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山形国際ドキュメンタリー映画祭2019 /フィンランドサウナ出現!?今年の特集プログラムは?

山形国際ドキュメンタリー映画祭2019 /フィンランドサウナ出現!?今年の特集プログラムは?

1010日から、山形国際ドキュメンタリー映画祭2019がいよいよ始まります。30周年を迎える今年も、多彩な上映プログラムとイベントが盛りだくさんです。

なにより今年は、インターナショナル・コンペティション作品等の上映会場である山形市民会館前の広場に、フィンランドサウナが出現します! 1012日(土)から15日(火)まで開放していますので、ぜひ水着を持って遊びにきてください。水着に着替えるのはちょっとという方には、着衣のまま入っていただけるテントサウナもありますのでご安心を。山形の温泉文化とも通じるフィンランドサウナ、ぜひこの機会に体験してみていただけたらと思います。また、ソラリス1では1015日(火)午後1時からフィンランドサウナを舞台に様々な交流が描かれる『サウナのあるところ』の上映もあります。

山形国際ドキュメンタリー映画祭2019 /フィンランドサウナ出現!?今年の特集プログラムは?
『サウナのあるところ』より(C)2010 Oktober Oy.

さらにフィンランドサウナの隣では、ドキュ山マルシェ2019も開催。こちらは1012日(土)から14日(月・祝)まで、時間は午前10時から午後5時までです。ワインや地ビールを楽しめるバーなどもありますので、サウナで気持ちよく汗を流したら、そのまま一杯というのもいいかもしれません。ちなみに毎回恒例、夜10時から始まる香味庵クラブ(香味庵まるはち:山形県山形市旅篭町2-1-5)は、今年ももちろんオープンします。1011日(金)から16日(水)までで、入場料500円でドリンク1杯とおつまみ付き。なくてはならない夜の映画祭の交流場です。こちらもお気軽にどうぞ。

山形国際ドキュメンタリー映画祭2019 /フィンランドサウナ出現!?今年の特集プログラムは?
香味庵での交流のようす(山形国際ドキュメンタリー映画祭提供)

さて、今年もインターナショナル・コンペティション部門アジア千波万波部門には、骨太な作品が出揃いました。これまでに2度、大賞のロバート&フランシス・フラハティ賞を受賞している王兵(ワン・ビン)監督の『死霊魂』や、2015年に審査員を務めた牧野貴監督による『Memento Stella』、2015年に特別賞を受賞した小田香監督の『セノーテ』をはじめ、世界中から集った作品のなかから、インターナショナル・コンペティション部門は15作品、アジア千波万波部門は21作品と招待作品2作品が上映されます。今年も観客のみなさんの投票結果から授与される市民賞がありますので、こちらもぜひご参加ください。

 ◎インターナショナル・コンペティション 上映作品一覧:
 https://www.yidff.jp/2019/program/19p1.html

 ◎アジア千波万波 上映作品一覧:
 https://www.yidff.jp/2019/program/19p2.html

山形国際ドキュメンタリー映画祭2019 /フィンランドサウナ出現!?今年の特集プログラムは?
王兵監督作品『死霊魂』より (山形国際ドキュメンタリー映画祭提供)
山形国際ドキュメンタリー映画祭2019 /フィンランドサウナ出現!?今年の特集プログラムは?
小田香監督作品『セノーテ』より(山形国際ドキュメンタリー映画祭提供)

そのほか、コンペ作品以外にも、山形国際ドキュメンタリー映画祭では様々な特集プログラムがあります。それぞれどんなことをやっているの?と思われている方も多いかもしれませんので、各特集と関連シンポジウムなどについても、駆け足でご紹介したいと思います。山形国際ドキュメンタリー映画祭は、上映後に監督による質疑応答やトークがあり、約300人のボランティアに支えられながら運営している「顔の見える映画祭」。事務局長の日下部克喜さんは、「映画を見て、『さっぱりわかんないな』ということも、香味庵で話をしながらお酒を飲むと、新しい発見があったり。映画は格好の肴です。作品を観るだけでなく、交流の場もたくさんあるのが、この映画祭のずっと変わらないところ」だと言います。ぜひ気になる上映やイベントを見つけていただき、この山形国際ドキュメンタリー映画祭という2年に1度のお祭りに遊びにきてください。

