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生まれ変わった「旧宮塚町住宅」の産声を聞いた  – CITY FARM MARKET 開催レポート –

2020.02.10

全国的にも珍しい芦屋の石造団地「旧宮塚町住宅」に、再び人の営みが戻った。

2019年秋の全区画営業開始で生まれ変わった「旧宮塚町住宅」の様子を、同年12月に開催した「CITY FARM MARKET」の振り返りとともにお届けしたい。

生まれ変わった「旧宮塚町住宅」の産声を聞いた  - CITY FARM MARKET 開催レポート -
長い眠りから覚め、再び人の営みを取り戻した芦屋の石造り団地「旧宮塚町住宅」。老舗紅茶専門喫茶店と6つのクラフトメーカーが入居する。
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再利用される前の旧宮塚町住宅。市営住宅の使命を全うしたあとは長年使われることなく、時が止まったように街に佇んでいた。

止まった時間が動き出す

1952年に建てられた旧宮塚町住宅は、市営住宅としての使命を全うし、長きにわたり使われないまま眠っていた。その歴史を感じされる石造りの雰囲気と、どこか愛らしい外観で神戸~芦屋界隈の「古い建物好き」たちにとっては気になる存在でもあった。

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旧宮塚町住宅の壁面。いまでは考えられないような贅沢な石造りだ。
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「CITY FARM MARKET」は、オープンからたくさんの来場者で賑わった。
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「ずっとこの場所の動向を気にしていた」という来場者も。
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来場者は好奇心にまかせてクラフトメーカーの工房・ショップを巡っていた。

古い建物好きたちの間で「このまま使われずにいると、取り壊されてしまうのではないか」という心配の声が高まっていたなか、その声が届いたのか芦屋市はこの建物の保存活用を決定。芦屋には「働く」という機能の場所が少ないことから、そのイメージを象徴する「工房」の集まる施設として活用する運びとなった(飲食区画である1区画を除く)。

2019年2月頃から入居者を募集しはじめ、応募多数の末に2019年夏に1階の4区画で革製品工房・靴工房・ガラス工房と紅茶専門店が営業開始。同年秋には残りの区画(2階の3区画)で、オーダースーツ専門店・アンティーク家具修理工房・陶器工房がオープンし、旧宮塚町住宅に再び時間が流れ始めた。

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この日は、旧宮塚町住宅に入居する全てのクラフトメーカーがワークショップや見学会を開催。革製品工房「ameriega toribitatta」では、革のキーケースづくりを体験できた。
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靴工房「ツムジ靴店」は工房を開放。
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陶芸工房「yoshida pottery」ではロクロ体験。
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アンティーク家具修理「grow-grow」は、くるみボタンづくりワークショップを開催。
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オーダースーツ専門店「galanterie club」では、ボウタイづくりワークショップ。
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ガラス工房「火の果ぐらす」はガラスのクリスマスツリーづくり。
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工房から見たCITY FARM MARKETの様子。
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唯一の飲食区画、紅茶専門喫茶店「Tea Saloon MUSICA」は通常営業しながら来場者に憩いを提供していた。
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近隣飲食店や食品事業者の料理も会場に花を添えた。

土の匂いがする「芦屋らしくない芦屋」

CITY FARM MARKETは、生まれ変わった旧宮塚町住宅のお披露目として開催したわけだが、なぜ「FARM」なのかというと、2020年春から旧宮塚町住宅敷地内で農園づくりを始めるからに他ならない。芦屋の住宅街で畑を耕してみようという試みだ。(「CITY FARM | 旧宮塚町住宅」という名称にする予定)

昨今の都市部で様々な屋外マーケットが開かれ、クラフトマンがつくるモノや健康的な食材に、かつてない注目が集まっている。また、「顔の見える作り手からモノを買う」というムーブメントが広がりを見せるなか、自分で作ることに興味を深めている人も増えている。

CITY FARM | 旧宮塚町住宅」では、都市で暮らす人が食べ物の作り手に出会い、「どのような形で我々の生活はできているのか」をリアルに体感してもらえる場をつくっていきたい。

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神戸・西宮の近隣農家も出店。農家と話しながら野菜を買える機会は貴重だ。
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農家が直接野菜を販売すると、スーパーの陳列棚からはうかがえない農家の個性が見えてくる。
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旧宮塚町住宅=野菜というイメージを持ち帰った人も多いはずだ。
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旧宮塚町住宅に活気ある声が戻ったのはいつぶりなのか、と想いを馳せる。

CITY FARM MARKETは多くの来場者で賑わい、誰もが「ここから何かが始まる」という期待に満ちた嬉しそうな顔をしながら会話を楽しんでいた。

会場を少し離れ周辺を散策していると、旧宮塚町住宅からの声が束になり聞こえてくる。まるで、生まれ変わったばかりの旧宮塚町住宅が産声をあげているように感じた。

文・写真 / 則直建都

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