【鹿児島県出水市】森を舞台に江内らしい教育を学校とともにつくる「森の遠足」 / 株式会社WOODLIFE 代表取締役・中尾雄基さん × 江内小学校 豊島校長・染谷教頭
出水市高尾野町の江内エリアを拠点に50年以上にもわたり、林業を通じて山守(※)を営む『株式会社WOODLIFE』(以下:WOODLIFE)。既存の林業スタイルではなく、今の森を未来へ繋いでいく林業に取り組む「小規模持続型の林業スタイル」を目指しています。今回、江内小学校と連携した取り組み「森の遠足」について、同社代表の中尾雄基さんとともに江内小学校の校長・豊島先生、教頭・染谷先生に話を聞きました。
real local 鹿児島で取材した中尾さんのインタビュー記事はこちら。
(※)山林所有者から委託を受け、山の管理や保護を行う専門家のこと。

「江内らしい教育」から生まれた遠足のカタチ
今回の森の遠足は、特別な企画から生まれたものではありません。
出水市、そして江内小学校が大切にしてきた「地元を知る教育」という考え方の延長線上に、自然と立ち上がった取り組みでした。
江内小学校では、「江内らしい教育」をどうカタチにしていくかを、日頃から模索していたといいます。そのなかで、地域にある森や、そこで仕事をしている人たちの存在は、以前から身近なものだったこと。地域で林業を営むWOODLIFEの中尾さんとは、自治会や地域行事、学校運営協議会などを通して、顔の見える関係が築かれていたこと。そんな状況だったからこそ、こう考えたそうです。
”まずは地元を知ること。そのために、森を舞台に何かできないか?”
そこを機に江内小学校から中尾さんに相談がいき、少しずつ話が具体化していきます。どんな場所で、どんな体験ができるのか。安全面を含めて実施できるのか。何度か打ち合わせを重ねながら一緒に考えていきました。


中尾さん自身は教員ではないものの、それでも学校からの相談に対し、まず話を受け止め、一緒に考える姿勢を大切にしてきてきました。できるかどうかを即断するのではなく、「どうすれば実現できるか?」を考える。その積み重ねが、今回の遠足につながっていきました。
「校長先生や教頭先生との間には、日頃からの信頼関係がありました。細かな指示を重ねるのではなく、互いの立場や考えを理解したうえで役割を分担していく。そうした関係性が、この遠足の土台になっていきました。」(中尾さん)

「用意しすぎない」ことで見えてきた、子どもの力
学校側が一番気にしていたのは、安全面でした。
秋の森を歩くなかで、蜂の心配はないか、滑りやすい場所はないか、子どもたちが走り回れる空間があるか。事前に中尾さんとともに現地確認し、実際に目で見て「これなら大丈夫」と判断したうえで、当日を迎えました。
一方、WOODLIFE側が意識していたのは、「用意しすぎないこと」でした。
「森が子どもたちに何を与えられるのか。逆に、子どもたちが何を学び取るのかを考えたときに、こちらがすべてを用意してしまうと、決まった遊びしかしなくなる気がしたんです。」(中尾さん)
ブランコや焚き火など、最低限の仕掛けは用意しつつも、あとは森そのものに委ねる。そこにある木や草、斜面や空間をどう使うかは、子どもたち次第でした。



「正直なところ、デジタルな遊びが身近な今の時代、子どもたちが自然の中でどこまで楽しめるのか。途中で飽きてしまうのではないか。そんな不安がありました。」(豊島校長)
しかし、その心配はすぐに覆されました。
子どもたちは、自分たちの感覚で工夫しながら遊び続けていました。最初は怖がっていたノコギリ作業も、途中で投げ出すことなく、最後までやりきる姿がありました。「もう帰りたい」という声はほとんど聞かれず、むしろ夢中になって時間を過ごしていたのです。
「今の子は昔と違う、と思い込んでいたのは、大人のほうだったのかもしれません。」(豊島校長)
「環境と機会さえあれば、子どもはいつの時代も変わらず遊ぶ力を持っている。そのことを、改めて実感させられる一日でもありました。」(染谷教頭)



森が「教材」になり、地域との関係をつくっていく
学校側から見ると、今回の森の遠足は「とても良い教材」だったと豊島校長も染谷教頭も力強く答えます。
ノコギリを使う体験、協力して遊ぶ時間、自然の中で粘り強く取り組む姿。教室の中ではなかなか見えにくい子どもたちの一面が、そこにはありました。
「森は私たちや子どもたちににとって一つの教材だと感じました。今後、この教材をどう活かすか。それは私たち教員の役割だと思っています。」(豊島校長)
今後は、図工の授業で森の風景を描いたり、楽器を持ち込んで合奏したりと、他教科との連携もできるのではないかとインタビュー中にたくさんのアイデアも。森で過ごしているからこそ表現できることがたくさんあるのではないか。そんな今後の期待の声もありました。

中尾さんは、今回の経験を通して、森の可能性を改めて感じたといいます。
「以前から江内小学校で開催していた森に関する授業も含め、教育的な学びだけでなく、地域との関係性にも変化をもたらしているのではないかと感じました。たとえば、遠足を通して顔を覚えた大人たちと、子どもたちが日常のなかで“あ、遠足のときの人だ!”と声を掛け合うようになったり。そんな一言が、登下校時の挨拶や見守りになり、さらに、いろんな大人を子どもたちが知ることで、子どもたちの未来の選択肢を増やすことにもつながるのではないかという手応えも感じました。」(中尾さん)
「子どもたちが、あそこまで楽しんでくれるとは思っていなかったです。遊べる森を、常に開いておけたら、もっといろいろなことができるかもしれません。」(中尾さん)
一度きりの遠足ではなく、これからも続いていく関係へ。
信頼を土台に、学校と地域、そして森がゆるやかにつながっていく。そのステップの一つが、今回の遠足だったのかもしれません。

株式会社WOODLIFEでは、週2~3日程度の勤務で働いてくださる方を探しています。
内容は、薪割りや、森の食材収穫に関する業務になります。パートや副業でもどちらでもOKです。
お問い合わせは公式インスタグラムか、メール(kagoshima.woodlife@gmail.com)までお願いします。
| 屋号 | 株式会社WOODLIFE |
|---|---|
| URL | |
| 住所 | 鹿児島県出水市高尾野町江内3242 |
| 備考 | ●公式インスタグラム https://www.instagram.com/kagoshima.woodlife/ ●公式フェイスブック |








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