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面白いことを入口にクリエイティブな文化を耕したい

インタビュー

2021.01.07

名実ともに「モノづくり」No.1の愛知県。産業の将来展望を考えても、自動車だけでなく航空宇宙産業やロボット産業への期待は高く、今後も「モノづくり」の重要なポジションを担うエリアに変わりはありません。そんなモノづくりの中枢でありながら、クリエイティブな文化が立ち上がりにくいと言われる名古屋に、製造業とクリエイティブをつなぐFabCafe Nagoyaがオープン。面白いことを入口にしてクリエイティブな文化を耕したいという、店長兼コミュニティマネージャーの斎藤健太郎さんに話を伺ってきました。

面白いことを入口にクリエイティブな文化を耕したい
FabCafe Nagoya 店長兼コミュニティーマネージャー 斎藤 健太郎さん。
面白いことを入口にクリエイティブな文化を耕したい
2012年に東京渋谷で誕生したFabCafeは、現在、世界8カ国12拠点で展開されており、今年9月にオープンしたFabCafe Nagoyaは、日本で4拠点目、世界12拠点目となります。FabCafe Nagoyaは、久屋大通公園の北側にあります。
面白いことを入口にクリエイティブな文化を耕したい
FabCafeの“Fab”には、“Fabrication(ものづくり)”と、“Fabulous (楽しい・愉快な)”の2つの言葉がかけられています。“Fab”とは、アメリカマサチューセッツ工科大学で立ち上がった概念。もともとは、「ほぼ、あらゆるものを作る方法」という人気講座が体系化されたFabLab (ファブラボ)から生まれたのだとか。

ラボじゃなくって、カフェがいい。
斎藤さんが運営する FabCafeの“Fab”には、
大量生産やマーケットの論理に制約されない“Fabrication(ものづくり)”
と“Fabulous(愉快な、素晴らしい)”
の2つの意味が込められています。

FabCafeは、“Fab”スピリットをおいしく、楽しく、わかりやすく伝え、そして広めていくことを目的としています。

“Fab”の語源になった、マサチューセッツ工科大学(MIT)の“FabLab”も日本各地にあります。ただ、もっとモノづくりのスピリットを分かりやすく伝えたかったのと、経営的な側面でも上手く成り立たせたいという思いがあったのだそう。

そこで、気軽に足を運んでもらいやすいよう、人が集うカフェという場所に工房的な機能を持たせたFabCafe という形態でオープンしました。

面白いことを入口にクリエイティブな文化を耕したい
店内では、オリジナルのキーホルダーやスタンプなど様々なものを作ることができます。
面白いことを入口にクリエイティブな文化を耕したい
店内のカフェスペース。

「現在、カフェにあるデジタル機材はレーザーカッターやUVプリンターなど。アクリルブロックに好きな写真をプリントしたり、コースターに好きなデザインを彫刻したり、自分で何かを作り出せる可能性や楽しさを感じてもらえる Fab体験キットもあります。

若い人からお年寄り、ファミリーまで、ものづくりが好きな人たちが立ち寄って体験されることもあれば、カフェの利用で入店してここで興味を持っていただくこともあります。そうやってオープンに人を招き入れる雰囲気を大切にしていきたいですね。」

クリエイティブを、点から面へ
設計担当としてメーカー勤務の経験を持つ斎藤さん。ものづくりが盛んなこのエリアであっても、クリエイター同士の交流が少ないことに疑問を感じながら、自らはなるべく外へ出て活動の場を持つようにしていたのだとか。FabCafeとの出会いは3年前。東京で行われたワークショップに参加し、大きな衝撃を受けたと言います。

「カフェに入ってみただけでインスピレーションを感じました。オープンな空間だったり、自由にできそうな雰囲気、遊び心のある展示など、ここはクリエイターたちの遊び場だなと。本当にワクワクして、名古屋に作りたいと思いました。」と振り返ります。

「名古屋には芸大が沢山あります。大垣には海外で広く知られるIAMAS(情報科学芸術大学院大学)もあり、大学で面白いことをやっている人って実はたくさんいるにも関わらず、卒業後は東京や海外へ行ってしまう。それはすごくもったいないことで、名古屋でも面白いことができるんだって、「名古屋でも、クリエイティブでメシが食える」って、ここが拠点となって証明していきたいですね。もちろん名古屋に残る人たちもいて、クリエイターのコミュニティはポツポツと点在しています。面白いことや変わったことをやっている人たちは、僕らが思ってる以上にまだまだたくさんいて、そうした仲間たちをつなげて、点から面へと展開していくこともFabCafeの役割だと思っています。」

