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山形の安心安全な食材を使用 アレルギー対応離乳食「太陽と月のひかり」/浅野佳織さん

子育て関連情報

2021.06.28

2021年3月、アレルギー対応離乳食「太陽と月のひかり」の販売が始まりました。山形の安心・安全な食材を使い、山形のおいしさと魅力が詰まった離乳食のシリーズです。

本シリーズを立ち上げたのは、keiki li’ili’i(ケイキリィリィ)株式会社の浅野佳織さん。息子さんが重度の食物アレルギーであるというご自身の経験を生かして始めたといいます。現在5人の子育て中の浅野さんに、山形で子育てをする魅力と「太陽と月のひかり」に込める思いをうかがいました。

山形の安心安全な食材を使用 アレルギー対応離乳食「太陽と月のひかり」/浅野佳織さん
浅野佳織さん
子育てに寛容な環境

生まれも育ちも山形市で、21歳で長男を出産しました。その後に4人出産して、現在は15歳、8歳、6歳、2歳、0歳の子がいます。5人の子どもがいるので「子育てのプロだね」なんて言われることもありますが、子育てに正解はなく、勉強を重ねる毎日です。

山形はすごく子どもを育てやすい環境だと思います。私の場合は母親や妹などのサポートもありますが、それだけではありません。山形市は自然が近くて、水も空気もきれいでおいしいものを食べさせられるし、大きな総合病院や遊戯施設もあるし、日常的な買い物に不自由はしないし、すごくバランスがいい。災害が少ないことも大きな安心材料です。

山形の安心安全な食材を使用 アレルギー対応離乳食「太陽と月のひかり」/浅野佳織さん

どこでもスペースがゆったりしているので、子どもたちは家の周辺や公園など自由に走り回ってのびのびと遊んでいます。公共の場で赤ちゃんが泣いたり子どもが騒いでいても「元気でいいね」と微笑みかけてもらえたり、子どもを連れて買い物に行くと「いま何歳?」と話しかけてもらったり。

どこに行っても穏やかな雰囲気があって、子育て世代以外の人もみんなが子どもに寛容です。東京に行った同級生の友達には「地元に戻って子育てしたらいいのに」ってオススメしているんですよ。

山形の安心安全な食材を使用 アレルギー対応離乳食「太陽と月のひかり」/浅野佳織さん

アレルギーの子育て経験

実は5人の子どものうち、4番目の子が重度の食物アレルギーを持っています。このことが「太陽と月のひかり」を始めるきっかけになりました。

生後2ヶ月ころからミルクを飲ませると何度も吐くことをきっかけに、生後10ヶ月でアレルギーが発覚。その後3度のアナフィラキシーを起こし、入退院を繰り返してきました。

特にたまご、乳、バナナのアレルギーがひどく、市販の食品の成分表を見るとかなりの割合でたまごや乳が使われています。世の中に当たり前に流通している多くの食べ物が、この子にとっては危険なものなのだと、愕然としました。

何に反応するのかわからない怖さがあり、結果的に蒸し野菜か白米しか食べさせられない状況で離乳食をつくることに。どうせ制限されてしまうのなら、その中でもより新鮮で良質な食材を、手づくりでより安全に食べさせてあげたいと思うようになりました。

上の子の食事を誤食しないかと注意していたり、成分表をくまなくチェックしたり、とにかく毎日考えることが多すぎて、戸惑いと不安の毎日でしたが、子どものこと、食のことについて考え直す大きな機会になったと思います。

山形の安心安全な食材を使用 アレルギー対応離乳食「太陽と月のひかり」/浅野佳織さん

山形の安全な食品を通して、山形の魅力を発信したい

4番目の子が生まれて少しペースが掴めてきた頃、ふと外を見ると、自分だけでなく同じように悩んでいるお母さんがたくさんいることを知りました。公園で会って話すと子どものアレルギーに悩んでいたり、SNSからもそのような声が聞こえてきたり。

自分が子育てで試行錯誤したこと、そこから学んだことを少しでも伝えられるかもしれないと、離乳食の製造・販売を考えるようになりました。アレルギーの子はもちろん、仕事で忙しかったり、子育てに悩んでいるお母さんが1食分だけでもホッとできる時間を過ごしてもらえたら。少しでもその助けになれるならと、思い切って始めてみることにしました。

