【北九州】ひとりあるき。〜たくさんの〝あったかさ〟に出会えた編〜
北九州市立大学 地域創生学群 片岡ゼミの編集チーム「つづる。」が身近な北九州の魅力を自分達自身の言葉で綴り、みなさんにお届けしていきます。
こんにちは。「つづる。」の編集メンバーのしんじです。
筋金入りのインドア派「しんじ」が、リアルローカルの執筆を機に北九州を歩きます!
本日の目的は、
・気になっていた老舗のメロンパン屋に行く
・POPEYE(雑誌)を買いに、小倉のクエスト(書店)へ行く
出発…しかし曇天。
午後3時頃に家を出た。どんよりとした天気にモアっとした空気が、僕が歩き回っただけで記事になるのか?という不安を搔き立てた。
モノレールに乗って向かったのは、小倉駅……ではなく、3駅手前の「香春口三萩野駅(かわらぐちみはぎのえき)」。
理由はただ一つ。
以前から気になっていたメロンパン屋「ココ・メルシー」に寄り道したかった。
香春口三萩野駅から10分ほど歩いたところで、「焼き上がり」の電光掲示板が目に飛び込んできた。
甘くて、どこか懐かしい匂い。
前を歩く子連れの家族が立ち止まり、メロンパンを買っていった。その姿に背中を押されるように、僕も購入。
一口食べて思わず言葉が出た。
「あったかい…。」
焼きたてだから…だけじゃない。懐かしい。
おばあちゃんを思い出すような味だった。(※僕のおばあちゃんはメロンパンなど作ってない)
信号が赤になった隙に助手席から降りてきて買いに来る人、スーツ姿で急ぎ足のサラリーマン。
滞在は 1〜2 分だったけど、愛されているお店なんだと実感した。お店のレトロな雰囲気と、街の静かな空気がよく合っていた。
このときばかりは、自分も“地元民”になれた気がした。
お腹も心も満たされたところで、再出発。
途中、工事現場で不意に目に入った、場違いなようでどこか温かいポスター。
……そうだ、母の日だ。粋な工事現場だ。
思わず母に「ありがとう」のLINEと、ギフトを送った。
書店クエストに到着。
雑誌『POPEYE』を手に取る。 いろんな“出会い”があったことに気づく。
メロンパンの匂い。
街の静けさ。
母の日のポスター。
街は、歩くと違って見える。
なんだかもっと歩いてみたくなった。
クエストは、小倉で長年親しまれてきた書店。
大型書店が減る中でも、街の文化を支えてきた存在だ。学生やビジネスパーソンにとっての知のよりどころであり、僕にとっては“発見”の宝庫でもある。
今日は雑誌を買いに来ただけだけど、なんだかもっと歩いてみたくなった。
北九州の街には、まだまだ知らない“あったかさ”が眠っている。
(文・写真:しんじ)