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「地方に拠点を持つ、新しい働きかた」Meet Up in Tokyo レポート

3月25日、桜がほころぶ東京の秋葉原・万世橋にて、「地方に拠点を持つ、新しい働きかた」をテーマにトークイベントが開催されました。

登壇者は、東京と山形とを行き来したり、山形に拠点を持って働く3名。リアルローカル山形ディレクター・東北芸術工科大学教授・株式会社オープン・エー代表の馬場正尊さん、リアルローカル山形ライターの那須ミノルさんと中島彩です。

「地方に拠点を持つ、新しい働きかた」Meet Up in Tokyo レポート

会場には、地元や母校が山形にあったり赴任経験があるなど、山形にゆかりある人を中心に、二拠点生活に関心を持つ人たちが集まりました。

都市と地方を行き来する働き方、そのほんとのところはどう?
山形をフィールドに仕事をして、どんなことを感じている?

そんなテーマのもと、会場のみなさんと一緒に働き方の可能性について考えていく2時間。イベントのお供には「フクモリ マーチエキュート神田万世橋店」による、山形の山菜や旬菜のおひたし、玉こん、サクラマスの塩焼き、ほかほかのつや姫にのせていただく「だし」などが登場しました。やっぱり山形の魅力に「食」は欠かせませんから。味覚からも山形を感じながら、トークは進んでいきます。

「地方に拠点を持つ、新しい働きかた」Meet Up in Tokyo レポート

「地方に拠点を持つ、新しい働きかた」Meet Up in Tokyo レポート
東京で山形カルチャーを発信するフクモリさんのお料理。山形の風味がじんわり広がる、やさしい味付けにホッとします。

最初に話題にのぼったのは「移動」について。東京-山形間は山形新幹線つばさで片道約3時間かかります。長時間の移動は一見デメリットのようですが、それとは全く異なる意見がありました。

東北芸術工科大学教授で教鞭をとり、毎週のように東京-山形間を移動する馬場さんは、新幹線での3時間も体に馴染み、うまく使えるようになってきたといいます。「移動時間は日常の中で最もひとりになって集中できる時間で、執筆もはかどるし、いいアイディアが生まれる。もはや欠かせない時間です」と話していました。

どこでも仕事ができるこの時代、移動の概念をとらえ直すことで、地方への心理的な距離感はグッと縮まるのかもしれません。

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馬場正尊さん。移動中は風景の定点観測をするのも楽しみのひとつだそう。

山に囲まれた自然豊かな山形と、日々開発が進み人と情報が盛んに行き交う東京。特徴が異なる二つの地で働きながら、どのようなことを感じているのでしょうか。こんな具体例があがりました。

東京より少し早い秋風や雪が舞うピリッと痛い寒さなど、山形駅のホームに降り立ったときの、季節をビビットに感じる瞬間がとてもいい。
東京での緊張感や硬直していた気持ちが、山形の風景を見て解きほぐされるような感覚もある。
東京で「山が見たい」「温泉に浸かりたい」と、体が山形を欲することもあるほど。

山形で過ごす時間は、一言で言うならば「癒されている」ということなのかもしれません。精神的にとてもいいバランスがとれていると話していました。

それはきっと定期的に行き来することで、各々の良さが客観的に見えているはず。これも二拠点生活の産物のひとつなのかもしれません。

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仕事の広がり方についても話題があがりました。山形では個人の存在が目立ちやすく、ひとつ仕事をすることで次の仕事につながりやすい側面があります。

一人と繋がれば、あっという間に知り合いが増えていく人のネットワークに比例して、仕事のネットワークもたちまち広がっていく。「こんなことも頼めないだろうか?」と、専門分野を超えたリクエストが来ることもあり、自然と守備範囲が広がっていく。地域の人と環境のおかげで、スキルアップしていくとも言えるかもしれません。

「地方に拠点を持つ、新しい働きかた」Meet Up in Tokyo レポート

経営者であり大学の教授でもある馬場さんは、学生や新社会人と話すなかで「いつかは地元で仕事がしたい」「地方にも拠点を持って働きたい」と考える若者が増えていると感じています。

地域の町並みや伝統文化など、いつまでも変わらない、もしくは守っていきたいコアを持ちながら、新しいことに挑戦できる。そこに魅力を感じているのではないかと推測しています。

その現れとして、山形市では学生が主体となりリノベーションして店をつくったり、イベントを立ち上げたりと新たなことに挑戦する姿があります。イベント会場では、東北芸術工科大学の学生が立ち上げたプロジェクト「Day & Coffee」がポップアップのコーヒースタンドを披露しました。

「地方に拠点を持つ、新しい働きかた」Meet Up in Tokyo レポート
山形市すずらん通りにコーヒースタンドをつくるべく、クラウドファンディングを成功させた「Day & Coffee」。バリスタ・北嶋孝祐さんによってコーヒーがふるまわれた。

学生たちのほか、山形市には東京でキャリアを積んでからUターンして自分の店を構える人や、ネットで世界と繋がりながら独立して活動する若手クリエーターも多くいます。

独自のローカル文化が根付きながら、豊かな自然と豊富な土地、人のネットワーク、そして経済的にもチャレンジしやすい土壌があることが、新たなムーブメントを後押ししているのかもしれません。

「地方に拠点を持つ、新しい働きかた」Meet Up in Tokyo レポート

終盤は参加者のみなさんからも意見をいただきました。

東京で店を開きながら、帰省の際にゆるやかに地元のプロジェクトをお手伝いしている人、東京で会社員をしながら、地元の山形に仕事をつくり出張として山形に通う人、山形へのIターンを考えている人など、いくつものエピソードをうかがいました。

若い頃は地元が嫌で東京に出たけど、仕事を通じて山形と触れ合い、東京にいるからこそ山形の良さを感じることができるようになった。ドキュメンタリー映画祭や山形ビエンナーレなどのイベントを通じて山形に何度も足を運ぶようになり、いつかは山形で仕事を見つけ暮らすために情報集取しているなど、より多くの視点と具体例から山形に拠点を持つ働き方について考えることができました。

山形との関わり方は十人十色。それぞれが自分のペースで、心地いい山形との関係を模索し実践している。

移住にはもっとグラデーションがあっていいのだと、会場にいる全員で、広がりつつある働き方の可能性を共有できたイベントでした。

ご来場いただいたみなさま、ありがとうございました!
以上、山形へ思いを寄せて、春の東京からのレポートでした。

撮影:長利咲代子

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