山形の安心安全な食材を使用 アレルギー対応離乳食「太陽と月のひかり」/浅野佳織さん
パッケージやパンフレットも山形在住でママ友のデザイナーさんが手掛けたそう。「周囲のたくさんの方のサポートがあって実現することができました」と浅野さん。

こうして2021年3月、アレルギー対応離乳食「太陽と月のひかり」シリーズの販売を始めました。

メニューは、季節のお野菜をふんだんに使ったおかゆをメインに、お野菜のスープや柔らか煮などを出すことも。

使う野菜やお米はすべて山形産で、農薬不使用・化学肥料不使用。私自身がいいなと思う農家さんから直接取り引きさせていただいています。定期的に届く野菜の中から、栄養素や味のバランスをみてメニューを考えて、新鮮なまま調理。山形のおいしさを一袋づつぎゅっと閉じ込めています。

季節感も大切にしているポイントです。市販の離乳食は年間通してだいたい同じものが売られていますが、できれば赤ちゃんにも旬のものを味わってほしいですよね。そのほうがおいしいし、栄養価も高いですから。

山形の安心安全な食材を使用 アレルギー対応離乳食「太陽と月のひかり」/浅野佳織さん

山形の安心安全な食材を使用 アレルギー対応離乳食「太陽と月のひかり」/浅野佳織さん
農家さんの畑を訪ねて、食材を開拓していった。

「大好きな地元・山形の魅力を発信したい」ということも、当初から強く思っていたことです。販売開始から3ヶ月、南は九州、北は北海道まで、全国からお買い求めていただいています。ホームページには生産者のみなさんの情報を記載しています。この商品を通じて、少しでも山形に関心を持ってもらえる人が増えたら嬉しいなと思います。

山形の安心安全な食材を使用 アレルギー対応離乳食「太陽と月のひかり」/浅野佳織さん
調理方法やメニューは、月齢ごとに合わせて4種類に分かれている。専用の工場で調理、放射能検査や細菌の検査を通して「乳児用規格適用食品」として販売。オンラインショップのほか、山形ではスーパーマーケット「256」で購入できる。
子育て世代を応援していきたい

社名は「keiki li’ili’i株式会社」といいます。「ケイキリィリィ」はハワイの言葉で「小さな愛らしい子ども」という意味です。初めてハワイに行ったとき、空と地と海の限りない自然のパワーを感じました。すべてが穏やかで、山形とはまったく違う異国の地だけど、その大地の力強さが地元と似ているなと感じたんです。

会社をつくろうと考えたとき、真っ先に浮かんだのがこの言葉でした。たくさんの小さな愛らしい子どもたちが、私のつくるごはんで元気にたくましく健康に育ってほしいという願いを込めています。

山形の安心安全な食材を使用 アレルギー対応離乳食「太陽と月のひかり」/浅野佳織さん
5ヶ月くらいの月齢のメニューは、流動食として医療的ケア児も食べることができる。今後は、売り上げの一部を山形市の医療的ケア児の施設に寄付していくという。

これからも子育て世代にやさしい会社でありたいと思っています。特に子育て中のお母さんを食の面でサポートすべく、離乳食では引き続き季節ごとにメニューを変えて山形のおいしいものを全国へ届けていきたいと思います。

いつかは山形にお母さんたちが子どもを連れて気軽に来られるカフェをつくってみたいです。「太陽と月のひかり」のコンセプトを、そのまま空間にするイメージです。

子どもの安心安全を一番に考えた離乳食と、母乳に良いごはんや、いつも頑張っているお母さんの心と体を癒せるごはんを提供。子育てに追われてなかなか社会と繋がりを持てない人もいると聞くので、少しでもホッとできる時間を持って、お母さん同士が気軽に話せる。それって私自身も「そんなお店があったらいいのに」と思う場所なんですよね。

まだまだ生まれたての小さな会社ですが、少しづつ実現できたらいいなと思います。

太陽と月のひかり
https://taiyototsukinohikari.com/

「太陽と月のひかり」オンラインショップ
https://shop.taiyototsukinohikari.com/

画像提供:浅野さん
取材・文:中島彩