【イベント報告】宿×地域「止まり木のような存在でいること」福井で仕事をつくる人たちvol.7 ゲスト:高山祐香さん
「福井で仕事をつくる人たち」は、福井各地に根を張りながら、地域に必要なものや動きを試行錯誤してつくり、仕事として続けようとしている人を招くトークイベントです。前回の記事はこちらからご覧いただけます。
全12回(予定)のうち折り返しを迎えた第7回は、2026年9月22日に開催。今回聞き手を務めた、ふるかわともかが開催レポートを担当させていただきます!

【ゲスト】
・高山 祐香|合同会社YAWNYAWN 代表社員
1995年生まれ、福井県越前市出身。 駒澤大学経済学部卒。在学中はオーストラリア・マルタへ語学留学を経験。新卒で株式会社星野リゾートに入社、星のや富士(山梨県富士河口湖町)にて3年半勤務。ホテル業務のノウハウを学ぶ他、レストランマネージャーや企画開発に携わる。2023年にゲストハウス開業のため福井へUターンし、2024年9月に空き家をリノベーションしたguesthouse YAWNYAWNを地元越前市に開業。カフェバーを併設し、地域の方の憩いの場としてオープンな場所を提供。また不定期でイベントも開催。現在は一児の母として絶賛子育て奮闘中
【聞き手】
・ふるかわ ともか|ライター/編集者/グラフィックレコーダー
1995年生まれ、福井県越前市出身。大阪大学人間科学部卒業。新卒で保険会社に入社し、全国転勤を経験した後、2020年に福井へUターンして独立。現在は福井を拠点に、ライター/編集者/グラフィックレコーダーとして活動中。ときどき季節の農業アルバイトもしている。フットワーク軽め。 趣味は、まち歩き、温泉、食べること。文章やイラスト、写真を通して地域の魅力や楽しみ方を発信するのが好き。防災士、FP2級。
・髙橋 駿介|PLAY CITY 理事/合同会社LIGHT HOUSE 代表社員
1996年兵庫県生まれ。2016年大学進学を期に福井へ引っ越し。坂井市三国町にて茶ノ下旅館の経営、湊ノ芸術祭共同主催、また福井市中心市街地の古ビル運用委託や各地で設計デザイン業務を行う。

今回のテーマは、「ゲストハウス×地域」。ゲストにお呼びしたのは、合同会社YAWNYAWN 代表社員の高山祐香さん!地元が近く、同じ高校の1つ下の後輩です。お互い双子という共通点もあります。
地元の越前市で「たけふまちあるき」というまち歩きイベントを一緒に企画・運営するなど、普段から接点はあるものの、「ゆかさんの人となりについて意外と知らないかも!」と思い、ゲストとしてお声がけさせていただきました。
ゆかさんのゲストハウス開業前のこと、学生時代やホテルマン時代のエピソード、地元への想い、地域で場を持つことなど、いろいろ深掘りして聞けたらと思います!
地元・越前市にゲストハウスをオープン!

トークの前半は、ゆかさんが経営する宿の紹介や、これまでの経験についてお話しいただきました。ゆかさんが2024年にオープンしたguesthouse YAWNYAWN(ヨーンヨーン)は、空き家を改修したゲストハウス。宿自体がとてもかわいいのはもちろん、「日常からほんの一歩離れて、ついついあくびが出てしまうほどリラックスできる空間」というコンセプトがとても素敵!「LISTEN」「WATCH」「TALK」の個性ある3つのお部屋に泊まれます。
ハピラインふくいの武生(たけふ)駅や、福井鉄道の駅から歩いて5分ほどと、とても便利な立地。こちらのサイトに、以前取材させてもらった記事が載っているので、ぜひご覧ください!
https://www.fuku-e.com/fukutabi/detail_557.html
地元の越前市に、友人が来たときにおすすめしたい宿ができて本当にうれしいです。
大学のゼミ活動がゲストハウス開業の原点

