鹿児島県日置市「ESPRE」-表情豊かに
ローカル お店の情報
鹿児島市のお隣、日置市のお店を紹介していくシリーズ。今回ご紹介するのはJR伊集院駅の近くで、独自性の高い創作イタリア料理を提供するレストラン『ESPRE(エスプレ)』です。
地元の旬の食材、そしてその日に入った食材で、自身の持つ最高のパフォーマンスを出す。
ESPREに、固定されたメニューはない。
煮込む、焼く、炙る、茹でる、ムダが省かれたひとつひとつの繊細な動きは、側から見ていて美しさすら感じる。
鹿児島県日置市、JR伊集院駅の近くで、独自性の高い創作イタリア料理を提供するレストラン『ESPRE(エスプレ)』。
店名の由来は、イタリア語で表情や表現を意味するエスプレシオーネ。
オーナーシェフを務める橋口雅宏さんは、「料理を通じて、産地それぞれに持つ食材の味わいを表現したい」と語る。
一般的には、ランチやディナーなどメニュー表があるが、ESPREでは固定化されたメニューがなく、提供するディナー料理はシェフお任せのフルコースのみ。
イタリアなど海外の3つ星レストランでは当たり前のスタイル、と橋口さんは言うが、ここ鹿児島の地方都市では斬新なスタイルだ。
橋口さんの料理は、まず食材の確認から始まる。
手にはいった季節の旬な食材を自身の目や手で確認してから、その日のディナーメニューを決める。
時には、生産者の元に直接足を運び、生産者の想いやこだわり、その全てを吸収しようと、熱心に耳を傾ける。
もちろん仕込みにも一切の妥協はなく、食材の持つ旨味、調理することで引き出される旨味が一番凝縮するタイミングに合わせ、提供できるように逆算し、仕込みを行う。
インスピレーションや感性を大切にしながらも、綿密に計算し尽くされた料理。
「高級レストランとして美味しいのは当たり前。ESPREでしか味わえない特別感を味わってほしい」。
地元鹿児島の食材を扱う中で、より地元の良さを多くの人に知ってもらいたい、料理を通じて地元に貢献したい、という想いが生まれる。
あたためていた構想を友人に打ち明けたところ、共鳴する人たちが一気に集まった。そして生まれたのが『OLIVER LAND』。
子どもから大人まで楽しめる夢の国、を目指し、日置市の協力も得ながら、2018年10月に第1回OLIVER LANDが開催される。日置市産のオリーブを使った、ここでしか食べられない料理を参加店舗が特別開発し、食を中心としたイベントは、予想を遥かに超える約8,000人の来場者とともに活気に満ちた。
そして、2019年には第2回OLIVER LANDの開催。橋口さんが実行委員代表を務めるOLIVER LANDは、回数を重ねるごとにパワーアップし、より魅力的な取り組みへと成長していく。
新型コロナに見舞われた2020年-2021年においては、イベントの中止を余儀なくされながらも、新たな形でOLIVER LANDを楽しんでもらいたいと、自宅でOLIVER LANDが楽しめる『おうちでオリバーランド』を特別企画。
飲食店同士がコラボし、公式オンラインショップを通じて、ここでしか味わえない料理を数量限定にて販売。
2021年10月には、第3回OLIVER LANDの計画がある。
周囲が新しい動きを控える中で、止まらず前に進む橋口さんの原動力。橋口さんは語る。「自分のつくるものを誰かが喜んでもらえる嬉しさに勝るものはない」。
自身ができる最高のパフォーマンスをする。そう語る橋口さんの表情は、前だけを見つめていた。