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越前丹南、日常に触れる旅3/お寺で心も体もリフレッシュ!口福な伝承料理とお説法で暮らしに触れるローカルツアー

ローカルを体験

2021.03.03

えちぜん丹南、日常に触れる旅と題して、福井県丹南地域のローカルトライアルツアー第3弾を紹介します。アーカイブはこちらからどうぞご覧下さい。

今回は南越前町にあるお寺でお説法を聞き、伝承料理をいただくトライアルツアー。reallocal福井でも参加を呼び掛けたこのツアーに同行し、体験取材してきました!

越前丹南、日常に触れる旅3/お寺で心も体もリフレッシュ!口福な伝承料理とお説法で暮らしに触れるローカルツアー
会場の妙見山歓喜寺に到着。お寺の澄んだ空気が気持ちいい。

南越前町には、世界の花はす約130種が見られる「花はす公園」があり、夏には「はすまつり」が開催されて賑わうなど、知られざる蓮(はす)の名所。このツアーの舞台となる日蓮宗の寺院、妙見山歓喜寺でも、蓮を育てて近隣の児童館等に寄付するなど、この地域の文化に深く根づいています。

そんな歓喜寺の(いんじゅ:日蓮宗では住職を引退された僧侶のことを指す)、青木正憲さんから蓮に関するお説法を聞いた後で、地域の伝承料理を味わうこの企画。個人的に仏教が好きで、解説書を読み漁ったことがある私にとっても、期待が高まります!大学でたまたま仏教の授業を受けてみたら、あまりに面白くて衝撃を受けたんですよねえ~。仏教が日本に伝来してから生まれた各宗派の歴史も面白くて、それで鎌倉時代の本も読んでみたりして。日蓮宗も鎌倉時代にできた宗派の1つですね。

 

院首のお説法を楽しむ

越前丹南、日常に触れる旅3/お寺で心も体もリフレッシュ!口福な伝承料理とお説法で暮らしに触れるローカルツアー
院首の青木正憲さん。柔和な表情で情熱あふれるお説法をされます。

7才の時に千葉県から福井に引っ越してきた院首さん。福井に住みはじめて67年目だそうですが、「地域活性化や子どもの将来のために行動を起こしたい」との想いから、お寺での活動以外に「教育文化村」という会社を設立し、様々なイベントや研修などを手掛けていらっしゃいます。

この地域に蓮が広まったのは戦後のことだそうですが、仏教ではその遥か前から、御仏の智慧の象徴として 大事にされてきた花です。「泥水の中から美しい花を咲かせる蓮のように、人間も生まれながら心に種を持っている。それを立派に咲かせてほしい」と、お説法に想いが込められます。

 

越前和紙で蓮の花づくり

お次は越前和紙で蓮の花の折り紙をつくるワークショップ。やっぱり手を動かす作業は楽しいですね。

越前丹南、日常に触れる旅3/お寺で心も体もリフレッシュ!口福な伝承料理とお説法で暮らしに触れるローカルツアー
大きさの違う3枚の和紙を、同じ折り方で折って重ねると完成します。

和紙を折って、折った角からクルンとひっくり返して。丈夫で柔らかい越前和紙ならではの折り紙に、参加者同士のおしゃべりも弾みます。

越前丹南、日常に触れる旅3/お寺で心も体もリフレッシュ!口福な伝承料理とお説法で暮らしに触れるローカルツアー
出来上がった蓮の折り紙。ほっこりした作品に仕上がります。
越前丹南、日常に触れる旅3/お寺で心も体もリフレッシュ!口福な伝承料理とお説法で暮らしに触れるローカルツアー
私がうまく折れないのを見かねて指導してくれるJTBの石原さん。

私も折り紙にチャレンジしましたが、持ち前の不器用さでうまく花が開かず。咲いてから4日後くらいの、くたびれた蓮になってしまいました。チーン・・・(笑)

 

伝承料理の口福(こうふく)な時間

越前丹南、日常に触れる旅3/お寺で心も体もリフレッシュ!口福な伝承料理とお説法で暮らしに触れるローカルツアー
美しく盛りつけられたお膳。1人前でこの品数とボリューム!