続いて、PLAYTALK番外編「福井で仕事をつくる人たち」でおなじみとなった、人生グラフのお時間です。人生のどのタイミングで幸福度が高かったか、どのタイミングで挫折があったのかがひと目でわかるグラフです。
学生時代に卓球部に所属していたというのはなんとなく知っていたのですが、中学時代に部活のキャプテンや生徒会副会長をしていたこと、大学受験で挫折したエピソードなど、全然知らなかったことがたくさんありました。
心理学系の大学を志望していたゆかさんですが、紆余曲折を経て経済学部に進学。ゼミやボランティアサークルの活動などでまちづくりに携わったことで、地域に関わる楽しさを知り、将来地元でゲストハウスを開業したいと考え始めたそうです。私は心理学系の大学に進学し、ボランティアサークルに所属していたので、またしても共通点が見つかりました。
ゆかさんは就職活動の時期には自分に自信がなかったそうですが、休学してオーストラリアに留学したことで、周りと比べなくていいんだと気づき、少し楽になったというエピソードも聞くことができました。
新卒で星野リゾートに入社し、山梨の「星のや富士」で3年半勤務。入社時点から、5年で辞めると決めていたそうです。上司が「若いうちは自分にたくさん課金しなさい」と言ってくれる環境や、若手社員でも手を挙げればどんどん仕事を任せてもらえる環境だったと聞き、「私とは全然違う社会人生活を送っていたんだな」としみじみ思いました。星のや富士、いつか泊まってみたいです。
情緒不安定な開業準備

3年半星野リゾートで働いた後、ゲストハウスを開業したいと福井にUターンしたゆかさん。開業準備中は、不安と焦りで情緒不安定だったそうです。不安すぎて、深夜に大工さんに「本当に宿ができるのか」と長文のLINEを送ったというエピソードも。開業前のことは詳しく知らなかったけど、「収入もないし、初めてのことで不安になるよねー!」と思いました。同年代である私は、そこまで大きなリスクを背負って生きていないので、本当にすごいと思います。
そして、2024年秋にゲストハウスがオープン!当時、家から近かったので、泊まる機会はありませんでしたが、カフェ&バーにはときどきおじゃましていました。地元の常連さんや遠方から来たゲストと楽しそうに話すゆかさんを見て、ホスピタリティのすごさを常々感じていました。
さらに、ゲストハウス開業からたくさんのコラボイベントを開催したりと、エネルギッシュに活動。2026年に入ってからは、出産、運営体制の変更を経て、今に至ります。ゲストハウスの近くに2棟目の宿も開業準備中だそう。子育てをしながら宿を運営するゆかさん、本当にすごいバイタリティだと思います。
ゆかさんは「土の人」、私は「風の人」?

ヨーンヨーンを「武生を訪れるきっかけになる宿へ」と考えているゆかさん。私もゆかさんも武生という地域に対して思い入れはあるけれど、アプローチの角度が全然違うように思います。ゆかさんは、地域密着で場を持ってみなさんを迎えてくれる、地元に根ざした「土の人」。それに対し、私は武生に入ったり出たりしながら、外から人を連れてくる「風の人」のような関わり方。得意分野が違う分、一緒に活動していてすごくバランスがいいなと思います。
「たけふ祭り」のような地域イベントの運営に携わるなど、地域にどっぷりと根を下ろして活動しているゆかさんに拍手👏
「たけふまちあるき」&マップで武生の魅力を発信!


ヨーンヨーンのある越前市の武生エリアは、かつて越前国府や府中城があった歴史のまち。昔ながらの建物がたくさん残っていて、お寺が多く、石畳の道もあります。飲食店はもちろん、和菓子屋さん、お茶屋さん、八百屋さん、酒屋さんなどの個人商店がたくさんあって、まち歩きにぴったりなまち。しかし、車社会の福井では、みんな武生のまちなかを素通りしてしまうんです。
以前から、双子の妹と2人で、「武生で何かやりたいよね」と話していたものの、拠点もないしどうしようか…と悩んでいたタイミングで、ゆかさんがゲストハウスを開業!パズルの足りなかったピースがばちっとハマったような感覚がありました。
私と妹がヨーンヨーンのホームページのモデルをした際に、初めましてだったのですが、初対面のときから、「武生で一緒に何かやりましょう」という話に。「20〜30代の人が武生を歩きたくなるような、まち歩きマップを作りたいね」という話をきっかけに、「自分たちだけでリサーチするのはもったいない!」ということで、まち歩きイベントを開催するに至りました。
2025年1月に始まった「たけふまちあるき」は、これまで4回開催。記念すべき5回目を11月末に開催します。このタイミングで、たけふまちあるきマップも、ようやくお披露目できそうです。楽しみ!
詳細は「たけふまちあるき」のインスタグラムをご覧ください!
https://www.instagram.com/takefu_machiaruki/
止まり木のような存在でいること

最後に、「あなたにとって、福井で仕事をつくるとは?」という問いを。ゆかさんの答えは、「止まり木のような存在でいること」。ゆかさんは、「日常から離れて、ほっと一息つける場所を用意してお待ちしています」と話します。私のような、普段から各地を漂っているタイプの人間にはとてもうれしい言葉で、帰ってくる場所を用意してくれたゆかさんに心から感謝しています。

とってもキュートな、ゲストハウスヨーンヨーンのショップカード。トーク会場のPLAYCEにも置いてあるので、気になった方はぜひチェックしてみてください!

