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【愛知県・日進市】子どもが料理で親を迎える学童「Piggy Back Mates」が日進市に誕生!

インタビュー
2025.10.13

【real local名古屋では名古屋/愛知をはじめとする東海地方を盛り上げている人やプロジェクトについて積極的に取材しています。】

2026年4月、日進市赤池町に新しい学童「Piggy Back Mates(ピギー・バック・メイツ)」がスタートします。そのスタイルは、「子どもが夕食の料理をして親を待つ」という、これまでにないもの。代表の御代あす花(みしろ・あすか)さんにお話を伺いました。

本事業は、現在クラウドファンディングで立ち上げの支援を募集中です。

 

【愛知県・日進市】子どもが料理で親を迎える学童「Piggy Back Mates」が日進市に誕生!
親御さん、子供たちと一緒に開催した料理体験の様子。
【愛知県・日進市】子どもが料理で親を迎える学童「Piggy Back Mates」が日進市に誕生!
2026年4月にPiggy Back matesはオープン
【愛知県・日進市】子どもが料理で親を迎える学童「Piggy Back Mates」が日進市に誕生!
Piggy Back Mates代表 御代あす花さん

 

―子どもが夕食を作って待つ学童は前例がないと思いますが、このアイデアを思いついたきっかけは何だったのでしょうか?

共働きの親御さんは本当に時間がなく、私もそうでしたが、子どもと落ち着いて向き合う時間が圧倒的に少ないんですよね。

5年ほど前、スーパーで買い物をしていたとき、若い制服を着たお母さんと、腕に抱かれた幼児、そして小学校低学年くらいの男の子を見かけました。買ったものを急いで袋に詰めるお母さんが、男の子に放った一言がずっと心に引っかかっています。

「なにぼーっとしてんの?これもてよ。役立たずが」

この光景と言葉がきっかけでした。
「この親子が、お互いを責めることなく過ごせる仕組みはないだろうか?」と考えるようになったんです。
そこでたどり着いたのが、「子どもが夕飯をつくり、親を迎える学童」というアイデアでした。

【愛知県・日進市】子どもが料理で親を迎える学童「Piggy Back Mates」が日進市に誕生!
折角なら自分がやりたいことをやってみたいと、独立し学童事業を始める御代さん。

 

―御代さんは中学校の教員をされているそうですが、その経験もこの企画に影響していますか?

はい、大きく影響しています。中学校の教員をしながら、学校生活に馴染めない子どもたちと話していると、小学生の時からの失敗や経験を引きずっていることが多いと気づきました。小学生時代の経験は、その後の成長に重要だと現場で感じています。

同時に、子どもたちは皆「役に立ちたい!」という気持ちが強いんです。子どもたちが「自分が家族の役に立っている」と実感できる場づくりができれば、それは大きな自信につながると感じています。

もう一つは、私の思いになるのですが、子どもたちに「大人って楽しそうだな」と思わせることも重要だと思っています。
一昔前は「やりたくないことをやるのが仕事」という美学もありましたが、「大人が楽しそうに挑戦し、頑張る姿」を見せたいなと。

「私のお父さん、こんなことやってるだよ!すごいでしょ」
「うちのお母さん、こんなことに挑戦してるんだよ!」

と、子どもたちが誇らしげに学校で語る姿を見られたら嬉しいですね。子どもたちが将来に対してポジティブなイメージを持ち、挑戦する土壌を作りたい。そのために、親と子が気持ちに余裕をもって向き合う時間と場を提供したいと考えています。

【愛知県・日進市】子どもが料理で親を迎える学童「Piggy Back Mates」が日進市に誕生!
「大人が楽しい姿を見せたい」と嬉しそうに語る御代さん。

 

―具体的な食事提供はどのようになりますか?

子どもの食事は、500円/日で追加できます。ご家族向けの食事は、1週間ほど前に献立を提供し、希望者が注文できる仕組みにする予定です。親御さんが学童で一緒に食べるか、持ち帰るかは自由に選べるようにします。

夜遅くまでお仕事の方もいらっしゃると思うので、希望があればお風呂も提供し、21時までお預かりできるサービスも検討しています。

 

―遅い時間まで預かっていただけるのは心強いですね。食事作りは大変そうですが、サポート体制は?

食事は可能な限り、無添加・オーガニックで考えています。野菜は、近隣の農家と連携してオーガニック野菜を手配する予定です。鰹節を削ったり、味噌を作ったり、小さな菜園で野菜を育てたりといった食育にも挑戦したいです。

献立は管理栄養士に監修いただき、調理のサポートは子どもに料理を教えるプロたちと連携する予定です。

さらに、保育士や管理栄養士を目指す大学や専門学校とも協力し、学生の実践の場にしていきたいなとも思っています。4月の開所に向けて、こうした運用体制を詰めることと、クラウドファンディングや地域への説明会といった広報活動を行っているところです。

【愛知県・日進市】子どもが料理で親を迎える学童「Piggy Back Mates」が日進市に誕生!
工事中の様子。左手にはL字型のキッチンが並ぶ予定。
【愛知県・日進市】子どもが料理で親を迎える学童「Piggy Back Mates」が日進市に誕生!
玄関前の様子。両端のレンガ・石を置いている場所に、菜園を作る予定。

 

―本当に素敵な活動だと思います。最後に、『Piggy Back mates』とはどういう意味ですか?

「Piggy Back」を単純に訳すと「豚の背中」ですが、そこから転じて「おんぶ」という意味があります。「子育て世帯の負担を一緒に背負いますよ」という意味を込めています。

アイルランドのことわざでは、「豚の背中に乗っている」ことは「幸せに向かっている」ことを意味しているそうです。お互いに支え合いながら、幸せに向かう仲間という意味で名付けました。

親御さんとお子さんが、良い形で幸せに向かうことをサポートできれば嬉しいです。

 

取材を終えて・・・

子育て世代の大変さをサポートする便利さだけでなく、子どもに「役に立つ」という自信と、親と向き合う心の余裕を生み出す素晴らしいサービスだと感じました。子育て経験と教員の経験、両方を持つ御代さんだからこそ考えられた企画だと思います。大学や専門学校とも連携することで、子どもが多世代と交流し、実践的な学びを得られる場にもなると期待しています。

名称

Piggy Back mates

業種

学童

URL

クラウドファンディング

instagram

備考

<今後の説明会&イベント予定>
11/8土 9:00〜12:00 日進市民会館
11/ 9日 ご希望時間で事前予約 個別相談会 Piggy Back Mates事業所内
11/16日 料理体験会 15:00〜 Piggy Back Mates事業所内
11/22土 料理体験会 15:00〜 Piggy Back Mates事業所内
1 /11日 おけいこの祭典 16:00〜 ニッケテニスドーム