日本プログラム
(会場:ソラリス1
https://www.yidff.jp/2019/program/19p3.html

日本のいまを独自の視点で捉えたドキュメンタリーを紹介する日本プログラム。劇映画で演技が変化していくプロセスを緻密な構成で描く『王国(あるいはその家について)』は2017年に発表した64分版を再編集したものを上映。沖縄戦の深い闇に迫った『沖縄スパイ戦史』では、2013年から連続して本映画祭で作品が上映される三上智恵監督の質疑応答を予定。陸前高田市で長期にわたり震災FMラジオ・パーソナリティーの女性を捉えた『空に聞く』の小森はるか監督は、「ともにある」プログラムで『二重のまち/交代地のうたを編む』も上映します。そのほか、ブラック企業と戦う一人の労働者を追った『アリ地獄天国』、東京の干潟に暮らす男性の80年に渡る人生に向き合った『東京干潟』の計5本を上映。すべての作品上映後に質疑応答を予定しています。

★『アリ地獄天国』(監督:土屋トカチ、2019
 → 11日(金)20:40-22:18上映後に質疑応答あり

★『空に聞く』(監督:小森はるか、2018
12日(土)18:15-19:28上映後に質疑応答あり

★『東京干潟』(監督:村上浩康、2019
 → 12日(土)20:30-21:53上映後に質疑応答あり

★『王国(あるいはその家について)』(監督:草野なつか、2018
 → 13日(日)18:50-21:20上映後に質疑応答あり

★『沖縄スパイ戦史』(監督:三上智恵、大矢英代、2018
 → 14日(月・祝)18:40-20:34上映後に質疑応答あり

 

AM/NESIA(アムネシア):オセアニアの忘れられた「群島」
(会場:山形市民会館小ホール)
https://www.yidff.jp/2019/program/19p4.html

太平洋に浮かぶ島々に焦点をあてた初の特集上映。オセアニアと呼ばれる広大な海洋地域は、20世紀初頭から今日にいたるまで日本および米国の帝国支配を受け、地球上でもっとも植民地化、軍事化の進んだ地域のひとつです。これまで日本と米国によって声を奪われ忘れられ辺境に追いやられてきた土地と人々、その交流を描いた作品群を特集します。一方で、フラダンスの広がりを描く『トーキョー・フラ』のような身近な題材を扱う作品も上映。また、国連気候変動サミットなど世界中で詩の朗読やスピーチを行っている詩人・アーティストのキャシー・ジェトニル=キジナーによる短編作品上映と朗読パフォーマンスなども行われます。

★『トーキョー・フラ』(監督:リゼット・マリー・フラナリー、2019
 → 14日(月・祝)16:25-17:34上映後に質疑応答あり

★キャシー・ジェトニル=キジナー作品集
 → 13日(日)12:20-14:20上映+朗読パフォーマンス&トークあり

 

リアリティとリアリズム:イラン60s80s
(会場:ソラリス1
https://www.yidff.jp/2019/program/19p6.html

世界中で多くの人を魅了し続けるイラン映画。また、緊迫する国際情勢の背景ともいえるイラン革命前後にあたる60年代から80年代の作品の中にその魅力の根源を探ります。幻のアッバス・キアロスタミ作品『第1のケース2のケース』、2003年にインターナショナル・コンペティション部門の審査員も務めたアミール・ナデリの80年代の傑作『水、風、砂』など。ゲストにアミール・ナデリを迎えたトークセッションも開催します。

★トークセッション(ゲスト:アミール・ナデリ)
 → 14日(月・祝)13:10-14:35上映後

★『水、風、砂』(監督:アミール・ナデリ、1989
 → 14日(月・祝)16:00-17:25上映後に質疑応答あり

 

Double Shadows/二重の影2―映画と生の交差する場所
(会場:山形市民会館小ホールほか)
https://www.yidff.jp/2019/program/19p5.html

YIDFF 2015で好評を博した企画の第2弾。本特集では、映画史あるいは映画そのものを主題とし、複数のイメージが重なって響き合う作品を上映します。日本での上映が待望されてきた80年代独裁的政権下のルーマニアが舞台の映画『チャック・ノリス vs 共産主義』や、今年の第72回ロカルノ国際映画祭で最優秀監督賞をまさに受賞したばかりのダミアン・マニヴェル監督作品『イサドラの子どもたち』など多彩なラインアップです。今年1月に96歳で逝去したジョナス・メカスの『富士山への道すがら、わたしが見たものは』には山形県内の風景も登場。開会式後に山形市中央公民館ホールで上映します。