そしてお待ちかねのランチタイム!隣の部屋に移動すると、美しいお膳が!「すごーい!結納みたい!」と参加者の方からも歓声があがります。その気持ち分かるーーー!ありがたいお説法を聞いたあとで出てくる、お祝い事のようなお料理。癒されるなあ。。

 

越前丹南、日常に触れる旅3/お寺で心も体もリフレッシュ!口福な伝承料理とお説法で暮らしに触れるローカルツアー
お料理の名前を1つ1つ教えてくれます。蓮にちなんだレンコン料理も。

お料理を用意してくださった「土の駅 今庄」の窪田春美さんが、一つ一つのお料理について丁寧に教えてくれます。この日は福井の法事でよく出てくる「ほんこさん料理」と呼ばれるものをベースに、今庄の伝承料理である「茶めし」や、ゆり根の梅和え、むかごのゴマ和え、昆布巻き、辛子腐など、たくさんのお惣菜が盛りつけられています。

 

越前丹南、日常に触れる旅3/お寺で心も体もリフレッシュ!口福な伝承料理とお説法で暮らしに触れるローカルツアー
普段はけっこう早食いの方なのですが、自然とゆっくり食べていました。

この時期にこの土地で取れる食材を使い、その食材が一番美味しくなるように作るのが伝承料理。食べると口の中いっぱいに旨味が広がるので、思わず何度も噛みしめます。ゆり根や金時豆って、普段の食卓では付け合わせのイメージでしたが、このお膳の中では堂々たる主役の味わいです。

 

越前丹南、日常に触れる旅3/お寺で心も体もリフレッシュ!口福な伝承料理とお説法で暮らしに触れるローカルツアー
美味しそうに頬張る子どもたち。

ふと「こういうお料理って大人向けだよなあ。子どもも食べられるのかなあ?」と思って見てみると、椅子から降りて前のめりで食べる子どもたちがいました(笑)

越前丹南、日常に触れる旅3/お寺で心も体もリフレッシュ!口福な伝承料理とお説法で暮らしに触れるローカルツアー
鯖江からご参加の3姉妹。スマホでこのツアーを見つけて申し込んだそうです。

年配の参加者からは「こういうお料理、懐かしくて美味しいわね」という感想を聞きましたが、私にとってはむしろ新鮮な発見や驚きのある料理でした。

 

一度も同じものが出ない、という価値

越前丹南、日常に触れる旅3/お寺で心も体もリフレッシュ!口福な伝承料理とお説法で暮らしに触れるローカルツアー
丁寧に地域との関係性を育み、このツアーを形にしたJTBの石原さん。

「実は今回、僕が新しく付け足したことって1つもないんですよ」と、このツアーを企画したJTBの石原さんは言います。

「蓮の花もお寺も伝承料理も、もともとこの地域にあるもので、それを旅行会社の視点で繋いだだけ。それなのに、旅行会社が普段はやらないようなツアーになりました。」

「いつでも同じ料理」が出てきた方が旅行商品としては扱いやすいそうですが、伝承料理は時期によって料理の内容がガラッと変わってしまいます。一度も同じものが出ないからこそ、参加者にとって「想像を超える体験」という価値に繋がりますし、「季節が変わったら、もう一度参加してみたい!」という気持ちが高まる要素になります。

また従来のツアーでは、どちらかと言えば「均一な参加者を集めて均一なものを提供する」ことで成り立っていたそうですが、今回のツアーでは若いファミリーから年配の方まで、年齢層がバラバラ。

歓喜寺の院首さんが「石原さんから今回の話をいただいた時、即答で大賛同しました」とおっしゃっていましたが、それは普段お寺に来ないような方がお寺に来て、仏教に触れる機会になると直感したからだそうです。

参加者にとっても受け入れる地域にとっても、均一ではないことに価値がある。それがローカルツアーの在り方なのかもしれませんね。

(テキスト/黒川照太、写真/牛久保星子)