目の前のもので、目の前の人を幸せに ービルの仲間を募集しますー
決して駅から近くない立地ですが、いつも多くの人で賑わっている東大阪市鷹殿町の「珈琲とコインランドリーのお店。ハレ」。“ランドリー×カフェ”の業態ミックスは近年見かけるようになりましたが、2019年にオープンしたこちらのお店は、どのような経緯で始まり、運営されているのでしょうか。オーナーの大和さんに、お店に込めた想いを伺いました。


ーーここでカフェを開くに至った経緯はどのようなものだったのでしょうか。
「このビルは元々、私の祖父が建てた、建設会社の社員寮でした。築年数が経って老朽化していくビルを前に、父が10年くらい前からビルの活用についていろんな人に働きかけていたんですが、いろんなアイディアは出るものの、実際にやるという人はなかなかいなかったんですよね。私はその頃東京のインテリアの会社に勤めていたんですけど、アイディアは色々考えていました。体調を崩して大阪に戻ることになって、本格的に考え始めました。
でも、地元のために何かするって言っても、地元の人って、だれやねん。みたいな(笑) 私もともと、地元が苦手だったんですよ。地元から離れたかったので最初の就職はNYですし、ビザの抽選に落ちてしまってからも東京で就職しましたし。」
他人なのに…
「そんな時、「顔の見えない誰かじゃなくて、目の前の人を幸せにしませんか」みたいなことが書いてある本に出会って。
『マイパブリックとグランドレベル』という本なんですけど、著者の田中元子さんに会いに行って、両国のランドリーカフェで、「ここで働かせてください!」と2日働いてみたんです。正直、1日目はよく分からなかった。でも2日目、泣いている女の子が入ってきて、店員さん、常連さんが相談に乗り始めたり、無口な常連さんがその女の子にオレンジジュースを奢ってあげたりする光景を見て、全員ほぼ他人なのに、こんなに介入するの!?って衝撃を受けました。
カフェをやるってことはよく分からないけど、“これ”ならやりたい!と思ったんです。」
ーーすごい、『千と千尋の神隠し』を地でいく行動力で叶えた、まさにインターンシップ。それで、ランドリーカフェを始めるに至ったんですね。
「そうなんです。でも、いざやるとなると問題になったのが、地元なのに仲間がいない、という状況。とりあえず仲間を募ろうと、とにかくいろんなイベントに参加しました。とにかくたくさん!そこで若くていろんな野望を持つ仲間に出会って、みんなエネルギーはあるけどお金は無いから、自分たちでビルを改装することを始めたんです。」


「このビルには父が集めた廃材がいっぱいあったので、それを使いたくて、工務店さんに融通を効かせてもらい、設計図は描かずに即興的にやりました。たとえば、軽天(軽量鉄骨天井下地)の天井は「船底みたいにこーんな感じで切って!」となぞった通りに大工さんに切ってもらって、その上に伸び縮みする足場板をただ載せたり、壁を剥がしてみたら出てきたボンドはそのままでいいやん!と残したり。通りがかった旅人なんかもあわせて、のべ100人を超えるくらいの人たちが手伝ってくれました。」


ーー材に対する理解があるからこそできる、常識外の施工ですね…! 大和さん、器用ですよね。
「実際はヒーヒー言いながらですよ。大工さん達が柔軟で、かつ私に常識がなかったから出来たことかもしれません。大工さんと仲良くならないと絶対いいものはできないです。」
イベントが勝手に開催されている
「最初の就職はNYと言いましたが、NYの「違って当たり前」の空気が大好きで、いろんな世代の、いろんな人がいる空間を作りたいと思って。例えば、みんな座り心地の良い椅子って違うじゃないですか。おじいちゃんは低いソファに座ると立つ時がしんどいけど、若者にはソファが人気だったりとか。
家具は貰い物とか中古とかばっかりで、いろんな家具があるから異質なものがあっても気にならないんです。
定期的に、店の奥の方の大きなテーブルで、おじさんとおばさんが集まって、気になった記事を持ち寄ってそれについてディスカッションする会を開いてるんですよ。他にも、80代くらいのおばあちゃんが8人くらい集まって女子会を開いていたり、仕事終わりの人たちがボードゲーム会を勝手に開いていたりもします。満席にならなければ何時間でもいてくれて構わないし、満席になりそうだなというタイミングが来たら誰かが席を立ってくれるんです。」
ーー定例会も席の譲り合いも、自然発生なんですね!公園のような、居間のような……。HARE集合ね!ってなってるんですね。大和さんも、地元を好きになりました?
「なりました!!近くの仲間たちと、山の方でイベントを主催したりすることもあります。」




目の前の人を幸せに
「喫茶店って長居するから本当はある程度の単価を取らないといけないんですが、300円のソフトクリームをすごく楽しみに食べに来てくれるおじいちゃんが一人いて。原価も上がってきたから値上げも何回も考えたけど、その人が食べている姿見るだけで癒されるから(笑)、苦渋の決断でその値段は据え置きにしています。
近くにラグビー場があってラガーマンが多いからがっつりなメニューを開発したり、目の前の人が喜んでくれたらな、という想いでお店を続けています。」


2階の仲間を募集します

そんな素敵なカフェを一階に擁するビルですが、現在、2階の空き区画を活用してくれる仲間を募集しています。3、4階はシェアハウスなど住居として利用中で、2階の他の区画ではレンタルスタジオを運営中。



この床さえあれば、何でもできそう。
ご興味のある方は、大阪R不動産にお問いわせください。
URL | https://hare-coffeelaundry.mystrikingly.com/ https://www.realosakaestate.jp/estate.php?n=24267 |
---|---|
住所 | 〒579-8036 大阪府東大阪市鷹殿町19−2 101 |
名称 | 珈琲とコインランドリーのお店。ハレ |
業種 | カフェ、ランドリー |
営業時間 | 8:30-22:00 (月水木8:30-19:00) |
定休日 | 火曜 |
アクセス | 近鉄けいはんな線「新石切」駅 バス8分 「鷹殿町[住まい工房大栄前](バス)」バス停 徒歩1分 |