを手がける。また、学校の講師として教壇に立っている。これまでに、ふだん当たり前に触れているコトをデザイナー視点で紐解く対話型の「それもデザイン?展」(2020~2024年/計4回)や、「出発展」「交差展」など数々の展示会を主宰。「展示会は見るのも、つくるのも好き」という純粋な思いで、人と人が交わる「場」を生み出し続けている。

【聞き手1】

村上 なつか|株式会社むらかみ道具店の代表・廃材商人
石川県白山市出身。2020年鯖江へ移住、2021年「RENEW」の事務局長としてプロジェクトマネジメントを担当。2022年「一般社団法人SOE」立ち上げに携わる。2024年に独立し、循環型社会を促進のためものづくりの廃材を見える化・流通させる「廃材商人」として、鯖江で「むらかみ道具店」を立ち上げ活動中。福井県の移住サポーター。シェアハウス運営中。

【聞き手2】

髙橋 駿介|PLAY CITY 理事/合同会社LIGHT HOUSE 代表社員
1996年兵庫県生まれ。2016年大学進学を期に福井へ引っ越し。坂井市三国町にて茶ノ下旅館の経営、湊ノ芸術祭共同主催、また福井市中心市街地の古ビル運用委託や各地で設計デザイン業務を行う。 
 

 

気になる人に公開インタビューをできる機会と聞いて、真っ先に思いついたゲストが黒川くんでした。

なぜかというと、私は黒川くんのことを何も知らなかったからです。

大勢の場で何度か顔を合わせたことはありますが、黒川くんは口数が多い方ではない印象であったため、存在感はあるけど人物像がまったくわからない。

ただ風の噂で、いろいろなイベントをやっていることや独立されたことなど「共通点があるかもしれない」と薄っすら親近感を持っていた私。

黒川くんとは一体何者なのだろうか、熱量を持って活動されている根幹には何があるのだろうか、根掘り葉掘り聞けるチャンスとして指名をさせていただきました。

【イベント報告】展示×地域「自分のフラッグ(旗)を立てること」福井で仕事をつくる人たちvol.5 ゲスト:黒川拓夢さん

【イベント報告】展示×地域「自分のフラッグ(旗)を立てること」福井で仕事をつくる人たちvol.5 ゲスト:黒川拓夢さん

早速始まった黒川くんトーク。

人生グラフをベースに、これまでの過去を遡っていきます。衝撃的だったのは、彼の小学時代から高校時代まで「漫画」が9割だったこと。

小学生で初めて漫画を制作。オリジナル漫画を描くため、その度に一からアイデアを出す。しかも高校生の時には毎週、自分の勉強机の上だけの「自宅連載」を展開していたそう。自宅連載だから自分しか読まないが、同時連載を3つ抱えていて、多忙な生活を送っていたらしい。どういうこと?

 

とまあ、初っ端からクセの強さを感じました。しかしながら、大学時代辺りから今の仕事につながる一面が見えます。

その一つが、学内外で多様なプロジェクトリーダーをしていたこと。周りを巻き込みながらプロジェクトを進めていく、整えていくことに楽しみを見出していたそう。

人と働くこと、チームで成し遂げていくことに楽しみを見出だせるかは、多少の向き不向きがあると感じているので、黒川くんはこの頃からその片鱗が見えていたのだと感じました。

 

それぞれのプロマネ流儀

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そして私との共通点であるキーワード、プロマネ。

プロマネ、ここで言うプロジェクトマネージャーとは、スケジュールを管理し、窓口となって外部と調整・交渉を行う役割。

黒川くんにとって職能であるプロマネの原点は、なんと「テレビ番組の制作」でした。

 

私(村上)のプロ真似の原点はイベントなので、黒川くんとは形がまったく違っていて面白い。

 

映像やテレビ業界は「一秒の遅れ」も許さないような非常に厳しい世界。そのため、徹底した厳しいスケジュール管理が求められ、スキルが身についたそうです。

すごい。厳しい環境でちゃんと挑んでいったからこそ言える発言ですね。

 

そして黒川くんのプロマネ流儀の一つが、「プロジェクトの”波”を乗りこなす」こと。

どんなプロジェクトにも、うまくいっているときと、うまくいかないときがある。

プロジェクトに必ずある「停滞期」こそ、黒川くんのテンションが一番上がるタイミングなんだそうです。

 

みんなの重い空気に流されずに、リーダーとして想定しながらプロジェクトをマネジメントしていく。こんなに心強いプロマネがいるなんて驚きでした。

 

もちろん、あげあげだけじゃない

【イベント報告】展示×地域「自分のフラッグ(旗)を立てること」福井で仕事をつくる人たちvol.5 ゲスト:黒川拓夢さん

前半は、人生グラフに沿ってあげあげの黒川くんのお話を聞かせていただきました。

人生、そんなうまくいくことばかりじゃないはず。聞かせていただきましょう、さげさげのお話。

 

黒川:定期的に下がっているんですけど、これはわりと人を信じていたときです。裏切られたと言うか、任せた仕事をやってくれなかったり、その上でいろいろ言われたりで、落ちました。人間やめたくなって、LINE初期化しました。

 

え!?!?!

 

LINEを初期化するという話自体を聞くのが初めて、淡々と話す黒川くんにそんなダークな一面があったことにも驚きでした。人間らしいというか、なんというか。

 

その後、LINE初期化をしたうえで公演の砂場にスマホを埋めた話まで聞かせていただきました。

 

(いやいや、クセが強すぎないか?)

