real local 山形作家・マイケル・ウー のこと - reallocal|移住やローカルまちづくりに興味がある人のためのサイト【地域情報】

作家・マイケル・ウー のこと

地域情報
2025.10.05
作家・マイケル・ウー のこと
マイケル・ウーの作品より

===

私とマイケル・ウーの出会いは石川琢弥君と他の作家の3人展の時でした。

石川君の親友であり画友で、彼の評論はとにかく的確で面白いのでぜひ紹介したいという事でした。当時の展示はギャラリーからバス停が見えたのですが、彼が乗ってくるはずのバスが停まるのを見ていたら全く彼は降りてきませんでした。そして数時間遅れでやってきた彼は飄々と「買い物していたら、後ろでバスの音が聞こえてバスが行ってしまったんですよ。結局タクシーで来ましたわ」と関西弁で悪びれもせず言っていたのが昨日のことのように思えます。

そんな出会いでしたが、その時の3人展の参加作家の作品をじっくりと作品を見ながら彼は何やら解説を始めます。お手並み拝見ということで聞いていると作家と話すこともなく作品を見てその作家の本質を的確に見抜いていくじゃないですか!これには驚きましたが、一番驚いたのはその時初めて会った参加作家だったんじゃないでしょうか。「なんでこの人は作品をちょっと見ただけなのに私以上にわかっているんだ」と言いたげなその作家の顔は今でも忘れることができません。それまで悩んでいた表情は嘘のように晴れやかになり、展示中にも関わらず今すぐ帰って作品を作りたそうな勢いでした。

そんな彼とも昨年あたりから一緒に展示する機会も増えだんだんその人となりもわかってきました。その舌鋒の鋭さはキュレーターや評論家向きかと思っちゃいます。現にその辺のエセ評論家やキュレーターよりよほど面白い。しかし、彼はあくまでも1作家として真摯に作品と向き合う日々を選んだようです。

それほど多くは彼の作品を見たわけではありませんが、全く無名の新人がこれほどまでに考え抜かれた作品を作っているのは驚きと共に勿体なさを感じます。

現在彼は山形市在住ですが、実は彼の嫁共々山形には縁もゆかりもありません。夫婦で完全な移住組です。たまたま山形に旅行に訪れたときにいい所だなと思ったそうです。そんな彼に山形の良さについて聞いたことがありますが、彼は「山形は面白い人の確率が他のところより高いんです!」と答えていました。私にはわかりませんが。

彼の言葉で最も印象的な一言です。

「僕の作品は誰よりも面白い」

今後の彼の活躍に胸躍らせてしまわずにはいられないですね。

(S&T art 上村哲也)

===

作家・マイケル・ウー のこと

2人個展
 石川琢弥『できない事』
 マイケル・ウー『わたしの体は環境、わたしたちの脳みそは世界』

会期 10月7日(火)〜10月19日(日)
   11:00 〜 19:00  *最終日のみ17:00まで
   *10月12日(日) 14:00 〜 特別企画『河添 剛 × 石川 琢弥 × マイケル・ウー トークセッション』
会場 The Local TUAD ART GALLERY and famAA
     〒990-0043 山形県山形市本町1-5-19  TEL: 023-615-8099
参加作家 石川 琢弥、マイケル・ウー