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えちぜん丹南、日常に触れる旅5 / 池田町&鯖江市河和田トライアルツアー

ローカルツアー

2021.04.25

えちぜん丹南、日常に触れる旅と題して、福井県丹南地域のローカルトライアルツアー第5弾を紹介します。アーカイブはこちらからどうぞご覧下さい。

今回は池田町の喫茶店「長尾と珈琲」から始まり、伝統工芸が息づく鯖江市河和田を周遊するトライアルツアーに同行取材してきました!

1.「長尾と珈琲」でスローな時間を

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今回のツアーに参加する3名。初対面ですが、すぐに打ち解けました!

今回ご参加いただいたのはこの3名。富山市から昨年移住してきた、古本屋めぐりが大好きな米田さん。新潟出身でお仕事の異動で福井に移住し、福井で結婚して定住することになった今関さん。福井出身で東京からUターンして家業に従事している石間さん。「福井をもっと楽しみたい!」という部分で共通する皆さん、池田町に来る機会もなかなかないので、「長尾と珈琲」に着いた時点で「もう非日常です!」とテンションが上がっています。

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店内に入るともっと非日常。木の温かみに安らぎます。

「長尾と珈琲」は、大阪から移住してきた長尾夫妻のこだわりが詰まった、珈琲好きとおしゃべり好きが集まる喫茶店。長尾夫妻は減農薬・無化学肥料のお米をつくる「長尾農園」を営んでおり、農閑期や週末だけ「長尾と珈琲」を営業しています。real local福井では以前にも取材したことがありますが(記事リンク)、マスターとおしゃべりができるカウンター席が取り合いで、いつも満席だとか。

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「カウンターが人気すぎて、改装してカウンターを伸ばそう思てんねん」と嬉しそうに計画を語ってくれました。

米田さんが池田町にある「小豆書房」の話をすると「小豆書房さんね、あっちの珈琲の方がうちのより美味しいんとちゃうかな(笑)」など、話を振るとテンポよく冗談を返してくれる長尾さん。

私のことも「黒川さんでしょ、覚えてますよ!前に起業を目指した事業のプレゼンを見に行ってたから。やっとお話しできますね!」と気さくに声をかけてくれます。実は私も友人から長尾さんのことをよく耳にしていて、いつかお会いしたい!と思っていたので、こんな風に言ってくれてジーンときました!

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スイーツ4種類。どれにするか悩む時間も贅沢です。

おしゃべりしながらも、マスターの手元ではアップルパイ、チーズケーキ、アーモンドタルトなど、美味しそうなスイーツが次々とできあがってきます。手際よくスイーツをつくっている様子を見るのも至福の時間です。

「さあどれにしよ?」

「あのー、贅沢に追加料金でいいので2種類食べたいんですけど」

「え~!私もそうしちゃおうかな~」

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出来たてのケーキと淹れたてのハンドドリップコーヒー、そして特製のウッドプレート。

と、ひとりしきりスイーツ選びで盛り上がったら、今回のトライアルツアーのために用意されたウッドプレートに載ってケーキと珈琲が登場。いざ実食!

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さっきまでと打って変わって静かになり、ケーキと珈琲を堪能する一同。美味しいですか?美味しいんですよね?これは取材班もいただかないと!そうしないと取材にならないじゃないですか!いやこれはれっきとした仕事ですから(ビシィッ)。

そんな気配を察してか「皆さんも珈琲飲むやろ?」と、サッと出してくださいました。え、いいんですか?あ、チーズケーキまで。いやあ~お気遣いいただいて申し訳ないです。いただきます~

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香り豊かな深煎り珈琲。カップとソーサーも素敵です。

・・・・・おいしい。ずっとここにいたい。

「うちの珈琲はね、昭和の喫茶店の味。最近流行ってる味も分かってんねん。でもしっくり来いひん」

大阪では喫茶店を3店舗運営していたマスター。メニューや味は基本的に当時のままなのだそうです。

 

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店内では長尾農園で丹精込めてつくったお米「一俵懸命」の販売も。パッケージもかわいい。

 

2.ウッドプレートにオリジナル刻印を入れよう

珈琲とスイーツを堪能した一同はウッドプレートをお持ち帰りして、「長尾と珈琲」を後にし、のんびり風景を眺めながら車で1時間ほど移動。次の目的地である鯖江市河和田(かわだ)を目指します。メガネの生産で有名な鯖江市ですが、実は漆や木工をはじめとした伝統工芸が盛んな地域で、その中でも河和田は工房が集積している町として知られています。

