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ミャンマーから山形へ。医療技術で祖国を救う

2020.03.16

ミャンマーから山形へ。医療技術で祖国を救う

医師のMyo Min Lattさんは、ミャンマー第3の都市マンダレーから、医療技術を学ぶために山形市に来た。

まずは2017年の夏に3ヶ月間滞在し、2019年の4月からさらに1年間の短期移住。Myoさんは医師歴11年で、整形外科分野のなかでも過酷な分野とされる脊椎外科を専攻している。

マンダレーの脊椎外科医の先生と山形市の東北中央病院(公立学校共済組合 東北中央病院)の脊椎外科医の先生とのつながりから、マンダレーで急務とされる脊椎外科手術の技術習得のため山形市に来ることになった。帰国まで1ヶ月をきった忙しい合間をぬって、インタビューにこたえてくれた。

山形に来てからはひたすら病院とドミトリー(寮)を往復する毎日だったが、このまちはとても静かで治安もよくて、研修や勉強に集中することができたとMyoさんは話す。

同僚の先生たちの案内で山寺を訪れたり、病院近くの馬見ヶ崎川で芋煮を体験したり、そしてマンダレーでは雪が降らないので、雪国暮らしも貴重な経験だったという。異例なほどに積雪が少なかった今シーズンだが、雪初心者としてはちょうどよかったと山形の冬を振り返っていた。

ミャンマーから山形へ。医療技術で祖国を救う
山寺にて。仏教の国ミャンマーでは山の上にお寺があるのが珍しくない。山寺はMyoさんにとって親しみが持てる場所だったという。

平日は朝から夜まで病院で研修と仕事に励み、週末は奥さんと一緒に山形駅方面まで食料や日用品の買い物に行くのが習慣だったという。ドミトリーから山形駅まで行きは約1時間をかけて歩き、帰りはバスに乗るというルーティーンで、歩くモチベーションのひとつは文翔館に立ち寄ることだった。

文翔館について語る様子がいきいきしていたので、「建築が好きなのですか?」と聞いてみたところ、高校生まで建築家という職業に憧れた時期もあったという。言葉も通じない異国の地山形で日々病院にこもり、研修に励むMyoさんにとって、文翔館は癒しの空間だったのかもしれない。

「文翔館は本当に美しい建築物ですね。敷地内の庭もていねいに手入れされて春には花が咲き、冬には雪が降り、季節ごとに違う印象になります。長い歴史を経てこの建物が残っていることに感謝します」

ミャンマーから山形へ。医療技術で祖国を救う
何度も立ち寄った文翔館。奥さんのLai Yee Monさんと。

マンダレーでは、整形外科(骨の治療)を専門とする国立病院につとめている。Myoさんが、整形外科の分野の中でも脊椎外科を専攻したのには理由があった。

人口214万人の大都市マンダレーだが(人口でいえば山形市の5倍以上)、なんと脊椎外科手術ができる医師はたったの2人しかいないという。つまり患者に対して圧倒的に医師の数が足りていない切実な現状があるのだ。さらにMyoさんの妹も結核性脊椎炎になり一時期は歩けなくなってしまった経験もあった。山形市で懸命に医療技術を習得して、Myoさんはマンダレーで脊椎外科手術ができる3番目の医師となり、これから多くの患者を救っていく。

インタビューの冒頭で「山形でどんな場所に行きましたか?どんなことが楽しかったですか?」と質問をすると、Myoさんからはいくつか控えめな返答があり、いい答えが浮かばないと申し訳なさそうにさえしていた。

話を聞き進めるとMyoさんの祖国の医療事情や山形での多忙な生活が見えてきて、そんな呑気な質問をした自分が恥ずかしくなった。祖国の患者を救うために、大きな使命を持って山形に来た。Myoさんにとって、多くのものを背負った1年間の山形滞在だった。

「この山形ライフはぼくの人生を変えました。帰国後は脊椎外科手術ができるようになって、たくさんの患者を救えるようになります。

山形の同僚や先生たちには本当にたくさんお世話になりました。まるで兄弟のように親身になって医療のことを教えてくれたし、山形暮らしもサポートしてくれた。またみなさんに会いに山形に戻ってきたいと思います」

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