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穏やかな休日のための音楽2

2021.02.07

 前回紹介したアグスチン・ペレイラ・ルセーナは、アルゼンチン人でありながら、ブラジル音楽に魅入られ、強い影響を受けたアーティストです。そして今回紹介するベト・カレッティ(Beto Caletti)も、アグスチンと同じようにブラジル音楽を志向するアルゼンチン人で、現在までに2回の山形公演を行っています。

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ベト・カレッティは、1967年にブエノスアイレスに生まれた、シンガー・ソングライターでギタリスト。ブラジル音楽に深く傾倒し、ブラジル音楽の調査、作曲、演奏に長年携わり、中南米はもとより北米も含め多くのステージで演奏をしてきました。また、カルロス・ロペス・ブハルド音楽院で音楽教育を受けた後、ラプラタ国立大学では、ブラジルのリトミックとギターを教えており、ギターの教則本も出版しています。

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またアグスチン・ペレイラ・ルセーナとは師弟関係にあり、しばしば共演もしています。2009年にはベト・カレッティと2人でブエノスアイレスのジャズクラブで行った、「アントニオ・カルロス・ジョビンへのトリビュート」が好評を博しました。

アルゼンチン出身ながら、彼の音楽はボサノヴァやサンバ、そしてショーロを消化吸収し、さらにアルゼンチン的な叙情をも内包した洗練を極めたものであり、ブラジル大衆音楽(MPB:Música Popular Brasileira)の系譜を正統に受け継ぐ音楽家として認められています。ブラジル音楽の重鎮イヴァン・リンスは、「僕はすっかり、この才能に溢れたアーティスト、ベト・カレッティのファンになってしまったよ。彼の音楽、それはここブラジルで名声を得る幾多のミュージシャンよりも、はるかにブラジル音楽そのものだ。もし君が聞いて、そう思わないようなら僕に言ってくれ。」と称賛を惜しみません。

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イヴァン・リンスと

我々が彼の音楽を知ったのは、2004年のこと。パーカッショニストの安井源之新さんの「F O N T E」のライブの時に、かっこいい音源があるからということでそのディスクを聴いてみると、すぐに魅了されてしまい、そのライブ前後のB G Mに使用させて頂きました。それがベト・カレッティのアルバムだったのです。以来我々もすっかりベトのファンになってしまい、彼のアルバムを集めていました。そして翌年彼の日本での正式デビュー盤となった3rdアルバム 「エスキーナス ~街角」 発表後に、初来日ツアーが行われることになりました。

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初来日ツアーについて、実は我々は全く知らなかったのですが、ツアーの少し前のある日、我が家に誰からかもしれぬファックスが流れてきました(後日招聘元の方からと判明)。ベトの来日ツアーのインフォメーションで、馬鹿な我々はすぐに参加可能な日の申し込をしました。当日幕張のイクスピアリの会場は、まだ知名度の問題で客席はまばらでしたが、そのおかげで終了後のサイン会ではベトとゆっくり話ができました。そして次回来日する時はぜひ山形でも公演を、というお願いをすることができたのです。その結果2006年と2009年の2回、山形での(於:山寺風雅の国馳走舎)公演が実現したのです。

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また2009年の公演の翌日には、ブラジリアン・ギター・ワーク・ショップも開催していただきました。ベトはギターをほとんど持たず、主として太鼓を抱えギターのワークショップというより、ブラジル的なリズムをどう捉えるかという、ベトらしいユニークなテーマでした。彼は教える事にも非常に熱心なのです。

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さて今回取り上げるのは、彼の最初の日本公演に先立って2005年にリリースされた「エスキーナス~街角」というアルバムです。彼の魅力が過不足なく封じ込まれた傑作だと思います。推進力のあるリズム、切なく色気のある歌声、繊細でいて躍動するギター、そしてアルゼンチン人らしい少しウェットで親しみやすい旋律に、ブラジリダーヂ(ブラジルらしさ)と自身のアイデンティティが表現されています。穏やかな休日にぜひ聴いてほしいアルバムです。

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