そんな河和田に到着した一同、まずは木製デザイン雑貨専門店の「Hacoa」にお邪魔しました。インテリア用品やキッチン、PC周りのアイテムまで、様々な木工雑貨がそろうお店です。木工の工房でもあり、木にレーザーで文字を刻印してくれるサービスがあります。先ほど「長尾と珈琲」から持ち帰ってきたウッドプレートにオリジナルの刻印をしてもらおう!というシカケです。

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刻印は名前でなくても、文章でもOK。何を刻印してもらおうか悩みます。
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フォントが色々選べるのも嬉しいサービス。

3.河和田で伝統工芸の産地めぐり

受付をしたら、出来上がるまでの間に河和田の伝統工芸産地めぐりをします。河和田は年に1度「RENEW」という、「伝統工芸の作り手たちとつながる体感型のマーケットイベント」が開催される中心地。イベント開催時には全国各地から参加者が訪れることもあって、河和田では普段から一般客を受け入れられるよう、ショップが併設されている工房も増えてきています。

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県外から移住し「河和田の案内人」としても活動する西山ほゆさん。

そんな産地めぐりのガイド役として、「河和田の案内人」でRENEWの事務局としても活動している西山ほゆさんが駆けつけてくれました。「私、河和田のことが大好きで、前のめりに広報してるんです!」と、お手製のパンフレットを配ってくださるほゆさん。

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河和田のことや漆器の基本的なことなどを聞きながら、各ショップを渡り歩きます。

まず訪れたのは、2020年7月に工房の隣にオープンした「土直漆器」さんの直営店。

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土直漆器代表の土田さん。胸に「URUSHI」のロゴ入りパーカーで登場。

漆器と言うと黒と赤の塗りで和食を盛り付けるイメージが強いですが、ここでは現代の食卓に合う、落ち着いた色合いの器やお箸等を展開しています。「これめちゃくちゃ良い!ほしい!」と器の写真を奥さんにLINEする石間さん。

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1793年創業の「漆琳堂」、8代目となる代表の内田さん。

続いて訪れたのは「漆琳堂」さん。土直漆器さんとは別の意味で伝統工芸のイメージを覆すような、カラフルな漆器が店内に並びます。漆の微妙な調合を変えることで様々な色味を表現しているのだそうです。女子から「かわいい~!こういう漆器もあるんですね」と驚きの声があがります。

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「錦古里漆器店」と同居する「TSUGI」のデザイン事務所とショップ「TOURISTORE」。
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TSUGIが手がける、眼鏡の素材を使ったアクセサリーブランドの「Sur(サー)」。

そして河和田を拠点に活動するデザインスタジオ「TSUGI」と、TSUGIが運営する、ショップ・漆器工房・観光案内所・デザイン事務所・レンタサイクルの小さな複合施設「TOURISTORE」。実は私自身、東京から福井にUターンするきっかけの1つとなった思い出の場所です。地元に帰ろうかどうしようか迷っていた時期にTSUGI代表の新山さんにお会いし、「こんな面白い人がいるなら帰ろうかな」と思ったんですよねえ。あの時はありがとうございました。

4.ウッドプレートが完成!

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思い通りの仕上がりに大満足の笑顔。

各お店を巡っているうちに、そろそろウッドプレートの加工ができあがるお時間に。「Hacoa」に戻って受け取ります。奥さんに日頃の感謝を込めて「Thank you」と入れた石間さん。旅の思い出に「本と私と池田町にて」と入れた米田さん。そして取材された記念に「real local」と入れてくれた今関さん。書体やメッセージにそれぞれ個性が出て面白いですね。

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持ち帰って、どんな使われ方をするのか楽しみです。

5.モノを通して人と出会う旅

「今回の旅はウッドプレートや伝統工芸、食などのモノをテーマにしていますが、実は裏テーマは人と出会う旅なんです」と語るJTBの石原さん。

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今回も企画はJTBの石原さん。地域に元からあるものを繋ぎ合わせ、新しい価値をつくります。

「ある地域に観光で訪れても、地域の人と知り合える機会は意外と少ないもので、ガイドブックに載っている観光地を眺めて終わる旅行も少なくありません。決してそれが悪いわけでもないのですが、もし旅行中に地域の人と出会うきっかけが作れれば、『あの人に会いたいからまた行こう』というような、地域のファンになる可能性があります」

実際に「長尾と珈琲」には、長尾さん夫妻とおしゃべりをしに遠くから来るお客さんがいて、そんなお客さん同士も自然と仲良くなっていくような雰囲気がありました。

漆琳堂代表の内田さんも「これからの産地にとっては、観光客に訪れてもらい、作り手と会って話を聞いてもらうことが、とっても大事なんです」と熱く語っていました。

そんな人との出会いを通して、ガイドブックには載っていない体験が広がっていくのもローカルツアーの楽しみ方かもしれませんね。

(テキスト/黒川照太、写真/牛久保星子)