モチベーションの源泉

【イベント報告】展示×地域「自分のフラッグ(旗)を立てること」福井で仕事をつくる人たちvol.5 ゲスト:黒川拓夢さん

でもやっぱり、何度でも人を巻き込んで作り上げていきたいのはどうしてなのかと問われた、黒川さん。

 

黒川:「成功体験がある、まあ経験してるからかな、と思って。

『これを乗り越えたら、あんなにみんなで楽しいことできる』みたいな。展示会が終わった後とかすごい楽しいんですよね。終わって『よかったー』みたいな。

あれの経験があるからこそ、ちょっと今、辛いけどやってみよう、みたいな。巻き込もう、みたいな、ありますね。」

 

辛くても、しんどくても、何度でも人とやりたいと思える原動力には、圧倒的な成功体験があるからこそ。でもきっとこれは、これまでの黒川さんの積み重ねの賜物だと感じます。

【イベント報告】展示×地域「自分のフラッグ(旗)を立てること」福井で仕事をつくる人たちvol.5 ゲスト:黒川拓夢さん

最後に「福井で仕事を作る意味」を尋ねると、「自分のフラッグ(旗)を立てること」と答えてくれた黒川くん。東京と違って、福井なら旗を立てれば見つけてもらいやすい、と。

 

初めは「どんな人なんだろう?」と謎だらけだった黒川くんでしたが、知れば知るほど静かに熱く、内側からエネルギーが湧き続けている人でした。

人を巻き込み、プロジェクトの波を受け止めながら、淡々とゴールを目指すその姿勢には、マネジメントの本質が詰まっている気がします。

私はどちらかと言えば「人に頼りきる」タイプのプロマネなので、自分とは全く異なる進め方に学びも多かったです。

 

黒川くんが立てる次の旗に、期待大です!ありがとうございました!

 

トークアーカイブ(全編)のご購入について

全編は下記URLからご購入いただけます。ぜひご覧ください!
https://hororijapan.base.shop/

 

今回ゲストと聞き手の感想

黒川拓夢(ゲスト)

普段、私はよくたわいもない話をしすぎて近しい人たちは皆、耳ではなく鼻で聞いている気がします。右の鼻から入って左の鼻から「ふ~ん」という音と共に、私が伝えた情報がそのまま漏れ出ている。そんな感覚です。

それが今回はメインのトークイベントということで、ありがたいことに、最初から自分の話を聴きにきてくださる方ばかりでした。来てくださった方々が、ちゃんと耳から入れて、そのまま頭や心の栄養にしてくれているなら大変嬉しい限りです。

そして、体内に取り込まれたそのが、しっかり消化されて、最後はウン!とスッキリと外へアウトプットされていく日を楽しみにしています。

 

村上なつか(聞き手1)

いや〜〜掘り下げたいことが多すぎて、全然時間が足りなかったです!

共通点もありつつ、似ているからこそ「圧倒的に違うところ」も浮き彫りになり、新鮮な発見だらけの対談でした。

本番前に少女漫画の話題で少し盛り上がっていたのですが、まさか彼の「漫画が9割だった過去」で綺麗に伏線回収されるとは驚きです(笑)。

今回は「仕事をつくる」というテーマでお話しいただきましたが、漫画愛やプライベートな一面にもまだまだ興味津々。

まさに噛めば噛むほど味が出る黒川くん。今回はその魅力の“触り”をようやく知れた気がする、そんな贅沢な時間でした!

 

髙橋駿介(聞き手2)

普段はそんなにハイテンションじゃなく、初めて会った時はクールな人だと思っていた。だけど常に企みを持っていて、メラメラしていて、何か企画の相談を持ち込んでも、こちらの熱量をしっかりと受け止めてくれる分厚い先輩、黒川さん。
これまでほとんどプロジェクトの話しかしたことがなかったので、どうして今の黒川さんになったんだろうという話は僕も初めて聞くことばかり。「なるほどな」と思わされる話も多く、とても楽しい会でした!

「みんなのモチベーションが下がってる時こそ、一番テンションがあがる」
トーク中に飛び出した名言。

展覧会という、決められた答えはなく、何かを伝えるために動く活動、しかも、必ずしも全員がそのためのプロフェッショナルではないという状態なのに、なぜ事が起こり、進むのからその理由が見えた気がしました。

僕にはまだ全然そう思える余裕はありませんが、今の僕にとって非常に重要な視点でした。
旗を立てる、という言葉の通り、何かを始められる人には特有の強みや手法があって、それは同時に旗を立てんとするたくさんの人にとって強力な手助けとなる。そんな機会にできたらと思い始めた企画、今回は僕にとって、とても学びの深い会でした。

 

 

次回のお知らせ

トークシリーズ「福井で仕事をつくる人たち」は、第6回を開催予定です!
今回ゲストが気になる次のゲストを呼び、今回ゲストが聞き手にまわる形でバトンを繋いでいきます。

【イベント報告】展示×地域「自分のフラッグ(旗)を立てること」福井で仕事をつくる人たちvol.5 ゲスト:黒川拓夢さん

第6回目は、2026年7月29日(水)19:00-21:00。ゲストはライター/編集者/グラフィックレコーダーのふるかわともかさん。

トークイベントのお知らせはこちらのインスタグラムで発信して参りますので、どうぞよろしくお願いします!

 

(文:村上なつか、編集:川上真理子)

URL

https://www.instagram.com/uni.kukka/