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金沢R的まちなか再定義 vol.1 /「ど真ん中にこそ、緑。」

地域の連載

2020.07.16

「まちなか」と言うけれど、金沢における「まちなか」ってどんなだろう。コロナをひとつのきっかけに、職場も住まいも金沢城公園から2km圏内のスタッフ達が「まちなかで暮らすということ」の気づきを生活者目線で記していきます。第1回は街で感じる「自然」のお話。(※こちらは金沢R不動産コラムの転載です)

金沢R的まちなか再定義 vol.1 /「ど真ん中にこそ、緑。」

「まちなか暮らし」と聞くと、人工物ばかりで自然からは程遠そう。また、金沢という街のイメージも “自然”や“緑”といったキーワードとはすぐには紐付かないかもしれません。(実際、車で移動している分にはあまり緑は感じられない)

けれど「台風の目は静か」みたいなもので、 “まちなかのなか”(金沢城公園を中心に半径1km圏内)には意外と緑が多い、というのがいち住人としての感想です(ちなみに私は賃貸マンション暮らし)。
それも、やたらモリモリ街路樹が植樹されているといった“量”的な話ではなく、「緑をそばに感じて心地よい」という情緒的な指数が高いというか。そういった場所や導線が、実に緻密に用意されているように感じるのです。

金沢R的まちなか再定義 vol.1 /「ど真ん中にこそ、緑。」

ヒューマンスケールな緑

金沢のまちなかにある緑は、いわゆる“手付かずの大自然”とも、線対称的に整備された “パブリックな緑”とも違う、揺らぎや陰りがある“ヒューマンスケールな緑”とでも言うのでしょうか…。どちらかというと、人の手で整えられ様々な見立てが詰め込まれた「お庭」を歩いている感覚に近い気がします。

金沢R的まちなか再定義 vol.1 /「ど真ん中にこそ、緑。」
石川県立美術館裏の「美術の小径」
金沢R的まちなか再定義 vol.1 /「ど真ん中にこそ、緑。」
玉泉院丸庭園もフリーで入れる

歩く人に開かれる、緑のフリーゾーン

私がこの“緑の恩恵”を改めて感じたのは、コロナの感染拡大第1波のときでした。金沢の街中から30分もあれば海や山にも行けるので、これまでは自然を求めて親子で週末でかけることも多かったのですが、当時は緊急事態宣言発令中。遠出は御法度です。近所を深掘りするしかなく、登園自粛中の娘とステイホームで煮詰まった夕方など、少しだけ散歩にでかけることがありました。

金沢R的まちなか再定義 vol.1 /「ど真ん中にこそ、緑。」
兼六園に隣接する「金澤神社」
金沢R的まちなか再定義 vol.1 /「ど真ん中にこそ、緑。」
「尾山神社」の境内にて

そんなとき、「公園」や「広場」といったスポットだけでなく、 “緑の回廊”とでも呼べそうな、植物を感じながら気持ちよく歩けるアフォーダンスがあることに気付きました。しかも、観光客のいない金沢の街では、ほとんど人にも会わずにそれらを回遊でき(ルーティーン散歩をする諸先輩方とはたまにすれ違う)、もちろん入場料なども取られないパブリックスペースばかり。
子どもは別に遊具がなくともは何かしら遊びを見つけるので十分に楽しそうでしたし、車が入ってこないところが多いので安心して遊ばせられました。また、コロナでだいぶピリついていた親としても深く呼吸ができる貴重な時間に。この期間、もしお金を使わないと楽しみが得られないような場所に住んでいたら、結構しんどかったんじゃないかと思い返しています。

金沢R的まちなか再定義 vol.1 /「ど真ん中にこそ、緑。」
「金沢城石垣めぐり」コース

まちなかに57ヘクタールの緑地空間

ここで金沢の中心部(香林坊・広坂界隈)を引きで見てみましょう。下の航空写真から、2本の川に挟まれて、緑の一帯が面や線状に広がっているのが分かります。

金沢R的まちなか再定義 vol.1 /「ど真ん中にこそ、緑。」
街中が緑。左右に見えるラインは犀川(左)と浅野川(右)。右上に見えるのは卯辰山。(画像:Google Earth)
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石川の老舗デパート「大和 」の香林坊店から見た景色。ボールで遊んだり、読書する人の姿も。

ここには、金沢城公園、兼六園、玉泉院丸庭園、本多の森公園、金沢21世紀美術館敷地、など緑地を多く有する公園や施設が集まっています。緑地空間として換算すると57ヘクタールにも及び、地方都市としてはかなりの規模です。(元市長・山出保さんも「こんな緑地が中心にあるまちは他所にはないと自負しています」と話されています。『新建築』2020年3月号より)

金沢R的まちなか再定義 vol.1 /「ど真ん中にこそ、緑。」
金沢城公園
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広大な金沢城公園。後ろに見えるのは菱形・五十門長屋・橋爪門続櫓

まちをつくってきた先輩達のセンス

思索に耽られそうな“ひっそりとした緑”もあれば、バーンと抜け感ある“広大な緑” 、文字通り庭として人の手が入る“趣ある緑”や、歴史の逸話とリンクした“ストーリーある緑”etc.。そのバリエーションや緩急が絶妙で、季節ごとにまた違う表情を見せてくれるので飽きることがありません。
そういったスポットや通路、階段が立体的に入り組み隣接しながら配置されているので、歩いている体感値としては実際の面積以上。そこには金沢のまちづくりに関わってこられた先達の叡智とセンス、そして細やかな心遣いを感じずにはいられません。時を経て緑は茂り、想いも古びることなく今に生きています。

金沢R的まちなか再定義 vol.1 /「ど真ん中にこそ、緑。」
鈴木大拙館から中村記念美術館へと続く「緑の小径」
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広坂緑地でのんびり話す人達

“大きな庭付き”のまちなか暮らし

金沢での“まちなか暮らし”は、「大きな庭付き」のような贅沢があると思っています。特に、子どもが生まれて外で過ごす時間が増えてからはしみじみと。
ご紹介したようなスポットはもちろん、あの銘庭「兼六園」でさえも、石川県民は土日は無料(県民鑑賞の日)。早朝など本当にご自身の庭のように、朝散歩も楽しまれているご近所さんの姿も見かけます。また、ちょっと歩けば、金沢市民の“長〜い公園” 、犀川もすぐそこ。みんなで大きな庭をシェアしながら楽しんでいる感覚です。(ただ、遊具等がある子ども向けの公園は少ないのですが)

金沢R的まちなか再定義 vol.1 /「ど真ん中にこそ、緑。」
犀川ではいつもランニングする人の姿が。

住めばこそ、の緑の恩恵

これらは街で暮らしているからこそ、言い換えれば、車でアクセスしなくても良いからこそ享受できるメリットだと思います。いちいちコインパーキングに車を停めたり(さらに、ちょうどいい距離になかったり)、時間が細切れにされないのもいい。ふらっと着の身着のまま散歩に出て、鳥の声を耳にしながら地続きの時間をてくてく歩く充足感。近くのお店で美味しいごはんをテイクアウトしたりもたのしいです。ど真ん中にこそ、緑あり、です。

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