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TOP » 名古屋 » 店 » 食を通じた人との出会い。地域と共に成長するレストラン　TT” a Little Knowledge Store

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日々の暮らしには、時に息抜きしたり、自分らしくいられる時間や場所が必要。そんな時に過ごしたくなる、美味しい食事やデザートのある心地よいレストランとして人気の「TT” a Little Knowledge Store」。贅沢な空間づかいと、東山の豊かな緑に抜ける眺めが、さらに開放的な気分にしてくれます。こちらのレストランで料理長として、働かれている奥村麻美さんにお話を伺いました。

星ヶ丘にあるTT” a Little Knowledge Store
ここで味わえるのは、旬の素材でつくる栄養たっぷりな食事や、お豆腐のような見た目で口に入ればスッと溶けてしまうチーズケーキ。
この店で、食材仕入れからメニュー開発、デザート監修までをこなすのが管理栄養士の資格を持つ奥村麻美さんです。ご本人曰く「自分の食べたいイメージをそのまま料理にしています。食べた後に身体が喜んでいる感じをめざしています。」のだとか。

 

 

名古屋で暮らすきっかけ

石川県金沢市で生まれ育った奥村さんが名古屋で暮らすことになったのは、管理栄養士になるべく名古屋の大学に通うためでした。看護士であるご両親の影響から、自分も何か人の役に立つ仕事をと考えるようになり、好きな料理と両立できる管理栄養士の道を選んだのだとか。卒業後、管理栄養士として病院で３年間働くあいだに、「自分だからこそできる仕事をしてみたい」という想いが強くなっていたタイミングで転機が訪れました。

 

クリエーター達とコラボして立ち上げた re:Li（リリ）
「最初のお店を出したのは10年前。25歳の時でした。きっかけは、大学時代にカフェのバイト仲間だった山本（現 TT” オーナー）です。そこに大岩（ TT” マネージャー）もいて。山本の「お店やろうよ。みんなでなら理想のお店ができると思う！！」という言葉に惹かれ、はじめることに。

「私は管理栄養士として、山本はスタイリストとして、大岩はファッション業界で働いていました。当時、伏見に山本が知っている良い空き物件が出たんです。深夜に仲間たちみんなでふらっと見に行ったんです。ここならやれるという可能性のようなものをその時感じました。2ヶ月検討しましたが、契約してからはあっという間で、1ヶ月でre:Liをオープンさせました。これを機に、株式会社としてMAISONETTEinc.も設立しました。」

“日常の中の特別”をテーマに「毎日通いたくなる店」をめざしたre:Liは、管理栄養士がつくる身体にやさしい日替わりランチが評判を呼び、すぐに人気カフェの仲間入り。もちろん、初めての店舗経営に戸惑い、壁にぶち当たることも数知れず。それでも「実績も経験もなくて、何も知らないからこそチャレンジできたし、若さゆえの勢いがあった」と奥村さんは振り返ります。

 

「街を一緒につくる」に共感
それから８年。TT” がオープンしたのは２年前のこと。
「『街づくりに協力してほしい。』と、出店依頼がありました。ただ店を出してほしいというのではなく、街を一緒につくっていくというところに共感して快諾。だからですかね。ワクワクが大きかったんです。re:Li でやれることはやり切った感じもあったので、新店としてオープンすることに。星が丘テラスという、あらゆる人に開かれた場所であることも魅力でしたね。実際には商店街っぽい密な付き合いもあって面白いです。いろんな人が行き交う新しい場所での新しい出会いに期待し、ここでお互いに刺激し合えればいいなと。」

 

「やるべきことは何か？」
店名は「TT”」と書いてトドと読みます。縦に並べたロゴマークを横に倒せば、文字通りトドになります。英字にすればtodo(トゥードゥー)、つまり「やるべきことは何か？」を指しているのだとか。それはお客様ではなく、奥村さんたち店側にとっての「やるべきこととは何か」。

「「私たちがこの場所でやるべきことは何なのか？」を考えることで、より「私たちのやりたいこと」が見えるんじゃないかと考えています。やるべきことをそのままやるのではなく、やりたいことをより明確にして、私たちはその「やりたいこと」の方を少しだけ優先してやりたいと思っています。」

この店は、自分たちのやるべきことを考えていく場所、そして「やりたいこと」に取り組んでいく場所なのだと言います。

「自分たちの考えていることを少しずつでも発信していきたいです。自分たちだけではできないから、ここでの出会いや繋がりを大切にして、一緒にやることで学びながら変化していきたいし、変化しないといけないと思っています。」

 

最後に、奥村さんにとって名古屋とは？
「暮らしはじめて15年が経ちますが、名古屋の“ちょうどいい感じ”が好きです。名古屋はほどよく都会で、ほどよく田舎な部分もあって、ちょうどいい。名古屋に来てから、気づいたことですが、野菜が豊富で美味しい。京野菜といった特別な郷土野菜でなくても、野菜が本当に美味しい。愛知県は野菜の生産量が多い全国でも有数の農業エリア。今ではたくさんの農家さんとつながることができて、お店では農家さんがちゃんと作っているこだわりの無農薬野菜を生かしたいと思っています。」

「出会った農家さんからも紹介いただいてつながりが広がっていますが、わりと若い人たち、同世代の人たちが仕事を辞めて農家になっていることも少なくないんです。そうした人たちのこと、作られている野菜のことを、お店を通じて知ってもらえるきっかけになれば嬉しいです。」