福井駅前浪漫飛行—これまでと、これからを語ろう
福井の連載
日本海に面する北陸地方にある福井県。その県庁所在地である福井市の福井駅前は、2024年の北陸新幹線開業に向けて、大きく姿を変えようとしている。
大きく姿を変える福井駅前の今
1945年の福井空襲と、その3年後の福井震災で、福井の街中は焼け野原になった後、大規模な都市開発が行われて現在の街の基盤をつくった。(その復興の様子を「不死鳥」と重ねて「不死鳥のねがい」という福井市市民憲章が掲げられている)
それから70年余り。新しい時代に向けて次々と変容していく懐かしい風景にとまどいを覚えながら、reallocal福井ではそのメタモルフォーゼを追いかけることにした。
再び、人々が行き交う街を目指して
戦災と震災を経て、高度経済成長期を迎えた福井駅前は、多くの人が集まる街となった。通りを歩けば行き交う人の肩にぶつかるほどの混雑振りだったと、かつてのにぎわいを知る人は声を揃えて語る。
しかし、1990年以降、自動車の普及により次第に郊外型の商業施設が増え、福井駅前も少しずつ人通りが少なくなり、かつて栄えた商店街もシャッター街と呼ばれるほどになった。
活気を失った福井駅前の街中に、もう一度、人々の往来を取り戻したい。その思いは、この場所で店を出した人、その店に通っていた人、働いていた人が感じていることだろう。
まずは、話してみよう、聞いてみよう
「再開発事業」という言葉だけでは、そう簡単に近づけないような気持ちになってしまうものだが、reallocal福井ではまず福井駅前で日々を過ごし、店を営んできた人々に直接会ってお話を伺うことにした。
想い出を語り、忌憚のない意見をまず聞いてみる。そこから見えてくる一人一人の福井駅前に託す想いや景色を、この連載を通じて伝えたい。
「再開発事業」の名のもとに変わる風景が、一人一人の小さな想いの集合体で生まれるように。reallocal福井は、そう願っている。