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【鹿児島県薩摩川内市】川内川と人を結びつけ、目の前にいる人が幸せと感じられる風景を僕はつくっていく

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2021.12.13

【鹿児島県薩摩川内市】川内川と人を結びつけ、目の前にいる人が幸せと感じられる風景を僕はつくっていく

薩摩半島の北部に面し雄大な川内川がまちの中央に流れる薩摩川内市。そこで”川内川と人を結びつける”ための風景づくりを行っている『SOKO KAKAKA』の代表・田尾友輔さんにお話を伺いました。

ランドスケープデザインの道へ

幼い頃から絵を描くことが好きだった田尾さん。空間に対して興味が強かったことや都会への憧れもあり、大学は多摩美術大学へ進学しました。

進学後、選んだ道はランドスケープデザイン。授業でまちあるきやフィールドワークを通して「ランドスケープって面白い。」と思うようになったといいます。

就職は大手の設計事務所へ。しかし、実際の業務は設計ではなく、行政や法人とのやりとりや調整、パソコン作業がほとんど。

現場に入ることができても、案件によっては完成後の様子を見ることができず、クライアントの声を聞くこともできなかったそうです。

「今、自分がやっていることは何なんだろう?」

「設計じゃなくても自分が思い描く風景をつくれる道もあるのではないか?」

 そう思った田尾さんは転職することを視野に行動を起こします。

【鹿児島県薩摩川内市】川内川と人を結びつけ、目の前にいる人が幸せと感じられる風景を僕はつくっていく『SOKO KAKAKA』代表・田尾友輔さん

目の前にいる人を幸せにすること

転機の一つとなったのが、東京・池袋で開催されたリノベーションスクール。そこから感じたのは、目の前にいる人たちを幸せにしようとする強い思いでした。

まちづくりに関する様々な場で出会う人たちをきっかけに目の前の人を喜ばせるための仕掛けやアウトプットづくり、自分自身が携わる部分の幅広さ等、設計事務所では知ることのできなかった新しい視点に気付くことができたと話します。

それまではランドスケープデザインの道を歩む中で、実際に使用する人の喜ぶ顔やその先の光景を見られないことが多く、この先同じ道を歩んでいくかどうか迷いが生じていたそうです。

設計とは違った風景づくりがあると知った田尾さんは、自分が求める“まちづくり”に関する情報収集を積極的にしていきました。

調べていくうちに『リバーフロントマルシェ』(以下:リバマ)に関する記事がヒット。

しかも、地元・薩摩川内市で開催されているとわかり、居ても立っても居られず、リバマを運営している人にコンタクトをとって会いにいくことにしました。

それがリバマとの出会いでもあり、数年ぶりの地元・薩摩川内市との接点となります。

【鹿児島県薩摩川内市】川内川と人を結びつけ、目の前にいる人が幸せと感じられる風景を僕はつくっていく

SOKO KAKAKAに来場したお客さんとコミュニケーションをとる田尾さん

リバーフロントマルシェから見えてきたもの

2017年、薩摩川内市へUターンし、リバマの運営に携わることに。

リバマは「川内川で地元の農家の野菜を農家自身で売るためのイベントを開催しよう」と有志が声を上げたことがきっかけとなり、“食と農業”をテーマにスタートしました。

田尾さんが携わったのは第4回目から。しかし、携わっていくうちに大きな問題に直面することになります。

それは、主催であった農家たちが開催することに負担を感じ開催メンバーから離脱してしまったこと。

その結果、地域の中である程度の知名度と期待値が上がってきていたリバマを継続したいという思いと、開催主旨であった“地産地消”が農家たちの離脱によって意義を失うこととなってしまいます。

そこで田尾さんは、コンセプトをゼロから練り直すことで継続させていくことを選択しました。

「どうして地元の人は川内川に無関心なのだろうか?」

「それって勿体無い。まちの中央に川が流れている場所ってここしかない。」

練り直すうちに次第に湧いてくる疑問や想い。それらをもとに、毎回開催場所として使われていた川内川に対して、これまでになかった価値を見出し“川内川と人を結びつける”ことをコンセプトに込めることにしたのです。

【鹿児島県薩摩川内市】川内川と人を結びつけ、目の前にいる人が幸せと感じられる風景を僕はつくっていく今年のリバマ開催の様子 薩摩川内市内の店舗をメインに多くの出店者が集まりました

川内川と人を結びつける

コンセプトを切り替えた5回目から試行錯誤を繰り返し、リバマは今年で8回目の開催になります。

マルシェが多くの場所で開催されるようになってきた今の時代。その中で、どう差別化を図っていくか考えた結果が今年のリバマで表現されていました。

「僕は川内川という場所にフォーカスしています。だからこそ、それを最大限に活かすためのコンテンツが必要だと考えたんです。」

「例えば、川内川でSUPをしたり、河川敷でボルダリングをしたり。その光景はリバマならではですよね。」

【鹿児島県薩摩川内市】川内川と人を結びつけ、目の前にいる人が幸せと感じられる風景を僕はつくっていく今年のリバマ開催の様子 ボルダリングを子供たちが楽しそうに体験しています

田尾さんはUターン後の経験をもとに今春より新しい挑戦を始めています。川内川河川敷でボート競技団体の倉庫だった場所を活用し『SOKO KAKAKA』の運営を始めることにしたのです。

そこでは毎週末マーケット等が開催され、様々な人が足を運んでいます。

なぜ、そのような活動を始めたのか?

それは、多くの人に川内川に足を運んでもらい、地域の人や訪れる人にとって日常(訪れることが普通である)の風景となるようにするため。

そして、その先に“川内川と人を結びつける”というリバマの経験から生まれたブレない軸に繋がってくると信じているからだと話します。

また、地元の同級生と話しても「川内はつまらない。」と聞いたり、外からはネガティブなイメージを持たれていたりする背景も理由に挙げていました。

「昔、川内川には遊覧船があったり、歴史的にも江戸時代の参勤交代で船で渡る直前の休憩処として、川沿いに茶屋や宿が並んでいたりしたと聞いています。」

「川を軸に商工業が行われていたってことは、昔は川内川と人が結びつくのは日常の風景だったということですよね。だから僕は、そのような日常の風景を自分たちの活動を通して少しずつ広げていきたいです。」

地元の人が川内川を誇り、そこで一人一人が幸せそうに過ごすこと。

それが薩摩川内にとって、そのまちならでは風景になるのではないか。

田尾さんのお話や活動を通して、そのような未来を感じさせる灯を垣間見た気がしました。

【鹿児島県薩摩川内市】川内川と人を結びつけ、目の前にいる人が幸せと感じられる風景を僕はつくっていく

屋号

SOKO KAKAKA

URL

https://soko-kakaka.com

住所

鹿児島県薩摩川内市西開聞町22−15