★『富士山への道すがら、わたしが見たものは』(監督:ジョナス・メカス、1997
 → 10日(木)17:15-開会式後上映(会場:山形市中央公民館ホール、入場無料)
 → 15日(火)18:00-20:04上映
 → ジョナス・メカスが、「写真と映画のあいだ」に位置する作品として制作した『フローズン・フィルム・フレームズ』(映画のフィルムから選んだコマを印画紙に焼き付けた作品)を展示します。

 【展示】ジョナス・メカス「フローズン・フィルム・フレームズ」
 日時:11日(金)-15(火)
 場所:山形市民会館小ホール  入場無料

★『さらばわが愛、北朝鮮』(監督:キム・ソヨン、2019
 → 12日(土)14:50-16:19上映後に質疑応答あり

★『イサドラの子どもたち』(監督:ダミアン・マニヴェル、2019
 → 12日(土)19:20-20:44上映後に質疑応答あり

★『ある夏のリメイク』(監督:セヴリーヌ・アンジョルラス、マガリ・ブラガール、2016
 → 13日(日)17:20-18:56上映後に質疑応答あり

 

「現実の創造的劇化」:戦時期日本ドキュメンタリー再考
(会場:山形美術館1
https://www.yidff.jp/2019/program/19p9-2.html

日本にドキュメンタリーという言葉が伝わった当時、作り手たちのあいだで盛んに議論された「現実の創造的劇化」。その多彩な試みの数々から、戦時期日本の映像表現とその今日性を探ります。今年30周年となる本映画祭の原点回帰ともいえるプログラムです。貴重なフィルム上映が中心となっており、テーマごとに専門家のゲストを迎えたトークも予定しています。

★〈現場の呼吸〉12日(土)10:50-12:46
『造船所』(193524分/35mm/監督:ポール・ローサ)
『機関車C57』(194044分/16mm/監督:今泉善珠、京都文化博物館所蔵)
『知られざる人々』(1940/デジタル/12分/監督:浅野辰雄、国立映画アーカイブ原版提供)
 → ゲストトーク:マーク・ノーネス(ミシガン大学教授)

★〈土地と鉄路〉13日(日)13:40-15:50
『白茂線』(19412135mm/演出:森井輝雄)
『トゥルクシブ』(1929/無声/74分/35mm/監督:ヴィクトル・トゥーリン、国立映画アーカイブ所蔵)*バイオリン奏者・鈴木崇さんの生伴奏付
 → ゲストトーク:フィオードロワ・アナスタシア(ロシア国立研究大学准教授)

★〈生活を撮る〉14日(月・祝)10:50-12:48
『住宅問題』(193515分/35mm/監督:アーサー・エルトン、エドガー・アンスティ)
『医者のゐない村』(194013分/35mm/監督:伊東寿恵男、国立映画アーカイブ所蔵)
『農村住宅改善』(194120分/16mm/監督:野田真吉/戦後公開版、国立映画アーカイブ所蔵)
『或る保姆の記録』(194137分/16mm/監督:水木荘也/戦後公開版、国立映画アーカイブ所蔵)
 → ゲストトーク:岡田秀則(国立映画アーカイブ主任研究員)

*バイオリン奏者・鈴木崇さんの生伴奏
『流網船』(1929/無声/48分/16mm/監督:ジョン・グリアスン)
 → 13日(日)上映
『トゥルクシブ』(1929/無声/74分/35mm/監督:ヴィクトル・トゥーリン、国立映画アーカイブ所蔵)
 → 13日(日)上映

 

ともにあるCinema with Us
(会場:山形美術館2
https://www.yidff.jp/2019/program/19p7.html

特集としては初の日台国際共同プログラムです。今回は、東アジアの中でも頻繁に自然災害に襲われ、原発という災害の火種を抱えたこの日台両地域において、長期にわたり現場に入って記録を続ける映像記録者の仕事に改めて注目します。人間と自然の関係が劇的に変容しつつある現在、災害映像記録の重要性とその文化的意味を考えます。また、上映作品の監督やその他ゲストが参加するディスカッションも企画しています。

 → ★ディスカッション詳細
 災害とともに生きる
 日時:15日(火)15:30-18:30 
 会場:山形美術館2
 ゲスト:林木材(台湾国際ドキュメンタリー映画祭プログラム・ディレクター)、黄淑梅(映画監督)、小森はるか(映像作家)、相川陽一(社会学・同時代史研究者)、門林岳史(メディア論・表象文化論研究者)
 司会:細谷修平(美術・メディア研究者)

 