面白いことを入口にクリエイティブな文化を耕したい
カフェスペースでインタビューに答える斎藤さん。

クリエイティブを、アカデミックに
世界90都市で同時開催され、SDGsの課題にデザイン思考で挑むワークショップ「グローバル・ゴールズ・ジャム(GGJ)」。

その日本での開催を主導していたり、教育への取り組みにも積極的なFabCafe。クリエイティブな発想や思考が課題解決の一助となることを、体験をもって伝えていきたいのだといいます。

斎藤さんは、大学時代には東山動植物園に様々な企画イベントを持ち込んでいたそうで、「飼育員実習」や「小学生がガイドするツアー」など、楽しさの中に大学のアカデミックな要素を盛り込んで好評を得ていたイベントを引き継ぎ、FabCafeでも自然系のイベントを定期的に実施しています。

「先日企画したのは、“想像植物ハンティング!”と題して、自然を観察してその生態を自由に想像し、自分だけの植物図鑑をデザインしてみようというものでした(※コロナの影響により延期)。何が正解とかじゃなくて、自分でデザインすることをシンプルに楽しめるもの。たとえ思ったようにはいかなくても、失敗したくないからやらないのではなくて、失敗から学ぶことも本当に大事なことだと思っていて、それも含めて、子供だけでなく大人だってトライして失敗もできる場所になりたいし、そんな場所だから“何かやりたい”と言える能動性が生まれる場所にもなれると思っています。」

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想像植物ハンティングの告知バナー(※コロナの影響により延期)。

クリエイティブを、産業の力に
日本のモノづくりの中枢を担うこのエリアにこそ、必要とされるクリエイティブがあるはず。製造業とクリエイティブの架け橋となるFabCafeでは、マーケティングイベントやトークセッション、デザイン系ワークショップなど、様々なビジネスイベントを展開していく予定。その中で立ち上がったプロジェクトの成果発表なども同時に行っていくといいます。

「これまでプロジェクトの中には、すでに製品化して市場に出ているものもあります。商品開発に限らず、企業に根づいた小さな文化も変えていかないとという意識を持つ企業も少なくありません。でもなかなか社内では答えにたどり着けなかったり、いろんな人たちと組んでいかないと、複雑化した社会的課題には取り組んでいけないこともあります。

そのためにも、この場を利用して仲間を増やしていってほしいです。僕らが答えを持っているわけではなくて、本当は何が問題や課題なのかから掘り下げて、クリエイティブを使ってビジネス的な解決策を模索してみることです。また、商品の新たな価値を見出すという意味では、Fab Cafe にはMTRL(マテリアル)というサービスがあります。日本にある、ユニークな素材の新しい使い方をクリエイターと考えることで、単なる素材から、新しい価値へと引き上げるということもやっています。」

現在、FabCafe Nagoyaでは持ち込みイベントも受付中。コンセプトや意図、想いに共感できればどんどんやっていくそうです。今後はミートアップをはじめ、講習会や体験会も増やしていく予定。素晴らしい表現に触れたり体験できるよう、最先端でやっている人たちをキュレーションしながら、好奇心を探求する場として、面白いことを共感できる場として、名古屋のクリエイティブを盛り上げていきたいのだといいます。

面白いことを入口にクリエイティブな文化を耕したい
取材当日に行っていた展示「NOIZE ROOM」。「音」を、カタチを作るための素材としてとらえたとき、世界の音色はどんな風に見えるだろう?そこで、各地から集めた音を全身で浸るための個室を展示。中に入り、「ノイズから生み出された形状に触れることで、ノイズとして不必要な情報として処理されてきた音にも、別の意味を見出せるかもしれない。」という試み。
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取材当日、イベント「手描きでおくる心温まる書画カード」にも参加してきました。正しい字形や筆法のない、自由に表現できる「書」の世界を体験しました。書画が初めてでも先生がマンツーマンでアドバイス。数回練習すれば、毛筆特有の味わいあるキレイな線を書くことができます。線が描けたら絵の具で色をつけ、最後に自分の名前を落款風に入れて、オリジナルのクリスマスカードと年賀状が完成。

屋号

FabCafe Nagoya

URL

https://fabcafe.com/jp/nagoya/

住所

愛知県名古屋市中区丸の内3丁目6番18号 RAYARD Hisaya-odori Park FabCafe Nagoya

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