最後に、運営&登壇者で記念写真を。ありがとうございました!
トークアーカイブ(全編)のご購入について
全編は下記URLからご購入いただけます。ぜひご覧ください!
https://hororijapan.base.shop/
今回ゲストと聞き手の感想
高山祐香(ゲスト)
改めまして、合同会社YAWNYAWN代表社員の高山と申します。
今回ふるかわともかさんからバトンを受け取り、PLAY TALKに登壇させていただきました。まず大変貴重な経験をさせていただきありがとうございました!
正直、このお話をいただいて資料作りをする中でとても悩みました。
というのも、guesthouse YAWNYAWNを開業しようと思ったきっかけやプロセスについてはこれまで有難いことに何度か人前でお話しさせていただくことがあり、だんだん話慣れてきたなという感覚がありました。
ただ、「人生グラフ」を作ることにおいてはそんな人様の前で話すほど為になるというか、語弊を恐れず言うとたいした人生じゃないのでは…?という不安要素がありました。
それと同時に、なんとなくこれまで避けてきた自分と向き合う、過去のトラウマを克服する作業をついにやらなくてはいけないなと。
自分をあえて良く見せることはせずにありのままの自分と向き合ってみよう、という覚悟を勝手に持ち、PLAY TALKに挑みました。
実際講演が始まると、資料作りの中では思い出せなかった感情や記憶を高橋さんとふるかわさんがどんどん掘り出してくださり、講演が進むにつれて私自身が軽くなっていく感覚になりました。
また、当初悩んでいた「たいした人生じゃないのでは」という思いに対しては、「当たり前じゃん!」と割り切れたというか…
だからこそ自分がやっていることは特別な、選ばれた人が行うような事ではなく、YAWNYAWNの活動や想いを身近に感じてもらえる材料になり得るのかもな、と話しながらポジティブに捉えることができるようになった気がしています。
与えることばかり考えてしまっていましたが、逆にいただいたものが多い2時間でした。
ふるかわさんと改めて武生の話をできたことも嬉しかったです。
ご来場いただいた方々にとって、少しでも明日からの人生が少し身軽になってもらえると嬉しいです。
いつでもYAWNYAWNでお待ちしています。
ありがとうございました!
ふるかわともか(聞き手1)
ゆかさんの知らなかった一面をたくさん知ることができたトークでした。同じ武生というエリアで活動しながらも、地域への関わり方ががらりと違う私とゆかさん。ゲストハウス開業前の不安エピソードや、なぜ地元でゲストハウスを始めたのかなどをじっくり聞くことができて、ゲストにお呼びできてよかったと思いました。このトークを機に武生に興味を持ってくださった方、ぜひヨーンヨーンや「たけふまちあるき」にも遊びに来てくださいね!
髙橋駿介(聞き手2)
外に出ていくパワーがあること。外の世界を知り、自分が関わり得る場所を見つけられること。そして、できるかどうか、本当のところは分からないけれど、なんとなくできるんじゃないかと、良い意味で勘違いして始められてしまうこと。やると決めたら、最後まで実行し切ること。
事を起こす人らしさに溢れた動きが、これでもかというほど詰まっていて、YAWNYAWNの完成度の高さやパワフルさにも納得がいきました。
もうひとつ、非常に興味深かったのが、「福井で仕事をつくるとは?」という運営からの問いに対していただいた言葉でした。
「止まり木のような存在でいること」
あまりにカッコいい。でっかくて、あたたかい。
「仕事をつくる」という問いに対して、「存在でいること」と返す。
僕にはまだ言えないし、その意味を完全に理解できたかと言われれば、正直分からない。それでも、こんな言葉をいつか自分も心から言えたらなと思いました。
そろそろ、自分ならなんて答えるだろうかと考えないと。
次回のお知らせ
トークシリーズ「福井で仕事をつくる人たち」は、第8回を開催予定です!
今回ゲストが気になる次のゲストを呼び、今回ゲストが聞き手にまわる形でバトンを繋いでいきます。

第8回目は、2026年11月10日(火)19:00-21:00。ゲストは小浜市地域おこし協力隊・安間七菜さんさん。
トークイベントのお知らせはこちらのインスタグラムで発信して参りますので、どうぞよろしくお願いします!