やまがたと映画
(会場:山形美術館12、山形まなび館、フォーラム3

開催地にして発信地である創造都市〈山形〉を多様な視点で検証する「やまがたと映画」。本映画祭第一回開催の奮闘を記録した映画『映画の都』と、転換期を追う『映画の都 ふたたび』を通じて30年の歴史をふりかえります。2000年に山形でおこなわれた舞踏家・大野一雄の舞踏映像の初上映や、川口隆夫による、大野一雄にインスパイアーされたダンスパフォーマンス「大野一雄について」も予定。そのほか、新庄にあった日本唯一の雪害研究所を映像と証言で探る『雪国』上映とトークのほか、県教育センター秘蔵の16ミリフィルム上映や、県内映画館に関する貴重な資料展示、伝承文化の映像上映などがあります。

★『やまがた舞子 受け継がれる伝統芸能』(監督:佐藤広一、2019
 → 11日(金)15:00-17:00 トークあり(ゲスト:佐藤広一、やまがた舞子)会場:山形まなび館

★『雪国』(監督:石本統吉、1939
 → 12日(土)13:45-16:15 トークあり(ゲスト:結城登美雄〈民俗研究家、作家〉、成瀬正憲〈知日舎代表〉、高橋伸一〈農家、工房ストロー代表〉 司会:黒木あるじ〈作家〉) 会場:山形美術館1

★『世界一と言われた映画館』(監督:佐藤広一、バリアフリー日本語字幕・副音声版)
 → 14日(月・祝)17:00-18:07上映後に質疑応答あり 会場:山形まなび館

★『映画の都 ふたたび』(監督:飯塚俊男、2007
 → 14日(月・祝)18:15-20:45上映後に質疑応答あり 会場:山形美術館1

 → 展示詳細
(1)やまがたと映画館
日時:11日(金)-16日(水)10:00-17:00
会場:山形まなび館  入場無料

(2)『大野一雄&元藤燁子舞踏の会』(2000年)ループ上映
日時:11日(金)-16日(水)10:00-17:00
会場:山形まなび館1F多目的ルーム前  入場無料

 → シンポジウム詳細
(1)イメージの時空間 映像アーカイヴの多角的展開にむけて2
 日時:12日(土)10:30-13:00
 会場:山形美術館2
 パネリスト:アリバム・シャム・シャルマ(映画監督)、タルン・バルティア(映画監督)、ジョン・トレス(映画監督)、とちぎあきら(フィルム・アーキビスト)
 司会:北小路隆志(映画批評家、京都造形芸術大学教授)

(2)新たな創造都市拠点設立へ向けて
 日時:13日(日)13:00-15:30
 会場:山形まなび館1F多目的ルーム  入場無料
 パネリスト:岡島尚志(国立映画アーカイヴ館長)、石原香絵(映画保存協会代表)、真喜屋力(沖縄アーカイヴ研究所代表)
 司会:加藤到(東北芸術工科大学映像学科教授)

 → イベント詳細
(2)ホームムービーの日 in YIDFF 2019
 山形国際ドキュメンタリー映画祭2019に参加するゲストや関係者が持ち寄る8ミリフィルムを上映します。
 日時:15日(火)16:00
 会場:フォーラム3  入場無料

 

春の気配、火薬の匂い:インド北東部より
(会場:ソラリス1、山形美術館1
https://www.yidff.jp/2019/program/19p9-3.html

インド本土と幅わずか22キロの細長い土地でつながるインド北東部。地理的には文明伝承の架け橋でもあるこの地の作品を通して、ポストコロニアル国家と地元映像制作者たちとの攻防と対話を体感する特集です。1010日、まさに本映画祭開催と同時期に、史上初のインド北東部視聴覚アーカイブが創立となります。笹川平和財団の協力により山形ドキュメンタリーフィルムライブラリーとの連携も予定されており、13日には「インド北東部ドキュメンタリー辺境が主役になる時」と題した関連シンポジウムが開催されます。

 → ★シンポジウム詳細
 インド北東部ドキュメンタリー辺境が主役になる時
 日時:13日(日)10:00-12:19
 会場:ソラリス1
 ゲスト:ピンキー・ブラフマ=チョウドリー(『秋のお話』監督)
    ハオバム=パバン・クマール(『浮島に生きる人々』監督)
    モジ・リバ(『新しい神々に祈る』監督)
 司会:タルン・バルティア(『めんどりが鳴くとき』『禁止』監督)

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※ 映画祭の情報は、公式ホームページ(https://www.yidff.jp/home.html)のほか、公式ブログ「ドキュ山ライブ!」(http://www.yidff-live.info/で随時発信していますので、ぜひチェックしてみてください。

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