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全国から観客が集う、濃ゆ~い映画祭

カナザワ映画祭2015 9月19日(土)~23日(水・祝)

※終了しました。

街の文化度は、その多様さと比例する―…。今年で9回目を迎える「カナザワ映画祭」は、多様というか、もはや異様!しかし、この映画祭に参加するために、北海道から沖縄まで、全国各地から観客がやってくる。今年の9月19日(土)~23日(水・祝)の開催を目前にして、主催する市民有志団体「かなざわ映画の会」代表の小野寺さんにお話しを伺った。

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今年の「カナザワ映画祭2015」のパンフレット。会場である地下の映画館に魑魅魍魎が流れ込んでくるイメージだとか。

毎年9月に開催される「カナザワ映画祭」は、過激なテーマと突き抜けた企画、埋もれた傑作を発掘してくる手腕、そしてビッグゲストがごく普通にパンフレットに名を連ねることで映画ファンからも一目置かれている。2007年の初回からセンセーショナルで、オープニングセレモニーにデコトラの大勢が登場したかと思うと、トークショーにはミュージシャン・内田裕也氏がしれっと登場。その後も2008年「フィルマゲドン」、2009年「新世界秩序サバイバルガイド」2010「世界怪談大会」、2012年にはエロスをテーマとした「XXX」…etc。尖がり続けて今年で早9年目を迎える。

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初回、2007年「カナザワ映画祭」の断片。内田裕也氏も登場し、会場を沸かせた。

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こちらは“爆音”をテーマとした昨年の「カナザワ映画祭2014」。毎回エッジの効いたチラシも楽しみ。

こんな尖った映画祭を企画するのだから、主催者もさぞエキセントリックな方なのだろうと気構えるも、現れた「かなざわ映画の会」代表の小野寺さんは拍子抜けするほど穏やかな好青年だった。

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「かなざわ映画の会」代表の小野寺さん。犀川のほとりにて。

金沢出身の小野寺さんは大学進学時に関西へ出た後金沢に戻り、サラリーマンをしながら「カナザワ映画祭」を企画した。

「保育園の頃から映画が好きで、よく映画館へ連れていってもらいました。今はすっかり少なくなってしまいましたが、昔は金沢の街中に映画館がたくさんあったんです。『KOHRINBO 109』の裏手にはシネマストリートという映画街があって、全部で10館くらい、1000人くらい入れた映画館もあったと思います。カナザワ映画祭の会場も、元々は『ロキシー劇場』という映画館で、僕の思い出の場所です。金沢には元ヒッピーみたいなおじさんが結構いるのですが、今も残る『駅前シネマ』などは、そういう若者のたまり場だったんです」

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「KOHRINBO 109」裏のシネマストリート跡。現在は駐車場になっており石碑が残るのみ。

カナザワ映画祭を始めようと思ったきっかけは、地元のミニシアター「シネモンド」が開催していた映画祭の影響だったそう。

「有名な監督もゲストとして来ていて、地方でもこんな人たちが呼べる映画祭が出来るんだと感激したんです。そのうち、自分でもやってみたいという思いが強くなって。どこにでもあるものを観るために、わざわざ地方までは来ない。だからこそ、ここでしか観れないものや、ここでしかできない体験を提供したいと思っています」

今では毎年沖縄から飛行機を乗り継いでやってくる常連もいれば、首都圏からも多くの観客がカナザワ映画祭めがけてやってくる。コンテンツの強ささえあれば、どんなに遠くからでも人は呼べるのだ。

カナザワ映画祭を運営する「かなざわ映画の会」有志メンバーはほぼボランティア。純然たる映画愛でつながったメンバーが全国各地からそれぞれのやり方で支援してくれている。「中には、会ったことがない人もいます。今回上映するための英語字幕の翻訳も、メールのやり取りをしながら、5人のメンバーが無償で担当してくれています」

小野寺さん自身、映画祭のためにサラリーマンを辞めた。「カナザワ映画祭の前後2週間休ませて欲しい」ということを条件に嘱託や外資系航空会社などと契約している。

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「映画祭は全然儲かりません。(笑)」

さて、今年の映画祭はシルバーウィークを含め5日間開催、いつもよりどっぷり&たっぷりと映画を楽しめる。映画上映の他にもトークショーや野外上映会などコンテンツ目白押し。中でも今回の目玉企画のひとつが「田舎ホラー大全科」だ。

「言葉も通じなければ常識も通じない、ロハスとかじゃなくて田舎はコワイんだというテーマです(笑) 中国やインド、アメリカなどの田舎で起こる惨劇を集めました。直接外国とメールでやりとりするのですが、中国大使館には2回も呼び出されましたね……」

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「田舎ホラー大全科」。レンタルビデオショップで言うところの「ホラー」のジャンルとはかけ離れたものが多い。

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大人から子どもまで楽しめるキングコングの野外上映です。こちらは横安江町商店街で上映。

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「メル・ギブソンの映画は、レンタルビデオショップでも借りることができる映画です。けれど、爆音環境で観ると全然違うものになるという提案です」と小野寺さん。

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おしゃべりもOKな子どもたちが主役の「ゼロ歳からの映画祭」。国立フィルムセンターからの貴重なアニメアーカイブなども放映される。

ディープでマニアックなセレクトながら、この映画祭は「決してコアな映画ファンのためのものではない」と小野寺さんは強調する。

「むしろ、映画がわからないという人にこそ見てほしいですね。系統立てて監督の作品を予習するとか、お勉強みたいなことはしない方がいい。社会問題にかこつけたりするのも、閉じている感じがしておもしろくない。僕が小さい頃映画を観て感動したように、まっさらな気持ちで映画を楽しんでもらえたら」

ということで、観光で金沢にいらっしゃる予定の方も、そうでない方もシルバーウィークはぜひともカナザワ映画祭へ! 会場の旧ロキシー劇場の扉を開けば、ドロッドロに濃ゆい、新しいカナザワの一面に出会えるはずだ。

日時

2015年9月19日(土)~23日(水・祝)

会場

金沢都ホテルB2F セミナーホール(旧ロキシー劇場)

住所

金沢市此花町6−10

公共交通

金沢駅の目の前

URL

「かなざわ映画の会」ホームページ

 http://www.eiganokai.com/

料金

1回鑑賞券/前売り1,300円、当日1,500円

Webでの前売りチケット販売はこちらから。※9月16日(水) 24:00まで。

主催

かなざわ映画の会

備考

※シルバーウィークの間、金沢市内のホテルは満室続出のため、お宿情報なども「カナザワ映画祭」ツイッタ―で配信中。

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