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はじめての「ひっぱりうどん」

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2020.03.22

※山形へ移住したライター中島による、山形で体験するはじめての食べ物、イベントなどを記録するコラムです。

山形市はみちのく東北として蕎麦文化が根付きながら、中華そば消費量日本一のラーメン大国であったり、“蕎麦屋でラーメン”というねじれ現象(?)があったり、冷やしラーメンや冷たい肉そば、鳥中華などの個性派メニューまでもが揃っていたり。

そんな麺大国の山形ですが、蕎麦とラーメンだけではなく、うどんもしっかりと守備範囲におさめています。

その代表格はやはり「ひっぱりうどん」ではないでしょうか(芋煮のシメの「芋煮カレーうどん」にも驚きましたが…)。お店で注文して食べるというより、家でつくって食べる日常食として、山形市民に愛されているようです。私もときどき家でつくって食べています。

はじめての「ひっぱりうどん」
こちらは1人用ですが、大鍋にたくさんのうどんを茹でて、家族や仲間みんなでひっぱって食べるという風習がある。

ひっぱりうどんとは、うどんをゆでたお鍋からアツアツのままうどんをひっぱり、特製ダレにつけていただく、というもの。ひっぱるからひっぱりうどん。まっすぐで親しみがわくネーミングがいいなぁと思います。

うどんをひっぱる前に卓上で特製ダレを準備します。醤油ベースのつゆにサバと納豆をイン。このサバとは缶詰のサバの水煮であり、納豆とともにひっぱりうどんに欠かせない具材となっています。あとはお好みでたまご、刻みネギやかつおぶし、七味とうがらしなどを入れていきます。

はじめての「ひっぱりうどん」

小鉢の中でサバの身をほぐして、納豆や薬味と軽くまぜておけば準備完了。湯気が立つお鍋の中に箸を潜り込ませて、うどんをひっぱりタレに浸します。

湯上りのあたたかいうどんに納豆のねばりがベールをまとい、細めのうどんに具材が絡んで、ツルツルっと口からのどへ通っていく。うどんのやさしい歯触りとあたたかさが全体に調和をもたらしているのか、サバも納豆もそれぞれ独特の風味があるのに不思議とマッチしていておいしい。

はじめての「ひっぱりうどん」

納豆の栄養価はいうまでもないのですが、サバ缶も良質なタンパク質、ビタミンD、EPA、DHA(血液促進やコレステロール、中性脂肪を下げる効果もあるという)が豊富に含まれたかなり栄養価が高い食品であり、ひっぱりうどんは納豆汁と同様に、寒い季節にあったまりながら栄養を摂取する昔ながらの知恵が光る健康食のようです。

サバ缶は日持ちしますし、安価で手に入りやすいのも魅力。おいしくて手軽につくれて栄養もとれるのだから、山形市民が重宝していることに納得しかありません。

はじめての「ひっぱりうどん」
サバの水煮は栄養満点のスーパーフード。

私の個人調べによると、ひっぱりうどんにはたまごが欠かせないという人が一定数いるようです。そのほか各家庭でオリジナルの食べ方があるみたいで、若い層を中心にバターを入れるという洋風スタイルも散見されました。実際に試してみたら、コクがアップしておいしかったのでぜひお試しください。

そういえば、私が最初にひっぱりうどんを食べたのは友達の家でした。山形に来て1年も経たない頃、数少なかった友人のひとりがお昼ご飯にひっぱりうどんを振る舞ってくれたのです。

寒い雪の日、卓上にどんと鍋を置き3人でお腹いっぱいにうどんをすすったあの経験は、どれだけ外でお酒を交わすよりもずっと仲良くなれたような気がして嬉しかったなぁ、なんてことを思い出しました。

山形の人が幼い頃から家族でひっぱりうどんを食べてきたとするならば、情が深くてやさしい山形の人柄と、ひっぱりうどんの食文化とが繋がっているような気がするのはただのこじつけなのか、移住者のしがない妄想なのか。

とにもかくにも、いまや私の中でひっぱりうどんは日常食のレパートリーとして刻み込まれているわけで、山形の外の人にも自信を持って発信したい、あったかくておいしい山形のソウルフードです。


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